中央にプロジェクターに映像が映し出されており、和室のような落ち着いた空間で行われている活動の様子の写真

東日本大震災以降、南三陸町を中心に地域を元気にする活動を行っている「ウィメンズアイ(WE)」。WEのこれまでの活動や今後の展開について展示やお話会で紹介する「WE活動展」が、東京の入谷で開催されました。

南三陸食材たっぷりの特製バインミーが登場!

「南三陸入谷から…東京入谷に参ります!」というキャッチコピーで案内が行われた「WE活動展」。開催場所は、下町情緒が感じられる東京都台東区の入谷です。会場である古民家を改装したアートスペース「そら塾」に足を踏み入れると、南三陸の空気が流れていました。

1階はカフェコーナーとミニマーケット。カフェコーナーでは、WEのメンバーと訪れた人々がおしゃべりを楽しみ、その脇には、WEが運営する「パン菓子工房oui(ウィ)」のパンや焼き菓子のほか、海産物など、南三陸の逸品が並びました。

カフェスペースで女性4人が向かい合って座り、テーブルに飲み物やお菓子が置かれ話をする様子を2階から撮影した写真

思い思いに過ごせる1階のカフェスペース

活動展の目玉のひとつは、特製のバインミー(ベトナム風サンドイッチ)。「パン菓子工房oui」と、WEと縁のある東京・江古田のベトナム屋台料理店「MaiMai」のコラボレーションで生まれました。志津川「エル・コルティッホソーナイ」の放牧豚を使用した「豚肉の甘辛焼きバインミー」と、南三陸町内の鮮魚店から直送された南三陸産の秋鯖を使用した「鯖トマトソースのバインミー」の2種類あり、どちらも絶品! 何本かテイクアウトする近所の人もいました。

「来てくださった方とゆっくりお話ししたり、くつろいだ時間を過ごしたりできるよう、1日限りのパンカフェを企画しました。バインミーはとても美味しくできたので、南三陸町でも何かの折に提供したいですね」と、WEの塩本美紀さん。ぜひ実現してほしいです…!

赤と白のチェック柄のテーブルクロスが敷かれ、お皿に盛られた鯖トマトソースのバインミーの写真

鯖トマトソースのバインミー。バゲットは、「パン菓子工房oui」の人気商品を、1人前で食べやすいようにと数種類のサイズを試作して用意した

ミニマーケットスペーズでパンケースにたくさんの手作りパンが並べられ販売されている写真

ミニマーケットでは「パン菓子工房oui」のパンや焼き菓子を販売

展示とお話会でWEの「エンパワーメント」を知る。

2階に上がるとさまざまな展示物が。WEの活動を紹介する写真、キリコや刺し子の作品、織物などが並び、WEが多様な活動を行っていることがわかります。

右側の大きな窓からは自然光が差し込んおり、和風の室内で家族や子どもたちがくつろいだり、遊んだりしている様子の写真

ほっこりする畳間でくつろぐ親子も

白い壁に沿って上部に6枚の写真が飾られ、写真の下に手造りのマフラーが竹の棒に掛けられ展示された様子の写真

「さとうみファーム」の羊毛とシルク毛羽を混紡した手つむぎ糸で、南三陸町内の女性が織ったマフラー

夕方には「WEが考える女性のエンパワーメント 〜地域を元気にする女性たち〜 力をつけたら踏み出せた」と題したお話会が行われました。WEの現在の活動のキーワードとなるのが「エンパワーメント」。「力をつけること」といった意味の言葉ですが、WEが考えるエンパワーメントとは、「自分で考え、自分で選択し、自分らしく生きていくための力をつけること」です。

WEが、南三陸をはじめ東北で暮らす女性たちとともに、地域を元気に・未来を豊かにしていく活動を行うなかで見えてきたこと、そしてWEの取り組みをきっかけに、女性たちが自分をどうエンパワーし、自分らしく踏み出しているかを、事務局長の栗林美知子さんが話しました。

「WEの考えるエンパワーメントに共感しました」と感銘を受けた来場者も多く、聴き手にとってお話会がまさにエンパワーメントの場になっていました。

和風の古民家のような室内で白い服の女性が話しているのを参加者達が聞いているお話会の様子写真

お話会では、WEの事務局長・栗林美知子さんと理事・田浦佐知子さんのトークに加え、ゲストの桜井愛子さん(東洋英和女学院大学大学院准教授)からのコメント・解説も

各地で活動するローカル女子をエンパワーしていく!

お話会後には交流会を開催。第2部は、SDGs(持続可能な開発目標)にも絡めて「フードロスをなくそう!」と掲げ、サルベージ・パーティー(賞味期限が切れて間もないもの、長いこと棚を占領しているもの、食べきれない食材などを持ち寄ってつくる食事会)が行われました。少しシワシワになった果物、しいたけの軸、バインミーの具の余りなどが、参加者のアイデアで美味しい創作料理に変身。残り物で作ったとは思えない素敵な料理を囲んで、初対面同士の人も自己紹介をしながらおしゃべりを楽しみました。

テーブルに料理や、おつまみが並べられ、パーティーに参加した方々が片手にコップを持って乾杯する楽しいそうな様子の写真

第2部サルベージ・パーティーの様子。美味しくクリエイティブな料理を囲んで盛り上がった

「とても雰囲気のよい会場で、WEの活動に興味を持って来てくださった方々とともに、パンカフェ、お話会、交流会と、心温まる時間を過ごすことができました」と塩本さん。「今回の活動展は、2019年夏から3年計画で行う『ローカル女子と未来をひらくプロジェクト』のキックオフとして企画しました。『ローカル女子と未来をひらくプロジェクト』は、東北被災3県をはじめとして日本各地で活動する若い世代の女性たちを支援する取り組みです。WEが南三陸を拠点にこれまで行ってきたエンパワーメントの活動を、より広い地域の人たちに紹介していくプロジェクトなので、多くの人に役立てていただけるよう、わかりやすく発信していきたいです」と塩本さんは今後の抱負を語りました。

展示スペースにて塩本美紀さんが3人の女性に活動の説明をする様子の写真

訪れた人たちに活動の説明をするWEの塩本美紀さん(左から2番目)

女性をエンパワーし、地域を元気にする。そんなWEの今後の展開が楽しみですね!

軒下には白と赤の横長の垂れ幕に「パン・菓子工房 Oui」と書かれ、細い路地の突き当たりに位置する古民家のパン屋の写真

「WE活動展」が開催された東京・入谷の古民家アートスペース「そら塾」

この記事に関するお問い合わせ先

企画課 企画情報係
〒986-0725 宮城県本吉郡南三陸町志津川字沼田101番地
電話:0226-46-1371
ファックス:0226-46-5348
本ページに関するお問い合わせ