
南三陸の海に浮かぶ小島の数々。
いつも目にしていながら、これまで足を踏み入れる機会はほとんどありませんでした。

そこへ先日、島の一つに『サマーチャレンジ in 南三陸』の子どもたちが上陸するとの情報が。
引率の方にお願いし、同行させていただけることになりました。
戸倉の海岸から沖へ約1キロメートル。
到着したのは『椿島』です。


椿島はタブノキを始めヤブツバキ・榊などの常緑広葉樹に覆われた無人島です。
一年中青々と見えることから別名『青島』とも呼ばれています。
200種を超える多様な植生に学術的価値が認められ、1966年には国の天然記念物に指定されました。
(注意:上陸には許可証が必要です。)
宮城県北部森林管理署 森林パトロール員 後藤一磨さんの案内で島内を探検します。


「上を見てごらん、枝葉が重ならずに広がっているだろう。
光を譲り合うためだ。
密林のように見えて、お互いに共生しているんだ。
ケンカしない森なんて考えたことあるかい?」


「雨水は地面に当たる前に葉で受け止められ、幹を伝って根元に流れる。
足元は根と落ち葉で守られているので土砂崩れも起きにくい。
植物だけじゃなく海の生態系にも影響する大事な森なんだよ。」

椿島は「神様の住む島」として、人々の手で守られてきたのだと一磨さんは話してくださいました。

「きれいな貝見つけたからあげる。」
「天然記念物だから、島の物は持って帰れないんでしょう?」
「分かってるよー。写真だけ撮って!」

島も自然も、守っていくのは人。
それは子どもたちにも充分伝わっているようです。

(日比谷)
