黄色い雨具とオレンジ色の長靴を着た人が、小雨の中で浜辺にしゃがんで小さなスコップを使って海辺の石の間を丁寧に調べている様子の写真

町の自然環境や文化を体験しながら魅力を発信するために、町内の小中学生が参加する「南三陸少年少女自然調査隊」。7月4日(土曜日)に折立海岸で生きもの調査を実施し、27種類の生きものが確認されました。今後も月1回のペースで活動を続けていく予定です。

2年目の活動には小中学生12名が参加

南三陸町内の小中学生が、年間を通じて、町の自然や歴史について学ぶ「南三陸少年少女自然調査隊」が今年度の活動を本格的に開始しました。

南三陸少年少女自然調査隊は、志津川湾がラムサール条約に登録されたことをきっかけに、町の環境を学び、発信するために2019年度から発足。2年目の活動となる本年度は、小学4年生から中学2年生までの12名が参加しています。

2018年度の活動についての記事は下記リンクをご覧ください。

白いマスクを着けた男性が教室のホワイトボードに映し出された資料を指しながら話をしている写真

自然環境活用センター 研究員・阿部拓三さん

黒い台紙にカラフルなイラストや写真や自然調査のまとめをびっしりと書かれた壁新聞の写真

昨年度の活動のまとめとして作られた壁新聞。「2019年度全国エコ活コンクール」(こどもエコクラブ主催)で環境大臣賞を受賞

室内で複数の子どもたちが壁新聞の前に立ち、男性が指し棒で壁新聞を指し左手に表彰状を手に持っている写真

雨が降りしきるなか折立海岸で生きもの調査。27種類を確認

新型コロナウイルスの感染拡大などの影響もあり、活動に支障が出ていましたが、7月4日(土曜日)に本年度最初の活動を行いました。

この日は、戸倉にある自然環境活用センターで、調査隊メンバーの初顔合わせ。オリエンテーションや干潟に関するレクチャー、調査方法の共有を行った後、小雨が降りしきる中、戸倉地区の折立海岸で生きもの調査を行いました。

緑の雨具を着た子どもと帽子をかぶった大人が、雨の中でしゃがみ込み、浅瀬の海辺で青いバケツを横に置きながら生き物を探している様子を写した浜辺での写真
透明なレインコートを着た人物が、岩の多い海岸でしゃがんで手にスコップを持ち、青いバケツをそばに置きながら水たまりの中の生き物を探している様子の写真
青いレインコートと帽子を着た人が、海岸の浅瀬で石に付着した巻貝のような生物を指で丁寧に調べている様子の写真
雨の中で黄色や透明のレインコートを着た3人の子供達が、それぞれ5番、7番、8番と番号が書かれた青いバケツを持ち、真剣な表情で中をのぞき込んでいる写真

雨の影響もあり、調査時間は15分ほどと短時間になってしまいましたが、子どもたちは海岸にいる生きものを捕まえて持ち帰り、研究員やネイチャーセンター友の会のメンバーなどの指導を受けながら確認を行っていきました。

これが初めての調査活動となる子も多くいるなか、子どもたちからは「面白かった!」「たくさん捕まえられてうれしい」などの声が。ケフサイソガニやタカノケフサイソガニ、アサリ、イシダタミ、ホトトギスガイなど27種類が確認されました。

室内で水色のTシャツを着た男の子が、白い容器に入った貝や海藻のようなものを虫眼鏡で観察している写真
紫のパーカーを着た女の子が小さな生物を青いルーペで真剣な眼差しで観察している写真

海だけではなく、森や里、文化も体験して伝えたい!

「今後月に一度のペースで活動し、町の海や山や里、歴史文化に触れながら、町の魅力を探して伝えていく活動をしていきたいと思います」と自然環境活用センターの研究員・阿部拓三さんは話します。

子どもたちからは「鳥について調べたい」「釣りをしたい」「干潟の調査をもっとやりたい」「スノーケリングしたい」「山の植物を調べたい」「プランクトンを観察してみたい」「森で虫を捕まえたい」など積極的な声があがっていました。

「LEVEL BOOK」と英語で書かれ、下部に日本語で「南三陸少年少女自然調査隊」と金文字で印字された緑色の表紙の記録ノートが机の上に置かれている写真

「南三陸少年少女自然調査隊」の文字が入ったオリジナルの野帳

室内で黒いマスクをつけ眼鏡をかけたの少女が、手に持った緑色の調査ノートに鉛筆で書きこんでいる写真

一年間の活動でこの町の魅力がびっちりと詰まったノートとなることだろう

次回は8月に志津川高校の自然科学部と一緒に、八幡川の生きもの調査を実施予定。また宮城県大崎市や滋賀県の子どもたちとの交流も検討されています。
本年度も活動を壁新聞にまとめて、発表していく予定です。「南三陸なう」でも本年度の活動を継続してお届けしていきます。

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