顔にハインリッヒ・エドムント・ナウマン博士が描かれたお面をかぶり、手に資料を持ちながら、来場者に笑顔で説明している男性スタッフの写真

化石の産地として知られる南三陸町。1881年、ドイツの地質学者ハインリッヒ・エドムント・ナウマン博士によって三畳紀の二枚貝「モノティス」化石が発見されたのを皮切りに近年まで発見報告が相次いでいます。

化石が多数発掘される理由は、その地質。

『むかし、地球には「超大陸パンゲア」と呼ばれる大きな一つの大陸がありました。(中略)日本列島のほとんどは、深い海だった場所がもりあがって作られていますが、南三陸のあたり(南部北上帯)はちぎれた超大陸の切れはしがそのまま残ってできた土地です。』(南三陸化石ものしりブック2.魚竜編より)

かつて生き物で栄えた土地が、長い大陸移動の末宮城県から岩手県の一部になりました。南三陸町近辺では下の方の層が海岸に露出するなどの条件が備わっているため、2億6000万年前から1億5000万年前の地層を観察することができるのだそうです。

特に、魚竜化石の豊富さは世界でも類を見ないほど。1952年発見のホソウラギョリュウ、1970年発見のウタツサウルスをはじめいまだ名前の付けられていないものもあるのだとか…

その謎に魅せられるのは、化石好きのちびっ子だけではないようです。

こちらは2月16日『南三陸化石の学校』内の講演会『南三陸の化石研究最前線!』の様子。

前方のスクリーンに資料を映し説明する講師と椅子に座って熱心に聞いている参加者たちの様子の写真
「歌津魚竜の特徴」と題したスライドに、3種類の異なる魚竜の骨格図並び、部位の違いを赤い丸で示しているスクリーンの写真

「魚竜より古い層からは陸生の両生類の化石が発見されています。私が唐島で発見したマストドンサウルス類は、ヨーロッパでよく見つかる種に近く、パンゲア大陸と大昔の日本列島の間を動物が行き来していた証拠と考えられます。」

ドイツのボン大学 中島保寿博士の解説に、大きいお友達が聴き入ります。皆真剣です。

会場で行われた講座を、多くの大人や子どもが座って聞いている様子で、奥にはカメラ撮影を行うスタッフも写っている写真

南三陸での発掘は生物史の空白部分を明かす重要な鍵と言われているそうです。その解明はいまだ途上。将来、この町から研究者が生まれるかも…ですね。

雪景色の中、ピンクの防寒着を着た子どもが、カラフルな魚竜の木製看板に触れて楽しそうにしている屋外の様子の写真

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