濃紺の地に金色で細かな漢字が縦書きされ、右端に山水画風の人物と自然景色が描かれた紺紙金泥大般若経の写真

 荒沢神社に伝わる社宝で、平泉中尊寺の紺紙金字一切経のなかの一巻に相当するものと考えられており、藤原秀衡が建立したという田束山寂光寺の什物であったものが伝わったとする言い伝えがあります。表紙には大般若経第二九七とありますが、経文の外題は第二九六となっており、表紙部分は後から替えられたものであることがわかります。見返しの絵は金銀泥で描かれた仏功徳の図で、施眼と剃髪を線描きで表しています。