マスクをつけた子どもたちが白い法被を着た男性が座る大きな水槽の周りに集まり、水の中の金魚をすくおうとしている様子の写真

桜が咲き始めてからツツジが見頃を迎える時期が旬の“しろうお”。そんなしろうおをテーマにしたまつりが南三陸ハマーレ歌津で開催されました。今回の記事では、お休みを利用して遊びに来てくれた大学生2人とともにお届けします!

いっちー&のぶ、歌津に舞い降りる

まずは、今回ともにまつりを楽しんでくれる2人をご紹介します。いっちーさんとのぶさんです。

いっちー・のぶ こんにちは!よろしくお願いします!

丸く切り取られた2人の男性の写真の周りに、それぞれ、「いっちー 大阪出身 南三陸の好きな場所は田束山」、「のぶ 神奈川県出身 南三陸の好きな場所は松原食堂」と書かれた画像

― よろしくお願いします!お2人は歌津地区には初めて来ましたか?

いっちー・のぶ 初めてです!南三陸も初めて来ました!

 ― 今日は存分に南三陸を味わってください。

4年ぶりの開催で、会場は大盛り上がり

5月14日(日曜日)に、南三陸ハマーレ歌津にて開催された「伊里前しろうおまつり」。新型コロナウイルス感染症の影響で、3年間中止を余儀なくされました。今回、4年ぶりに再会したまつりには、多くのお客さんが足を運んでいました。

ー お2人とも改めて今日はよろしくお願いします!

いっちー・のぶ よろしくお願いします!

「南三陸ハマーレ歌津」と書かれた丸い看板の前で、2人の男性が両腕を広げて立っている写真

ー さっそくお祭りの名前にもある“しろうお”を食べに行きましょう。

しろうお おどり食い

白いコンテナ容器の中でたくさんの透明のしろうおが泳いでいる写真

いっちー お、動いてる。ところてんみたい。

のぶ 生きたまま食べるの緊張するね。

いっちー・のぶ いただきます!

いっちーが紙コップに入ったしろうおを飲んでいる様子の写真
のぶが紙コップに入ったしろうおを飲んでいる様子の写真

(ズルッ)(モゴモゴ…)(ゴクッ)

いっちー・のぶ

のぶ めっちゃ美味しい!

いっちー 噛んだらプリプリ!

のぶ 魚のうまみをすごい感じる。食道まで動いてる感あるね。

いっちー 命に感謝せんとな。

しろうお お吸物

いっちー・のぶ いただきます!

白い使い捨て容器に入った透き通ったスープの中に青菜としらうおの具材が入った吸い物の写真

いっちー 食感が違うよな。

のぶ 食感が生とは全然。肉厚だから食べ応えある。

いっちー・のぶ あったまるね~。

のぶが器に入った食材を箸で持ちながら楽しそうな表情の写真

まぐろのかぶと焼き

いっちーが屋外のテーブルで焼き魚を受け取り、地域の二人の男性が魚の準備や配膳をしている様子の写真

いっちー・のぶ (2回目の)いただきます。

いっちー やっぱりうまいわ。

のぶ 初めて食べたようなうまさです。さっきより食べるところ多いですね(笑)

いっちー 形によって骨のところと身のところの割合が変わるんですかね。

いっちー 他の焼き魚に比べて皮が少ないから食感が全部美味しいところを取っている気分。なんていうんですかね。からだのこと。

のぶ 身?

いっちー 身!身!

のぶ からだのこと(笑)

ー たしかに皮ないですもんね。

のぶ トロっととろけるとかそんなではないですけど、身がきめ細かいです。

いっちー たしかになんか繊維?がしっかりしてる

ー 部位によって(食感などが)変わるのも面白いですね。

のぶ カマは結構甘みがあるって聞きました。鯛みたいな味ですね。

いっちー あー、分かるわ。

のぶ ツナって感じではないですね。鯛ですね(笑) なんでこんな白身魚感があるんだろ。

のぶ いくらでも身が出てくるところを発見してしまう。

いっちー あるよな。この骨と骨の間を。

のぶ そう!谷みたいなとこにさ、身つまってんねん。

ー 実はまだあるかもしれない。

いっちー 探せばあるかもしれないですね。

のぶ さっき食べたやつまだあったんじゃないかな。

いっちー かもせえへんな。けど俺店で1回、なんか硬い骨食ってめっちゃ痛かった。

ー 身かと思って噛んで硬かったら嫌ですね(笑)

のぶといっちーが屋外のベンチに座って、紙皿に盛られた焼き魚を箸で食べている様子の写真

クレープ

いっちー クレープも食べていいですか?

ー もちろんいいですよ。何にされましたか?

のぶ クリームチーズにしました!

いっちー・のぶ いただきます!

いっちー うま!

のぶ めっちゃうまいな。

いっちー クリームとチーズ合うなぁ。

のぶといっちーが屋台の前でクレープを手に持ち、笑顔でカメラに向かっている写真

お2人ともまつりを堪能したご様子。

主催である伊里前しろうおまつり実行委員会の千葉委員長にお話を伺いました。

「マルエー」と書かれた店の前で、水色のマスクを付けた千葉委員長が立っている写真

ー しろうお漁について教えてください。

「川に石を積んでかごを置いて、そこに入ってきた魚を捕まえる。この漁の方法を頑なに守ってきた、伝統の漁です。川に幾何学模様ができるのが毎年の風物詩に。以前は川の周りに住んでいる皆が1つくらいはかごを持って魚をとっていて、いまだにその漁法を続けています。川だから必ずとれるものではなく、条件を満たさないといけません。一定の水量がないとダメ。少なくても多くてもダメ。水が綺麗で産卵できる場所がないときてくれない。様々な条件を満たしてしろうおはやってきます」

 ーしろうおまつり開催のきっかけを教えてください。

「このまつりは、伝統あるしろうお漁を後世に伝えるために震災前から開催。商店街に人が来ていなかったことから、何かできないかと考え、しろうお漁の珍しさに着目しました。来た人に楽しんでもらえるよう、地元では生で食べることはあまりしてこなかった“おどり食い”をはじめ、しろうおすくいにお吸物、綺麗な手を写したコンテストなど、注目してもらえるようなことをやってきました」

ー 今回4年ぶりの開催となりましたが、いかがですか。

「震災の時は1年、今回のコロナでは3年やれなかった。継続するというのは大変ですが、伊里前商店会の人たちをはじめ、多くの方々と協力してこうして開催できることは、本当に嬉しいです」

ー 課題は感じていますか?

「しろうおは希少価値が高く、絶滅危惧種になるんじゃないかと心配。ここは1番とれているけどとれないところもあります。あとはとったしろうおをもっと活かせる人が出てきてくれると嬉しいですね。今漁を行っている方は5人くらい。高齢になってくると後を継ぐ人がいないという心配があります。料理の仕方でしろうおの良さを知っていただけるような食の道を作ったり、食べていってもらえるような地域の食文化を作っていって欲しいです」

伝統の漁、そして美味しいしろうおを後世に伝えていくこと。ひいては地域の活性化につなげていく。このまつりが開催される背景には、様々な思いが垣間見えました。

まつりのあとは、つつじが美しく咲く田束山へ

いっちー うぉ!綺麗!

のぶ 綺麗!

いっちー やばない?

のぶといっちーが満開のピンク色のツツジの花をスマートフォンで撮影している様子の写真

ー そしたらこの子の前で1枚いいですか?

いっちー・のぶ いいですよ。

(パシャ)

のぶといっちーがピンク色のツツジの花の前で笑顔を見せながら、両手を顔の横で広げてポーズを取っている写真

のぶ 正解か分からないけど、いいですね。

いっちー 同じピンクでも全然違うな。

ー 頂上からの景色も見に行きましょう。

いっちー うぉー、すげえ!

のぶ すげー!

のぶといっちーが山の展望台でピンク色の花をつけたツツジの木々の先に広がる、森と海の景色を眺めている様子の写真

いっちー 晴れてるよりこれくらいの雲がある方が。

ー 幻想感ありますね。山と海が近い場所にあるというのがこの町は。

のぶ 特色のひとつですね。

いっちー 木もよく見たら違いますね。上から見ると色が変わってて。下から見るのとまた違った見え方ができて面白いですね。

また来たいと思える、ふるさと感じるまつり

最後にお2人に感想を聞いていきたいと思います。

ー 祭りに行く前はどんな感じを想像していましたか。

いっちー しろうおって聞いてたから、しろうおがある出店が2,3個あるくらいかなって。もうちょっと小規模な感じかなって思ってました。

のぶ 店もそうですし、お客さんの数ももうちょっと控えめなのかなって。

ー 参加してみていかがでしたか?

いっちー たのしかったですよ!踊り食いっていうのを少しネットで調べようと思ったんですけど、調べると面白くないかなと思って謎のまま行ったら、「あ、生で食うんや」「生き物そのまま体いれんねや」と衝撃を受けました。

石巻ちんどん研究会の行列や家族連れなどが歩く、屋外のイベントのにぎやかな様子を写した写真

石巻からチンドン屋さんも来てくれました

― なかなか日常でやらないですよね。

いっちー やらないですね。

のぶ あんなの新鮮じゃないと出来ないじゃないですか。ならではだなって思いました。

いっちー あと焼きそばとかタコ焼きとかもしっかり売ってて。

いっちー・のぶ ちゃんと祭りやった!

のぶ ちゃんと出店で祭りやった。かき氷もあったもんね。

皆エプロンとマスク、手袋を着用した8人の女性が、建物の外に置かれた大きな鍋の周りで、笑顔でカメラに向かってポーズをとっている写真

お吸物を作る歌津のおかあさま方

ー まつりの雰囲気はどうでしたか?

いっちー 楽しそうでした。賑やかで。どっちかというと地元中心の祭りって感じがしました。

のぶ 正直、朝来たときは人があまりいなかったんで、大丈夫かなって心配だったんですよね。

いっちー でも帰り際、すごい人いましたよね。

のぶ そう。全然人来て。意外だったのが子どもが多かった。

いっちー あー、たしかに。

のぶ 若い家族連れとかもいて、意外でした。みんな楽しそうでしたし。

いっちー たしかに俺ももうちょっと年齢層高いと思った。

屋外の広場で、複数の木製ベンチとテーブルに人々が座り、食事や会話を楽しんでいる様子の写真

ー そしたら、また来年もご参加いただけるということで。

のぶ いやまた来たいっすね。

いっちー ですね!来年は働いてますねw

ー 是非この辺りで働く機会があれば、お立ち寄りいただけると嬉しく思います。今日はありがとうございました!

いっちー・のぶ ありがとうございました!

背後にはピンク色の花が咲いたツツジの木々と緑の木々が広がっており、高台のベンチの前でのぶといっちーが立っている写真

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