○南三陸町職員の懲戒処分の指針

令和3年9月24日

公告

第1 基本事項

この指針は、代表的な非違行為の事例を選び、それぞれにおける標準的な懲戒処分の量定を示すものである。

具体的な量定の決定に当たっては、次に掲げる事項のほか、適宜、日頃の勤務態度、当該非違行為後の対応等を総合的に勘案し、判断するものとする。

(1) 非違行為の動機、態様及び結果はどうであったか

(2) 故意又は過失の度合いはどの程度であったか

(3) 非違行為を行った職員の職責はどのようなものであったか

(4) 非違行為を行った職員の勤務状況(業務量及び時間外勤務の状況を含む。)、体調等はどうであったか

(5) 前号の勤務状況、体調等と非違行為との関係はどうであったか

(6) 非違行為が慣例として行われていたものであったか

(7) 他の職員及び社会に与える影響はどのようなものであるか

(8) 過去に非違行為を行っているか

2 個別の事案の内容によっては、この指針において標準例として示す量定以外(訓告その他の懲戒処分に至らないものを含む。)とすることがある。

3 この指針において標準例に掲げていない非違行為についても、懲戒処分等の対象となり得るものである。

第2 標準例

(1) 一般服務関係

ア 欠勤

(ア) 正当な理由なく10日以内の間勤務を欠いた職員は、減給又は戒告とする。

(イ) 正当な理由なく11日以上20日以内の間勤務を欠いた職員は、停職又は減給とする。

(ウ) 正当な理由なく21日以上の間勤務を欠いた職員は、免職又は停職とする。

イ 遅刻・早退

勤務時間の始め又は終わりに繰り返し勤務を欠いた職員は、戒告とする。

ウ 休暇の虚偽申請

病気休暇、特別休暇、介護休暇又は介護時間について虚偽の申請をした職員は、減給又は戒告とする。

エ 勤務態度不良

勤務時間中に職場を離脱して職務を怠り、公務の運営に支障を生じさせた職員は、減給又は戒告とする。

オ 職場内秩序を乱す行為

(ア) 他の職員に対する暴行により職場の秩序を乱した職員は、停職又は減給とする。

(イ) 他の職員に対する暴言により職場の秩序を乱した職員は、減給又は戒告とする。

カ 虚偽報告

事実をねつ造して虚偽の報告を行った職員は、減給又は戒告とする。

キ 営利企業等の従事

許可なく営利企業等に従事した職員は、減給又は戒告とする。

ク 違法な職員団体活動

(ア) 地方公務員法(昭和25年法律第261号)第37条第1項前段の規定に違反して同盟罷業、怠業その他の争議行為をし、又は町の機関の活動能率を低下させる怠業的行為をした職員は、減給又は戒告とする。

(イ) 地方公務員法第37条第1項後段の規定に違反して同項前段に規定する違法な行為を企て、又はその遂行を共謀し、そそのかし、若しくはあおった職員は、免職又は停職とする。

ケ 秘密漏えい

(ア) 職務上知ることのできた秘密(個人情報(個人情報の保護に関する法律(平成15年法律第57号)に定める個人情報をいう。)を含む。以下同じ。)を故意に漏らし、公務の運営に重大な支障を生じさせ、又は町民等に重大な損害若しくは不利益を与えた職員は、免職又は停職とする。この場合において、自己の不正な利益を図る目的で秘密を漏らした職員は、免職とする。

(イ) 職務上知ることのできた秘密を過失により漏らし、公務の運営に支障を生じさせ、又は町民等に損害若しくは不利益を与えた職員は、減給又は戒告とする。

(ウ) 具体的に命令又は注意喚起された情報セキュリティ対策を怠ったことにより、職務上の秘密が漏えいし、公務の運営に重大な支障を生じさせた職員は、停職、減給又は戒告とする。

コ 個人の秘密情報の目的外収集

その職権を濫用して、専らその職務の用以外の用に供する目的で個人の秘密に属する事項が記録された文書等を収集した職員は、減給又は戒告とする。

サ 政治的行為の制限違反

(ア) 地方公務員法第36条第1項又は第2項の規定に違反して政治的行為をした職員は、減給又は戒告とする。

(イ) 地方公務員法第36条第3項の規定に違反して政治的行為を行うよう職員に求める等の行為をした職員は、停職又は減給とする。

(ウ) 公職選挙法(昭和25年法律第100号)第136条の2の規定に違反して、公務員の地位を利用して選挙運動をした職員は、免職又は停職とする。

シ 入札談合等に関与する行為

入札談合等関与行為(入札談合等関与行為の排除及び防止並びに職員による入札等の公正を害すべき行為の処罰に関する法律(平成14年法律第101号)第2条第5項に規定する入札談合等関与行為をいう。以下同じ。)を行った職員は、免職又は停職とする。この場合において、自己の不正な利益を図る目的で入札談合等関与行為を行った職員は、免職とする。

ス 行政文書の不適正な取扱い

(ア) 行政文書(決裁された行政文書を除く。)を偽造し、若しくは変造し、又は行政文書を毀棄した職員は、免職、停職又は減給とする。

(イ) 決裁された行政文書を改ざんした職員は、免職又は停職とする。

(ウ) 行政文書を紛失し、又は誤って廃棄し、その他不適正に取り扱ったことにより、公務の運営に重大な支障を生じさせ、又は町民等に重大な損害若しくは不利益を与えた職員は、停職、減給又は戒告とする。

セ セクシュアル・ハラスメント(南三陸町職員のハラスメントの防止等に関する規程(令和3年南三陸町訓令第1号)第2条第2号に規定するセクシュアル・ハラスメント)

(ア) 暴行若しくは脅迫を用いてわいせつな行為をし、又は職場における上司・部下等の関係に基づく影響力を用いることにより、強いて性的関係を結び、若しくはわいせつな行為をした職員は、免職又は停職とする。

(イ) 相手の意に反することを認識した上で、わいせつな言辞、性的な内容の電話又は手紙・電子メールの送付、身体的接触、つきまとい等の性的な言動(以下「わいせつな言辞等の性的な言動」という。)を繰り返した職員は、停職又は減給とする。この場合において、わいせつな言辞等の性的な言動を執拗に繰り返したことにより相手が強度の心的ストレスの重積による精神疾患に罹患したときは、当該職員は免職又は停職とする。

(ウ) 相手の意に反することを認識の上で、わいせつな言辞等の性的な言動を行った職員は、減給又は戒告とする。

ソ パワー・ハラスメント(南三陸町職員のハラスメントの防止等に関する規程第2条第4号に規定するパワー・ハラスメント)

(ア) パワー・ハラスメントを行ったことにより、相手に著しい精神的又は肉体的苦痛を与えた職員は、停職、減給又は戒告とする。ただし、パワー・ハラスメントを行ったことにより、相手を強度の心的ストレスの重積による精神疾患にり患させた職員は、免職、停職又は減給とする。

(イ) パワー・ハラスメントを行ったことについて指導、注意等を受けたにもかかわらず、パワー・ハラスメントを繰り返した職員は、停職又は減給とする。

(2) 公金等取扱い関係

ア 横領

公金その他町の財産を横領した職員は、免職とする。

イ 窃取

公金その他町の財産を窃取した職員は、免職とする。

ウ 詐取

人を欺いて公金又はその他町の財産を交付させた職員は、免職とする。

エ 紛失

公金その他町の財産を紛失した職員は、戒告とする。

オ 盗難

重大な過失により公金又はその他町の財産の盗難に遭った職員は、戒告とする。

カ 町の財産の損壊

故意に職場において町の財産を損壊した職員は、減給又は戒告とする。

キ 失火

過失により職場において町の財産の出火を引き起こした職員は、戒告とする。

ク 諸給与の違法支払・不適正受給

故意に法令に違反して諸給与を不正に支給した職員及び故意に届出を怠り、又は虚偽の届出等により諸給与を不正に受給した職員は、減給又は戒告とする。

ケ 公金その他町の財産の処理不適正

自己保管中の公金の流用等公金その他町の財産の不適正な処理をした職員は、減給又は戒告とする。

コ コンピュータの不適正使用

職場のコンピュータをその職務に関連しない不適正な目的で使用し、公務の運営に支障を生じさせた職員は、減給又は戒告とする。

(3) その他職務遂行関係

ア 汚職

職務の遂行に関し、賄賂を収受し、又はその要求若しくは約束をした職員は、免職とする。

イ 利害関係者からの利益の供与

南三陸町職員倫理規程(令和元年南三陸町訓令第8号)第5条の規定に違反した職員は、免職、停職又は減給とする。

ウ 法令等違反

職務の遂行に関し、法律等及び条例、規則、訓令等(以下「法令等」という。)に違反し、又は法令等の適用・解釈を著しく誤ったことにより、公務の運営に重大な支障を生じさせ、又は町民等に重大な損害若しくは不利益を与えた職員は、停職、減給又は戒告とする。

エ 職務怠慢等

職務の遂行に関し、その遂行を長期間放置し、若しくは上司に対する報告の義務等があるにもかかわらずそれを怠り、又は町民等に対し明らかに誤った指示を与え、若しくは確認等を怠ったこと等により、公務の運営に支障を生じさせ、又は町民等に損害若しくは不利益を与えた職員は、停職、減給又は戒告とする。

オ 監督責任

(ア) 職務の遂行に関し、部下である職員が公務の運営に支障を生じさせ、又は町民等に損害若しくは不利益を与えた場合において、当該職員に対し通常行うべき指導、監督、進行管理、確認等を怠った職員は、減給又は戒告とする。

(イ) 部下職員の非違行為を知得したにもかかわらず、その事実を隠ぺいし、又は黙認した職員は、停職又は減給とする。

(4) 公務外非行関係

ア 放火

放火をした職員は、免職とする。

イ 殺人

人を殺した職員は、免職とする。

ウ 傷害(交通事故に係るものを除く。)

人の身体を傷害した職員は、停職又は減給とする。

エ 暴行・けんか

暴行を加え、又はけんかをした職員が人を傷害するに至らなかったときは、減給又は戒告とする。

オ 器物損壊

故意に他人の物を損壊した職員は、減給又は戒告とする。

カ 横領

(ア) 自己の占有する他人の物を横領した職員は、免職又は停職とする。

(イ) 遺失物、漂流物その他占有を離れた他人の物を横領した職員は、減給又は戒告とする。

キ 窃盗・強盗

(ア) 他人の財物を窃取した職員は、免職又は停職とする。

(イ) 暴行又は脅迫を用いて他人の財物を強取した職員は、免職とする。

ク 詐欺・恐喝

人を欺いて財物を交付させ、又は人を恐喝して財物を交付させた職員は、免職又は停職とする。

ケ 賭博

(ア) 賭博をした職員は、減給又は戒告とする。

(イ) 常習として賭博をした職員は、停職とする。

コ 麻薬等の所持等

麻薬、大麻、あへん、覚醒剤、危険ドラッグ等の所持、使用、譲渡等をした職員は、免職とする。

サ 酩酊による粗野な言動等

酩酊して、公共の場所や乗物において、公衆に迷惑をかけるような著しく粗野又は乱暴な言動をした職員は、減給又は戒告とする。

シ 淫行

18歳未満の者に対して、金品その他財産上の利益を対償として供与し、又は供与することを約束して淫行をした職員は、免職又は停職とする。

ス 痴漢行為

公共の場所又は乗物において痴漢行為をした職員は、停職又は減給とする。

セ 盗撮行為

公共の場所若しくは乗物において他人の通常衣服で隠されている下着若しくは身体の盗撮行為をし、又は通常衣服の全部若しくは一部を着けていない状態となる場所における他人の姿態の盗撮行為をした職員は、停職又は減給とする。

(5) 交通事故・交通法規違反関係

ア 飲酒運転

(ア) 酒酔い運転をした職員は、免職又は停職とする。この場合において、人を死亡させ、又は人に傷害を負わせた職員は、免職とする。

(イ) 酒気帯び運転をした職員は、免職、停職又は減給とする。この場合において、人を死亡させ、又は人に傷害を負わせた職員は、免職又は停職(事故後の救護を怠る等の措置義務違反をした職員は、免職)とする。

(ウ) 飲酒運転をした職員に対し、車両若しくは酒類を提供し、若しくは飲酒をすすめた職員又は職員の飲酒を知りながら当該職員が運転する車両に同乗した職員は、飲酒運転をした職員に対する処分量定、当該飲酒運転への関与の程度等を考慮して、免職、停職、減給又は戒告とする。

イ 飲酒運転以外での交通事故(人身事故を伴うもの)

(ア) 人を死亡させ、又は重篤な傷害を負わせた職員は、免職、停職又は減給とする。この場合において、事故後の救護を怠る等の措置義務違反をした職員は、免職又は停職とする。

(イ) 人に傷害を負わせた職員は、減給又は戒告とする。ただし、事故後の救護を怠る等の措置義務違反をした職員は、停職又は減給とする。

ウ 飲酒運転以外の交通法規違反

(ア) 物の損壊に係る交通事故を起こして必要な措置義務違反をした職員は、停職又は減給とする。

(イ) 時速50キロメートル以上の速度超過の交通法規違反を行った職員は、減給又は戒告とする。

(ウ) 時速30キロメートル(高速道路は時速40キロメートル)以上時速50キロメートル未満の速度超過の交通法規違反を行った職員は、戒告又は訓告とする。

この指針は、令和3年10月1日以降の非違行為について適用する。

(令和5年3月23日公告)

この指針は、令和5年4月1日以降の非違行為について適用し、令和5年4月1日前の非違行為については、なお従前の例による。

南三陸町職員の懲戒処分の指針

令和3年9月24日 公告

(令和5年3月23日施行)

体系情報
第4編 事/第2章 分限・懲戒
沿革情報
令和3年9月24日 公告
令和5年3月23日 公告