数人のグループが、瓦屋根と木造の特徴を持つ伝統的な日本建築の前に立ち、「南三陸町」と「大正大学」と書かれた二枚の旗を掲げて記念撮影をしている写真

南三陸町と関係が深い大正大学では、学生が見た南三陸を伝える写真展を企画・実施してきました。4度目となる今回はお寺で開催することに。演劇や語り部、無料食堂などもあり、盛りだくさんなイベントになりました。

無料食堂、演劇、語り部… 南三陸を知る・楽しむ企画が満載!

2019年2月16・17日に、東京都足立区の全學寺で、「すきだっちゃ南三陸」というイベントが開催されました。ベースとなるのは大正大学の学生が企画する南三陸の写真展ですが、今回は、地域貢献を続けている「みんなの全學寺プロジェクト」との協働で、さまざまなプログラムを盛り込んだ特別な企画になりました。どんなイベントなのか、1日目の様子を紹介します!

門の両脇に「南三陸町」、「大正大学」と書かれた旗が設置され、門の奥には瓦屋根と木造の構造を持つ伝統的な日本建築が見える写真

東京都足立区にある全學寺の入り口。南三陸町と大正大学ののぼりがイベントの目印に

お昼どきに到着すると、ちょうど無料食堂がオープンしていました。「あだち子ども食堂たべるば」の協力により、南三陸の食材を使ったワカメおにぎりとはっと汁が食べられます。近所の人たちも多く訪れ、にぎわっていました。

数人の人々が畳敷きの和室に座り、低い座卓を囲んで食事をしている写真

「おにぎりもはっと汁も、とってもおいしい!」と食事を楽しむ来場者

木製のトレイの上に、白いご飯で握られたワカメ入りのおにぎりが二つ並び、その横に赤い器に入った味噌汁が添えられている写真

つやつやの南三陸産米に名産のワカメは最高の組み合わせ

「本日の食材提供者様」と題された掲示物に、わかめ・人参・大根・お米・ねぎの提供者として高橋直哉様、元気畑様、阿部博之様、JA南三陸様の名前と、それぞれの食材の特徴や育て方へのこだわりが丁寧に紹介されている写真

食材のほとんどが南三陸から届いたもの。海の幸・山の幸をおいしくいただいた

数人の人々がエプロンを着けて広々としたキッチンに立ち、それぞれの作業を行っている様子の写真

キッチンで食事を用意する「あだち子ども食堂たべるば」のみなさん

午後の目玉企画は、演劇集団「ごきげん一家」による公演。ごきげん一家は2018年1月に発足し、「演劇で復興支援を!」と、南三陸の民話を元にした演劇を創作して南三陸や関東で公演を行っています。この日は、お寺の本堂というユニークな場所で、「婚礼に行った繁造の話」を披露。観客たちはコミカルでテンポのよい演劇を楽しみました。

畳敷きの和室で数人が座ってスクリーンに映し出された写真を見つめながら、着物を着た人物の説明に耳を傾けている写真

冒頭、ごきげん一家や活動について説明するメンバーの浅川芳恵さん(右)

劇を披露している色とりどりの着物を着た3名の方と、椅子に座り観劇している観客達を写した写真

テンポのよい掛け合いに観客席からは笑いが。ほっこりする内容の劇だった

和室の中に金色の装飾が施された豪華な仏壇が置かれた本堂で、ごきげん一家のメンバーとスタッフ、観客・来場者で記念撮影を行っている写真

ごきげん一家のメンバー(前列中央)とスタッフ、観客・来場者で記念撮影

次に、同じく本堂で「語り部の南三陸」が行われました。南三陸出身の大正大学生、渡邊万希さんが、言葉をかみしめながら、震災当時のことを話してくれました。来場者たちは熱心に耳を傾け、南三陸町や被災された方々に想いを馳せました。その後、大正大学講師の齋藤知明さんによる追善法要がありました。

お寺の本堂で数人の人々が整然と座り、前方の話し手に耳を傾けている様子が写されている写真

初めてにもかかわらず、立派に語り部を務めた渡邊万希さん(左)

学生たちが伝える、南三陸の”今“と「すきだっちゃ」。

演劇や語り部のかたわら、「なむなむ堂」というスペースでは、大正大学の学生たちが撮影した南三陸の写真が展示され、キリコ風切り絵やコースターを作るワークショップが開催されていました。

展示会の会場で、2名の方が壁に貼られた複数の写真や説明文をじっくりと見ている様子を写した写真

学生たちの写真からは、それぞれの目で見た南三陸が伝わってくる

机の上に緑色の台紙に貼られた白い切り絵が置かれ、その周囲にはハサミやのりなどの文房具と、赤・青・黄色などのカラフルな紙が置かれている写真

南三陸町で神棚に飾られる切り紙細工、キリコを模した切り絵を作るワークショップも

このように、多彩な企画で、南三陸町のことを知っている人も知らない人も楽しめるイベントでした。地域に開かれたお寺で開催したことにより、より多様な人々が訪れた模様。企画・運営チームのリーダーを務めた小川清花さん(大正大学2年生:イベント時)は、「参加されたみなさんに、震災当時だけでなく、南三陸町の”今“を知っていただき、何かを感じ取ってもらえたら幸いです」と話しました。

大正大学生たちの南三陸への想い、「すきだっちゃ」が伝わる1日でした!

屋外の受付テーブルの前に5人の人物が集まり、カメラに向かってピースサインをしている写真

受付で来場者を迎える大正大学生たち。企画・運営チームメンバー5人に加え、多数のボランティアスタッフがイベントを支えた

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