雪が積もった広い空き地に繊細な模様が切り抜かれた二つの白いきりこの看板が立っている写真

今日の南三陸は、天気も晴れ渡り気持ちのいい日です。
さて、志津川の町の中には、変わった看板が幾つも立っています。
これは「きりこ」と呼ばれるものです。

雪の積もった地面の上に、物を形どったきりこの看板と、文字が切り抜かれたきりこの看板を写した写真

「きりこ」とは、豊漁や豊作を祈願して(主にお正月に)神棚に飾る白い切り絵の紙のことです。神社の宮司さんが、鯛や巾着など神社ごとに異なるデザインのものを製作します。塩竃市以北から三陸地方南部までの風習と言われています。

神棚の上に切子の飾りが吊るされ、和紙に描かれた繊細な模様が並ぶ室内の写真

2010年にはこの「きりこ」を使って町を盛り上げようというプロジェクトが南三陸町の女性チームにて行われました。志津川の街中を「きりこ」の紙が飾ったのです。そんな盛り上がりを見せる中で起こった東日本大震災。

きりこプロジェクトも例外ではなく、震災の影響を受けて一時中断されましたが、震災から5ヶ月後。
多くの方の支えもあり、店舗や個人の想いを表現するメッセージと絵を、「きりこ」の形で大きなボードにかたどり、店舗やお宅が元々あった場所に掲示して復活したのです。

歌津の伊里前商店街でも、「きりこ」を掲示。

道路沿いにの白いきりこパネルが並んでいる写真

南三陸町における自然への祈りの形である「きりこ」。震災後は復興のシンボルとして多くの方々を勇気づけています。

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