○南三陸町における外部の労働者等からの通報等への対応手続に関する要綱

令和4年5月31日

告示第50号

(目的)

第1条 この要綱は、公益通報者保護法(平成16年法律第122号。以下「法」という。)第13条第2項の規定に基づき、外部の労働者等からの通報等への対応手続を定めることにより、通報者等の保護を図るとともに、事業者(法人その他の団体及び事業を行う個人をいう。以下同じ。)の法令遵守を推進することを目的とする。

(定義)

第2条 この要綱において「外部の労働者等」とは、次に掲げる者をいう。

(1) 通報内容となる事実に関係する事業者に雇用されている労働者、当該事業者を派遣先とする派遣労働者及び当該事業者と契約関係にある事業者(以下「取引先事業者」という。)の労働者

(2) 通報内容となる事実に関係する事業者及び取引先事業者並びにそれらの役員

(3) 前2号に規定する者であった者(退職の日から1年以内の者に限る。)

(4) 前3号に規定する者のほか、通報内容となる事実に関係する事業者の法令遵守等を確保する上で必要と認められる者

2 この要綱において「通報」とは、法に基づく通報対象事実その他法令違反等が生じ、又は正に生じようとしていると思料して、その旨を知らせることをいう。

3 この要綱において「相談」とは、公益通報制度等に関する相談をいう。

4 この要綱において「通報者等」とは、通報又は相談(以下「通報等」という。)をした者をいう。

5 この要綱において「通報者等を特定させる事項」とは、通報者等が誰であるかを排他的に認識することができる事項をいう。

(総括通報等責任者)

第3条 町に対して外部の労働者等からなされる通報等への対応に関する事務を総括するため、総括通報等責任者を置くこととし、行政管理課長をもって充てる。

2 総括通報等責任者は、通報等への対応に関する規程等の整備、教育研修の実施、通報に関する調査の進捗等の管理その他通報等への適切な対応に関する事務を総括する。

3 総括通報等責任者は、前項の事務を、次条の通報等責任者に行わせることができる。

(通報等責任者等)

第4条 主管課(通報内容となる事実に関する事務を所掌する所属をいう。以下同じ。)において、通報に関する調査の進捗等の管理、職員が教育研修に参加する機会の確保その他通報等への適切な対応に関する事務を掌理するため、通報等責任者を置くこととし、主管課の長をもって充てる。

2 通報等責任者は、主管課の職員のうちから通報等担当者を指定するものとし、通報等担当者は、通報等責任者を補佐し、主管課における通報等の管理、通報者等との連絡その他通報等への対応に関する事務を担当する。

(通報・相談窓口)

第5条 町に対して外部の労働者等からなされる通報等を一元的に取り扱う窓口(以下「通報・相談窓口」という。)を、行政管理課に置く。

2 通報・相談窓口は、次に掲げる事務を処理する。

(1) 町に対して外部の労働者等からなされる通報等の受付に関すること。

(2) 通報者等との連絡調整に関すること。

(3) 主管課との連絡調整に関すること。

3 通報・相談窓口を経由せずに主管課に通報等があった場合は、当該主管課は当該通報等を通報・相談窓口に取り次ぐものとし、通報・相談窓口は当該通報等を受付等するものとする。

(受付の範囲及び取扱い)

第6条 町は、外部の労働者等からなされる次に掲げる事実に関する通報等を受け付ける。

(1) 法に基づく通報対象事実

(2) 前号に定めるもののほか、法令に違反する行為に関する事実(当該違反する行為について処分又は勧告等をする権限を有する行政機関がある場合に限る。)

(3) 前2号に定めるもののほか、事業者の法令遵守等の確保及び法令等の適正な執行のために必要と認められる事実

2 前項の規定により受け付けた通報等の内容が、他の行政機関が処分又は勧告等の権限を有するものであるときは、町は、当該通報等を行った通報者等に対し、当該他の行政機関を教示するものとする。

3 町は、通報等があったときは、法及び消費者庁ガイドライン(令和4年6月1日付け「公益通報者保護法を踏まえた地方公共団体の通報対応に関するガイドライン(外部の労働者等からの通報)」をいう。以下同じ。)の趣旨を踏まえ、誠実かつ公正に対応するものとし、正当な理由なく通報等の受付を拒んではならない。

4 町は、匿名による通報等であっても、実名による通報等と同様に取り扱うものとする。

(受付手続)

第7条 通報・相談窓口は、通報等を受け付けたときは、通報等に関する秘密の保持(個人情報以外の通報者等を特定させる事項の保秘を含む。以下同じ。)及び個人情報の保護に留意しつつ、通報等への対応に必要な事項を通報者等に確認するものとする。ただし、通報者等の同意が得られない場合その他確認に支障がある場合は、この限りでない。

2 通報・相談窓口は、通報等を受け付けたときは、次に掲げる事項を通報者等に説明するものとする。ただし、通報者等が望まない場合、匿名による通報等であるため通報者等への説明が困難である場合その他やむを得ない理由がある場合は、この限りでない。

(1) 通報等への対応に関与する職員には秘密を保持する義務があり、通報者等を特定させる事項その他通報等に係る情報の共有は制限される等、通報等に関する秘密は保持されること。

(2) 個人情報は、保護されるものであること。

(3) 通報等の受付後における手続の流れに関すること。

3 通報・相談窓口は、書面の郵送、電子メールその他の通報者等が通報等の受付の事実を確認できない方法によって通報等がなされた場合は、通報等を受付次第、当該受け付けた旨を、通報者等に対し遅滞なく通知するよう努めるものとする。

(受付時の対応)

第8条 通報・相談窓口は、通報を受け付けたときは、当該通報の内容に応じ、次に掲げる措置を執るものとする。

(1) 調査の実施に当たり必要があるときは、適切な主管課に通報を取り次ぐこと。この場合において、通報の取次ぎを受けた主管課は、責任をもって調査に当たること。

(2) 通報内容が、町以外の行政機関が処分又は勧告等の権限を有するものである場合は、当該町以外の行政機関について、通報を行った者(以下「通報者」という。)に対し遅滞なく教示すること。

2 前項第2号の場合において、通報内容に、個人の生命、身体、財産その他の利益に重大な影響を及ぼす可能性のある内容が含まれているときは、通報・相談窓口は、通報に関する秘密の保持(個人情報以外の通報者等を特定させる事項の保秘を含む。以下同じ。)及び個人情報の保護に留意しつつ、当該町以外の行政機関に通報内容について情報提供するものとする。

(受付後の手続)

第9条 主管課は、次の各号のいずれかに該当する場合は、法及び消費者庁ガイドラインの趣旨並びに関係する法令等の規定を踏まえ、正当な理由がある場合を除き、通報に関する調査を実施しなければならない。

(1) 外部の労働者等が、第6条第1項各号に掲げる事実が生じ、又は正に生じようとしている旨を、当該事実について処分又は勧告等の権限を有する町に対し、次に掲げる要件のいずれかを満たして通報する場合

 当該事実が生じ、又は正に生じようとしていると信ずるに足りる相当の理由があること(以下「真実相当性の要件」という。)

 当該事実が生じ、又は正に生じようとしていると思料し、かつ、次に掲げる事項を記載した書面を提出すること。

(ア) 通報者の氏名又は名称及び住所若しくは居所又は所在地

(イ) 当該事実の内容

(ウ) 当該事実が生じ、又は正に生じようとしていると思料する理由

(エ) 当該事実について法令に基づく措置その他適切な措置が執られるべきと思料する理由

(2) 通報内容が真実相当性の要件を満たしているかどうかが直ちに明らかでない場合であっても、個人の生命、身体、財産その他の利益に重大な影響を及ぼす可能性があると認められるとき。

2 主管課は、調査を実施する場合はその旨(次項の期間を設定した場合は、その期間を含む。)を、調査を実施しない場合(情報提供として受け付ける場合を含む。)はその旨及びその理由を、通報・相談窓口に報告するものとする。

3 主管課は、当該通報への対応手続の終了までに必要と見込まれる期間を設定するよう努めるものとする。

4 第2項の報告を受けた通報・相談窓口は、当該報告のあった内容に基づき、通報者に対し遅滞なく通知するものとする。

(教示)

第10条 町以外の行政機関が処分又は勧告等の権限を有することが明らかになった場合は、主管課は、当該町以外の行政機関について、通報者に対し遅滞なく教示しなければならない。この場合において、主管課は、利害関係人の営業秘密、信用、名誉、プライバシー等の保護に支障がない範囲において、自ら作成した当該通報に係る資料を当該通報者に提供するものとする。

2 主管課は、前項前段の場合において、通報内容に個人の生命、身体、財産その他の利益に重大な影響を及ぼす可能性のある内容が含まれているときは、通報に関する秘密の保持及び個人情報の保護に留意しつつ、当該町以外の行政機関に、必要な情報を提供するものとする。

(調査の実施)

第11条 主管課は、通報に関する秘密の保持に留意するとともに、個人情報を保護するため、通報者が当該調査の対象となる事業者及びその関係者により特定されないよう十分に留意しつつ、速やかに、必要かつ相当と認められる方法により調査を実施しなければならない。

2 総括通報等責任者及び通報等責任者は、調査の方法の適正性等を確保するとともに、調査の適切な進捗を図るため、調査の内容及び状況について適宜確認を行う等の方法により、通報のあった事案を適切に管理するものとする。

3 主管課は、利害関係人の営業秘密、信用、名誉、プライバシー等の保護に支障がある場合を除き、調査の進捗の状況について通報者に対し適宜通知するとともに、調査の結果を速やかに取りまとめ、当該結果について通報者に対し遅滞なく通知しなければならない。

(調査結果に基づく措置)

第12条 主管課は、調査の結果、第6条第1項各号に掲げる事実があると認めるときは、速やかに法令に基づく措置その他適切な措置を執らなければならない。

2 主管課は、前項の措置を執った場合は、その内容について、利害関係人の営業秘密、信用、名誉、プライバシー等の保護に支障がない範囲において、通報者に対し遅滞なく通知しなければならない。

(協力義務等)

第13条 町は、法に基づく通報対象事実又はその他の法令等に違反する事実に関し、処分又は勧告等の権限を有する行政機関が町以外にもある場合においては、当該行政機関と連携した調査の実施等、相互に緊密に連絡し、協力するものとする。

(秘密の保持及び個人情報の保護の徹底)

第14条 通報等への対応に関与した職員(通報等への対応に付随する職務等を通じて通報等に関する秘密を知り得た者を含む。以下同じ。)は、通報等に関する秘密を漏らしてはならない。

2 通報等への対応に関与した職員は、当該対応において知り得た個人情報の内容をみだりに他人に知らせ、又は不当な目的に利用してはならない。

3 通報等への対応に関与した職員は、通報等に関する秘密の保持及び個人情報の保護の徹底を図るため、通報等への対応の各段階(通報等の受付、教示、調査、措置及び通報者等への結果の通知の各段階をいう。以下同じ。)及び通報等への対応の終了後においては、次に掲げる事項を遵守しなければならない。

(1) 情報を共有する範囲及び共有する情報の範囲を必要最小限に限定すること。

(2) 通報者等を特定させる事項については、調査等の対象となる事業者及びその関係者に対して開示しないこと(通報への対応を適切に行う上で真に必要な最小限の情報を、次号に規定する同意を得て開示する場合を除く。)

(3) 通報者等を特定させる事項を、情報の共有が許される範囲外に開示する場合には、通報者等の書面、電子メール等による明示の同意を取得すること。

(4) 前号に規定する同意を得る際は、開示する目的及び情報の範囲並びに当該情報を開示することによって生じ得る不利益について、通報者等に対して明確に示すこと。

4 前3項に定めるもののほか、主管課における通報等への対応に際しての秘密の保持及び個人情報の保護については、個人情報の保護に関する法令等を遵守するものとする。

(利益相反関係の排除)

第15条 職員は、次の各号のいずれかに該当する場合は、通報への対応に関与することができない。

(1) 法令違反行為等の発覚又は調査の結果により実質的に不利益を受ける者である場合

(2) 通報者又は被通報者と親族関係にある場合

(3) 通報に係る事案に関する公正な調査又は措置等の検討若しくは実施を阻害し得る場合

2 通報・相談窓口の担当職員は、自らが前項各号のいずれかに該当する通報を受け付けた場合は、他の職員に引き継がなければならない。

3 通報等担当者は、通報に係る事案の調査又は措置等の検討若しくは実施の通報への対応の各業務に着手する時点において、第1項各号のいずれにも該当しないことを確認しなければならない。この場合において、第1項各号のいずれかに該当すると認めた場合は、通報等責任者に報告しなければならない。

4 前項の報告を受けた通報等責任者は、前項の報告をした職員を当該通報への対応に関与させてはならない。

5 町は、第3項の報告を怠った職員に対し、懲戒処分その他の適切な措置を講ずるものとする。

6 通報等責任者は、通報への対応の各段階において、通報への対応に関与する職員が当該通報に利益相反関係を有していないかについて、適時確認するものとする。

(通報者等の保護)

第16条 町は、第14条の規定に正当な理由なく違反した職員に対し、懲戒処分その他の適切な措置を講ずるものとする。

2 主管課は、通報等への対応が終了するまでの間において、通報者等が不利益な取扱いを受けていないかについて、適時確認するものとする。

3 町は、通報等への対応の終了後においても、通報者等からの相談等に適切に対応するとともに、通報者等が、通報等したことを理由として事業者から解雇その他不利益な取扱いを受けていることを確認したときは、消費者庁公益通報者保護制度相談ダイヤル、各都道府県労働局等を紹介する等、通報者等の保護に係る必要な支援を行うものとする。

(意見又は苦情への対応)

第17条 通報・相談窓口は、町における通報等への対応に関し通報者等から意見又は苦情の申出を受けたときは、迅速かつ適切に対応するものとする。

2 前項の申出の内容が、通報等に関する秘密及び個人情報の漏えい、通報に関する調査及び措置の遅滞並びに不適切な調査の実施その他町の不適切な対応に関するものである場合は、通報・相談窓口は、総括通報等責任者に報告するものとする。

3 前項の報告を受けた総括通報等責任者は、速やかに、通報・相談窓口及び当該通報等を取り扱う主管課における対応の状況を確認し、法令に基づく措置その他適切な措置等を執った上で、その結果について、通報・相談窓口から通報者等に対し通知させるものとする。

(通報等の関連文書の管理)

第18条 通報等への対応に係る記録、関係資料その他の関連文書については、南三陸町文書取扱規程(平成17年南三陸町訓令第9号)の定めるところにより、適切に管理しなければならない。

(通報等への適切な対応の推進に関する事務)

第19条 総括通報等責任者は、町における通報等への適切な対応を推進するため、法及び消費者庁ガイドライン並びにこの要綱の内容等について、定期的な研修の実施、説明会の開催その他適切な方法により、十分に周知するものとする。

(事業者及び労働者等への周知)

第20条 町は、町内の事業者及び労働者等に対する広報の実施その他適切な方法により、法、公益通報者保護法第11条第1項及び第2項の規定に基づき事業者がとるべき措置に関して、その適切かつ有効な実施を図るために必要な指針(令和3年内閣府告示第118号)等の内容、町における通報・相談窓口、通報対応の仕組み等について、周知するものとする。

(町における通報対応の運用状況等の評価及び改善)

第21条 町における通報対応の運用状況等について透明性を高めるとともに、客観的な評価を行うことを可能とするため、町は、通報対応の運用状況等に関する事項について、各年度の終了後、速やかに公表するものとする。ただし、当該事項を公表することにより、通報に関する秘密の保持及び個人情報の保護並びに利害関係人の営業秘密、信用、名誉、プライバシー等の保護に支障が生じる場合にあっては、通報のあった事案ごとに、その全部又は一部を公表しないことができる。

2 町は、通報対応の運用状況等について、定期的に点検及び評価を行うとともに、通報等への対応の仕組みを継続的に改善するよう努めるものとする。

(他の法令等との関係)

第22条 この要綱で定める通報等への対応については、法令及び町の条例、規則その他の規程に特別の定めがある場合又はそれらに基づく運用がある場合を除くほか、この要綱の定めるところによる。

この告示は、令和4年6月1日から施行する。

南三陸町における外部の労働者等からの通報等への対応手続に関する要綱

令和4年5月31日 告示第50号

(令和4年6月1日施行)

体系情報
第3編 執行機関/第1章 長/第5節 行政手続
沿革情報
令和4年5月31日 告示第50号