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じゅうまいいわさんきんあと(いりやくろもり)
十枚山産金跡(入谷黒森)

十枚山産金跡(入谷黒森)

 入谷字岩沢から南西に入る通称「寺沢」をさかのぼると、二本の沢に囲まれた広い平坦地があり、現在入谷字水口沢にある「左沢山龍門院」の故地と伝えられています。その左側の沢の対岸上流が「十枚山」と呼ばれる金掘り跡で、町内で確認されているなかではもっとも規模の大きな山金(岩金)掘りの跡です。「入谷安部物語」によると、この寺の開山法要中に大変な暴風雨となり、左の沢で山が崩れて大小の岩をともなった大水となり、それらの岩が沢を埋めてできた大沼に、数百年もこの山中に棲んでいた大蛇が現れて寺を害そうとしましたが、開山和尚らが唱える法華経の功徳によって龍に変じ成仏したと伝えています。写真は大規模な露天掘りの跡ですが、この開山縁起そのものが金山稼動時の荒々しいまでの賑わいのメタファーのように思えます。 【2005.04.28撮影】

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