道路沿いに2階建ての住宅が建ち、その横の空き地に停まった黒い車と、歩道側に看板が設置された、遠くに緑豊かな山々が見える郊外の風景写真

この週末、台風直撃を免れた三陸沖。
週明けの今日は風もなく、雲間にうっすらと青空が見えています。

さて、ここは入谷地区桜沢。
国道398号傍に立つ、こんな看板を見かけたことはありますか。

道路沿いに2階建ての住宅が建ち、その横の空き地に停まった黒い車と、歩道側に看板が設置された、遠くに緑豊かな山々が見える郊外の風景写真
白地に緑の葉の形をした看板に「昇仙の杜 弥生公園」と大きく書かれ、その下に英語で「SHOSEN NO MORI YAYOI PARK」と記されている案内板の写真

昇仙の杜 弥生公園はこの地の絹の文化を知ることのできる史跡公園です。

緑豊かな自然の中に整備された遊歩道が続き、色とりどりの花や低木が並ぶ庭園風の公園内の写真

江戸時代中期、伊達郡から入谷村へ一人の若者によって養蚕の技術が伝えられました。
山里で生み出される良質の絹は仙台藩や京都西陣織で珍重され、この地を栄えさせたと言われています。

大きな石に黒い銅板が取り付けられ、「仙台藩養蚕之始祖」と彫られた碑文が刻まれている石碑の写真

弥生公園には、養蚕の伝道者 山内甚之丞とその息子で同じく養蚕の普及に尽力した山内甚兵衛が眠っています。

周囲は緑の植物に囲まれ、いくつかの石碑とお墓に上がる小さな階段が自然の中に立っている写真
黒い石碑に長い日本語の文章と人の横顔のレリーフが彫られている記念碑の写真

その功績を謳う碑を守るように、モミジが枝を伸ばしています。

高く伸びた木々が立ち並ぶ森林の中で、一本の細長い石碑が立っている様子の写真

モミジの但し書きには「入谷小学校児童会 記念植樹」とありました。

緑の葉の多い木々が手前に映り、その奥に石の柵や灯籠が見える緑あふれる公園内を高台から撮影した風景写真

町の子どもたちは今も授業の中で絹の歴史を学んでいます。
また震災後、繭細工を基に起ちあがった工房もいくつもあると聞きます。
山内甚之丞が広めた絹の文化は形を変えながら現在まで続いているのです。

赤い毛氈の上に小さな色とりどりの人形が並べられ、「ひなまつり」と書かれた紙が掲示されている室内展示の写真

国道からここまでの距離は200メートルほど。
花々に囲まれた公園に沢と鳥の声が聴こえてきます。
「隠れたピクニックスポットって呼ばれてんのよ。」と地元の女性が教えてくれました。
お弁当持ってくれば良かった。

色鮮やかな花々が咲き乱れ、緑の草と木々に囲まれた公園の花壇の風景写真

(日比谷)

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