○南三陸町職員等からの公益通報等に関する要綱

令和4年5月31日

告示第49号

南三陸町職員等からの公益通報等に関する要綱(平成20年南三陸町告示第8号)の全部を改正する。

(目的)

第1条 この要綱は、公益通報者保護法(平成16年法律第122号。以下「法」という。)の趣旨に基づき、町、町職員等、委託先事業者及び委託先事業者の役職員等の法令違反行為等に関する町職員等及び委託先事業者の役職員等からの通報等に対応する仕組みを整備し、運用することにより、通報等をした者及び調査協力者(以下「通報者等」という。)の保護を図るとともに、町における法令遵守を推進し、もって町政に対する信頼を確保することを目的とする。

(定義)

第2条 この要綱において「町職員等」とは、次に掲げる者をいう。

(1) 町の一般職の職員のほか、町長、副町長、地方自治法(昭和22年法律第67号)第138条の4第1項に規定する委員及び同条第3項に規定する附属機関の構成員

(2) 前号に規定する者であった者(退職の日から1年以内の者に限る。)

2 この要綱において「委託先事業者」とは、町の事務又は事業を受託し、又は請け負っている法人その他の団体(事業を行う個人を含む。以下同じ。)及び地方自治法第244条の2第3項の規定により町の公の施設の管理を行う指定管理者並びにこれらの者から事務又は事業を受託し、又は請け負っている法人その他の団体

3 この要綱において「委託先事業者の役職員等」とは、委託先事業者の役員及び従業員をいう。

4 この要綱において「法令違反行為等」とは、次に掲げる行為をいう。

(1) 町又は町職員等の職務の執行における法令(町が定める規則その他の規程を含む。以下同じ。)に違反する行為その他不適正な行為

(2) 委託先事業者又は委託先事業者の役職員等の職務の執行における法令に違反する行為その他不適正な行為

5 この要綱において「通報」とは、法令違反行為等が生じ、又は正に生じようとしていると思料して、その旨を知らせることをいう。

6 この要綱において「相談」とは、通報に先立ち、又は関連して必要な助言を受けることをいう。

7 この要綱において「内部通報」とは、法令違反行為等が生じ、又は正に生じようとしていることを通報・相談窓口又は職制上の上司に通報することをいう。

(通報等への対応体制)

第3条 町は、町職員等及び委託先事業者の役職員等からの通報又は相談(以下「通報等」という。)に対応するため、通報対応業務(通報等を受け、並びに通報等された事案を調査し、及び当該事案の是正措置等を検討・実行する業務をいう。以下同じ。)を統括する通報対応責任者を置くものとし、副町長をもってこれに充てる。

2 通報対応責任者は、通報対応業務を適切に行うため、次に掲げる対応体制を整備し、運用する。

(1) 町職員等及び委託先事業者の役職員等が通報等をするための窓口(以下「通報・相談窓口」という。)を設置すること。

(2) 通報等された事案(以下「対象事案」という。)が町長その他町の幹部職員に関係するものである場合において、これらの者からの独立性を確保する措置をとること。

(3) 通報・相談窓口において、対象事案が既に調査中の事案と同種の案件である場合、既に調査又は是正措置がとられ解決済みである場合、通報者等と連絡が取れず事実確認ができない場合その他正当な理由がある場合を除き、必要な調査を実施すること。

(4) 前号の調査の結果、対象事案について法令違反行為等が明らかになった場合において、是正措置等をとること。

(5) 通報対応業務において利益相反を排除すること。

(6) 不利益な取扱い(通報等をしたこと、通報対応業務に協力したこと等を理由とした町、町職員等、委託先事業者及び委託先事業者の役職員等による懲戒処分その他の通報者等にとって不利益な取扱いをいう。以下同じ。)が行われることを防止すること。

(7) 必要な範囲を超える情報の共有及び通報者等の探索が行われることを防止すること。

(8) 通報等への対応体制について、町職員等、委託先事業者及び委託先事業者の役職員等に対し周知すること。

(9) 通報等への対応体制の定期的な点検・評価を実施し、必要に応じて改善を行うこと。

(通報・相談窓口)

第4条 通報・相談窓口を、行政管理課に置く。

2 通報・相談窓口に、通報・相談担当者を置くものとし、行政管理課長が指定する職員をもってこれに充てる。

(通報等の方法)

第5条 町職員等、委託先事業者及び委託先事業者の役職員等は、通報・相談窓口に対し、次に掲げる事項を、電話、電子メール、ファクシミリ、郵送又は面談により知らせることにより、通報することができる。

(1) 法令違反行為等に関する事実の内容

(2) 法令違反行為等が生じ、又は正に生じようとしていると思料する理由

2 町職員等、委託先事業者及び委託先事業者の役職員等は、匿名により通報することができる。

3 前2項の規定は、相談の場合について準用する。

(情報を共有する者の範囲)

第6条 通報者等を特定できる情報は、通報対応責任者及び通報・相談担当者に限り、共有することができる。

2 通報対応責任者及び通報・相談担当者は、通報者等を特定できる情報以外の情報の共有範囲についても、慎重に取り扱わなければならない。

3 前2項の規定は、通報対応業務に協力した者の情報について準用する。

(調査)

第7条 通報対応責任者は、通報等に係る調査を統括し、対象事案が既に調査中の事案と同種の案件である場合、既に調査又は是正措置がとられ解決済みである場合、通報者等と連絡が取れず事実確認ができない場合その他正当な理由がある場合を除き、直ちに必要な調査を実施しなければならない。

2 通報対応責任者は、調査の過程において町長その他町の幹部職員が関与する法令等違反を確認した場合は、調査に関する独立性を確保するため、町顧問弁護士等のモニタリングを受けながら調査を実施するものとする。

3 通報対応責任者は、対象事案について、通報・相談担当者又は対象事案の主管課の職員のうちから調査担当者を定め、調査を担当させるものとする。

(是正措置等)

第8条 調査担当者は、調査の結果、法令違反行為等が明らかとなった場合は、その旨を通報対応責任者に報告しなければならない。

2 通報対応責任者は、対象事案の是正措置等の検討及び実行を統括し、前項の報告を受けたときは、速やかに是正措置等を検討し、及び実行するものとする。

3 通報対応責任者は、対象事案の是正措置等の検討又は実行をする者として、通報・相談担当者又は対象事案の主管課の職員のうちから担当者を定め、対象事案の是正措置等の検討又は実行を担当させることができる。

4 通報対応責任者は、町長その他町の幹部職員が関与する法令等違反を確認した場合は、是正措置等の検討及び実行に関する独立性を確保するため、町顧問弁護士等のモニタリングを受けながら是正措置等を検討及び実行するものとする。

5 通報対応責任者は、法令違反行為等の是正措置等が適切に機能しているかを検証し、適切に機能していないことが判明した場合は、追加の是正措置等を講ずるものとする。

(処分等)

第9条 第7条の規定による調査(以下「調査」という。)の結果、法令違反行為等が明らかになった場合は、町は、当該法令違反行為等に関与した者について、南三陸町職員の懲戒処分の指針(令和3年9月24日公告)に基づく等し、必要な処分を課す等するものとする。

(記録)

第10条 通報等への対応に係る記録、関係資料その他の関連文書については、南三陸町文書取扱規程(平成17年南三陸町訓令第9号)の定めるところにより、適切に管理しなければならない。この場合において、関連文書の保存期間は、当該通報対応業務が終了した後、10年以上とする。

(協力義務)

第11条 町職員等及び委託先事業者の役職員等は、通報対応責任者が行う調査に協力しなければならない。

2 町職員等及び委託先事業者の役職員等は、調査に対し、誠実に応じなければならない。

3 町は、前2項の規定に違反した町職員等及び委託先事業者の役職員等に対し、適切な処分等を課すことができる。

(通報者等の保護)

第12条 町、町職員等及び委託先事業者の役職員等は、通報者等に対し、不利益な取扱いをしてはならない。

2 町は、前項の規定に違反した町職員等及び委託先事業者の役職員等に対し、適切な処分等を課すことができる。

3 第1項の不利益な取扱いがなされた場合において、町は、当該不利益な取扱いを受けた通報者等に対し、適切な救済及び回復のための措置を講ずるものとする。

(通報者等の探索の禁止)

第13条 町職員等及び委託先事業者の役職員等は、通報者等の探索をしてはならない。

2 町は、前項の規定に違反した町職員等及び委託先事業者の役職員等に対し、適切な処分等を課すことができる。

(秘密保持)

第14条 町職員等及び委託先事業者の役職員等は、この要綱に定める場合のほか、法令に基づく場合その他の正当な理由がない限り、対象事案に関する情報を開示してはならない。

2 町職員等及び委託先事業者の役職員等は、この要綱に定める場合のほか、法令に基づく場合その他の正当な理由がない限り、対象事案に関する情報を目的外に使用してはならない。

3 町は、前2項の規定に違反した町職員等及び委託先事業者の役職員等に対し、適切な処分等を課すことができる。

(利益相反関係の排除)

第15条 次の各号のいずれかに該当する者は、当該対象事案の通報・相談担当者若しくは調査担当者又は是正措置等の検討若しくは実行に関与することができない。

(1) 法令違反行為等の発覚又は調査の結果により実質的に不利益を受ける者

(2) 通報者又は被通報者と親族関係にある者

(3) 通報に係る事案に関する公正な調査又は是正措置等の検討若しくは実施を阻害し得る者

2 通報・相談担当者は、自らが前項各号のいずれかに該当する通報等を受け付けた場合は、通報対応責任者に報告の上、他の職員に引き継がなければならない。

3 当該対象事案の通報・相談担当者若しくは調査担当者又は是正措置等の検討若しくは実行に関与する者は、それぞれの業務に着手する時点において、第1項各号のいずれにも該当しないことを確認しなければならない。この場合において、第1項各号のいずれかに該当する場合は、通報対応責任者に報告しなければならない。

4 前項の報告を受けた通報対応責任者は、当該報告をした者を、当該対象事案に関与させてはならない。

5 町は、第1項各号のいずれかに該当することを報告しないで通報対応業務に関与した者に対し、適切な処分等を課すことができる。

(通知等)

第16条 通報・相談担当者は、通報をした者の連絡先が分からない場合を除き、当該通報をした者に対し、当該通報を受け付けた旨を、当該受け付けた日から20日以内に通知しなければならない。

2 通報・相談担当者は、通報をした者の連絡先が分からない場合を除き、当該通報をした者に対し、当該通報の対象事案に関する調査の結果及び是正措置等について、適正な業務の遂行及び利害関係人の秘密、信用、名誉、プライバシー等の保護に支障がない範囲において、速やかに通知しなければならない。

3 通報・相談担当者は、通報をした者又は調査協力者の連絡先が分からない場合を除き、当該通報の対象事案の調査を開始した後、是正措置等が完了するまでの間、必要に応じ、当該通報をした者及び調査協力者が不利益な取扱いを受けていないかについて確認するものとする。

(職制上の上司への通報)

第17条 町職員等及び委託先事業者の役職員等は、通報・相談窓口のほか、職制上の上司に対して内部通報することができる。

2 前項の内部通報を受けた者は、事案の内容等に応じ、自ら確認し、是正し、又は通報・相談窓口に連絡する等、内部通報をした者の秘密に配慮した上で、必要な措置を講じなければならない。

3 第12条から第14条までの規定は、職制上の上司に対した内部通報が行われた場合について準用する。

(法第3条第2号又は第3号通報を行った者の保護等)

第18条 第12条から第14条までの規定は、法第3条第2号又は第3号通報を行った者について準用する。

(不正の目的による通報等の禁止)

第19条 町職員等及び委託先事業者の役職員等は、虚偽の通報等、他人を誹謗中傷することを目的とした通報等その他の不正の目的の通報等をしてはならない。

(留意事項)

第20条 通報者等は、通報等をした情報が拡散することにより自らが不利益な取扱いを受けるおそれがあることに鑑み、当該情報の管理に留意しなければならない。

(リニエンシー)

第21条 法令違反行為等に関与した町職員等又は委託先事業者の役職員等が自主的に内部通報又は通報対応業務に協力した場合は、町は、当該法令違反行為等に関与した町職員等又は委託先事業者の役職員等に対する処分等を減免することができる。

(通報等に対する評価)

第22条 町は、重大な法令違反行為等の発見及び是正に寄与した通報等を行った者に対して、積極的な評価を行うものとする。

(教育・周知)

第23条 通報対応責任者は、個人情報の保護等に配慮した上で、通報・相談窓口の運用実績に関し、町職員等及び委託先事業者の役職員等に対し周知するものとする。

2 通報対応責任者は、町職員等(第2条第1項第2号に掲げる者を除く。)及び委託先事業者の役職員等に対し、定期的に、法及び通報対応業務に関する教育・周知するものとする。

(運用状況等の公表)

第24条 町は、通報・相談窓口に寄せられた通報等に関する運用状況等について、各年度の終了後、速やかに公表するものとする。ただし、当該事項を公表することにより、通報等に関する秘密の保持及び個人情報の保護並びに利害関係人の営業秘密、信用、名誉、プライバシー等の保護に支障が生じる場合にあっては、通報等のあった事案ごとに、その全部又は一部を公表しないことができる。

(その他)

第25条 この要綱に定めるもののほか、必要な事項は、町長の承認を得て、通報対応責任者が定める。

この告示は、令和4年6月1日から施行する。

南三陸町職員等からの公益通報等に関する要綱

令和4年5月31日 告示第49号

(令和4年6月1日施行)