ラムサール条約と南三陸の海

ラムサール条約とは

1 正式名称

  「特に水鳥の生息地として国際的に重要な湿地に関する条約」

2 条約の特徴

  湿地の「保全(・再生)」と「ワイズユース(賢明な利用)」、そしてこれらを支え、促進する「交流・学習」を重視していることが特徴です。

3 登録の要件

  わが国では、次の要件を満たしている湿地を登録しています。

 (1)国際的に重要な湿地であること。(条約で示された基準のいずれかに該当すること)

 (2)国の法律(自然保護法、鳥獣法など)により、将来にわたって自然環境の保全が図られること。

 (3)地元住民などから登録への賛意が得られること。

南三陸町(志津川湾)の現状

 南三陸町の海には多様な自然環境が広がり、多種多様な生物が生息しています。複雑に入り組んだリアス式海岸は、小さな入り江がいくつも連なり、磯や干潟が生物を育んでいます。

 志津川湾内の椿島です。ここは、環境省が国内の重要な自然環境を1000ヶ所ほど調査する「モニタリングサイト1000」に選定されており、全国で6ヶ所しかない藻場サイトのひとつに選ばれています。

 映像・志津川湾の自然(外部リンク)

(映像中の藻場の様子は調査時に撮影されたものです)。 

  ハンドブック「南三陸の海とラムサール条約」 [12424KB pdfファイル]   

  志津川湾は、環境省より「ラムサール条約湿地潜在候補地」として、平成22年9月30日に志津川湾の海藻の藻場が選定されています。

 「海藻の藻場」のカテゴリーで条約登録されれば、国内初となります。

カテゴリ 概要 湿地のタイプ

基準3

(海藻)

寒海性コンブ目と暖海性コンブ目が共存する海域の代表的な海藻藻場として

貴重である。アラメ群落の北限に近い。

低潮時6m以浅

の浅海域

海藻(藻場)の特徴

マコンブ    アラメ

         【マコンブ】                      【アラメ】

 志津川湾は、寒海性コンブ目(かんかいせいこんぶもく)であるマコンブ(左図)群落の南限、暖海性コンブ目(だんかいせいこんぶもく)のアラメ(右図)の北限に位置しており、両方が共存する貴重な藻場となっています。

  分布 寿命 特徴
マコンブ

北海道から宮城県

2年

濃密なコンブ場を形成。

コンブ類の代表種。

アラメ 岩手県南部・宮城県から九州 4から5年 海中林を形成し、様々な動植物の住み場を提供
希少種コクガン

 さらに、志津川湾は国の天然記念物であり、絶滅危惧種Ⅱ類(VU)に指定されている「コクガン」の越冬地ともなっており、近年は100羽から200羽のコクガンが確認されています。

 コクガンは、北極圏のツンドラで繁殖した後、冬鳥として北日本沿岸に飛来します。

 これは、志津川湾が、

 ・ 静かな内湾であること

 ・ えさとなる海藻や海草の安定した藻場群落があること

 ・ 休憩場所となる岩礁帯があること

 といった条件をクリアしている貴重な場所であることによるものです。

 そのため「基準3(海藻)」に加え、「基準6(水鳥)」の追加も検討しています。

震災後の湾内で休息するコクガンの群れ  コクガン(アップ画像)

【震災後の湾内で休息するコクガンの群れ(平磯漁港)】(写真提供:鈴木卓也氏)