南三陸町のバックパネルの前で、佐藤町長を中心にパラオ共和国の関係者等6人の男性が並んで立っている記念写真

みなさんは、パラオ共和国をご存知ですか?
ミクロネシア諸島にある、世界一美しい珊瑚の海を持つ「パラオ」は大小300の島々から成り、人口2万人程度。
年間平均気温は28℃の常夏の国で、なんと日本との時差はないのです。
11月4日、パラオ国民の7割が住んでいる最大の都市のコロール州からアダチ知事が州議会議長、環境局長等5名で南三陸町にいらっしゃいました。

南三陸町のバックパネルの前で、佐藤町長を中心にパラオ共和国の関係者等6人の男性が並んで立っている記念写真

知事は日系3世で、祖父が山形県の山辺町出身なのだそうです。
そして、この視察の後、山辺町にもいらっしゃるということでした。

バックパネルの前で、スーツ姿の佐藤町長と水色のシャツを着たアダチ知事が握手をしている様子が写っている写真

 パラオの歴史を紐解くと、スペイン、ドイツの長い植民地時代がありました。
1914年に第1次世界大戦が開始され、日本は海軍をパラオに派遣し、ドイツ守備隊を降伏させ占領下としました。
その後、学校、病院等の建設を行い、産業や教育にも熱心に取り組み、パラオに経済発展をもたらしました。(パラオの方たちが親日なのはこのためなのですね。
そして、日本と同じように“ゴミ捨て場”とか“だいじょうぶ”という言葉も普通に話すのだそうです。)
しかし、先の大戦で日本は敗戦し、その後はアメリカ合衆国が「軍事基地の一つ」として統治して行ったのでした。
パラオが独立したのは1994年です。
そして今は、観光を主要産業としているパラオ。
コロール州の南西部にたくさんある島々「ロックアイランド群」、と「南ラグーン」は2012年に世界遺産に登録されています。
コロール州も、観光地としての悩みは言わずと知れたゴミ問題。
ゴミ分別は以前から行っているけれども、ゴミ処理場がひっ迫し衛生上もよくない状況に直面していているというのです。
そこで、同じくらいの人口規模ということもあり、ゴミを資源とするバイオガス事業に取り組んだ当町に視察にいらしたのです。
役場の会議室で、この事業に取り組んでいる様子の説明をアダチ知事一行は通訳を介して聞きました。

会議室の大きな長方形のテーブルを囲んで佐藤町長や役場の関係者、アダチ知事率いるパラオ共和国の方々8人の人物が座り、バイオガス事業に関する話を通訳を介して聞いている様子の写真

町の環境対策課長は、「生ごみ収集にあたっては住民の方に、面倒がらず理解して、協力してもらうことが、大変なところです。」と話しました。
コロール州も南三陸町と同様に、資源を循環させて持続可能な社会を目指す事業を手掛けているアミタ株式会社の提案を受けて、バイオガス事業の着工を2016年に予定しているということです。
佐藤町長は、「エコタウンのまちとして友好都市になれればいいですね。」と話し、州知事ともお互い終始にこやかに対談しました。
この後、高台にある志津川中学校(震災の時は避難所になりました)に行き、現在の町の様子をご覧になりました。

青空の下に山々が広がり、その手前の谷には道路や建物が点在していて、複数の車が走っており、緑の木々がある町の様子を高台から撮影した写真
高台のフェンスの近くで、背中に南三陸の文字が入ったオレンジ色のジャケットを着ている語り部の阿部さんから、説明を聞いているアダチ知事一行の写真

(語り部の阿部さんから説明を聞いている様子)
次に、アミタのバイオガス施設を視察しました。

金属ラックに置かれた大型の水色のプラスチックのごみ箱を、高圧洗浄機を使って洗っている様子を写した写真
安全ヘルメットを被った一行が、制御盤の前に集まっており、1人が制御盤を指さして説明している様子が写っている視察の様子の写真

(生ごみ回収バケツを洗浄する所と、計器の説明を受けている様子)

同行してきた環境局の方たちは計器類を興味深く見て説明を聞いていました。
この後の交流会で住民協力側のコメントで≪震災があり、地域の人たちはエネルギーをすべて外部に依存していることに気づき、このことの恐ろしさを痛感した。それが、自立型資源、エネルギー循環システムの実現の推進力になった≫という言葉が心に響きました。
(西城)

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