地面に大きな縦穴がぽっかりと口を開け、周囲には木の根が垂れ下がり落ち葉や枝が散らばっている土金掘り坑口の写真

 中世館跡である華要害館の頂部斜面に開いた土坑です。こんな赤土の、しかも丘陵地のてっぺんに金鉱があるのか?と思われるかも知れませんが、風化作用で母岩から分離した金粒が砂金となって土砂とともに堆積し、長い間の地殻変動でその堆積層が持ち上げられていることがあり、そうした金をむかしの人は「みよし金」「しば金」と呼んで盛んに掘ったようです。館を築く技術と金掘りの技術は相通じるものがあります。この華要害館の小金沢将監なる館主も、そうした技術に優れた人だったのかも知れません。【2004年11月18日撮影】