4つの画面に分かれたビデオ通話の様子で、各画面に男女が1〜2人ずつ映り、全員が手作りの木製の持ち手が付いたフォークをカメラに向けて見せている画面の写真

南三陸町・入谷地区の「YES工房」では、南三陸杉の枝を用いたフォーク作り体験を行っています。コロナ禍で対面での実施が難しいなか、新たな形の体験プログラムとして、オンラインワークショップを企画・実施しました。

杉枝を利活用するフォーク作りに、自宅で挑戦!

「こんにちは~!」「お久しぶりです」。

ワークショップ開始前、参加者が次々と画面上に現れ、あいさつを交わします。ウェブミーティング・ツール「zoom」を使って、YES工房初めてのオンラインワークショップがスタート。まずはYES工房の大森丈広さんが動画やパワーポイントで全体の流れを説明します。

左側に木の枝の一部と、その枝を削って作られた木製の持ち手が付いたスプーンとフォークが並べられ、右側にはそれらのカトラリー作りに関するオンラインワークショップに参加している複数人の様子がビデオ通話画面で表示されている写真

杉枝フォーク・スプーン作りワークショップは、南三陸町の杉枝を資源として利活用するために考案された

木の工芸品や写真が飾られた部屋で、チェックシャツを着た大森さんが机に向かって笑顔でオンライン配信をしている様子の写真

カメラに向かって参加者に話しかけるYES工房の大森さん

ワークショップに先立ち、参加者の手元にはフォーク作りキット一式が届きます。杉枝、小刀、木工ボンド、サンドペーパーなど、必要なものはすべてそろっており、家で用意するのは下に敷く紙(新聞紙など)とティッシュペーパーのみ。準備物が少ないので気軽に参加できます。

杉の木の枝、フォークの金具、接着剤やオイルなどの道具一式が袋に入れられ、木のカトラリーを手作りするためのキットが並べられている写真

材料がそろっているのを確認したら、小刀の扱い方や枝の削り方をレクチャーしてもらいます。「くれぐれもケガだけはしないように注意してくださいね」と大森さん。小刀を使うのはいつ以来だろう?と考えながら、慎重にカバーを外します。さぁ準備OK!

自宅のダイニングでパソコンのオンライン画面を見ながら、女性が木の枝と道具を手にカトラリー作りの作業をしている様子の写真

杉枝の削り方を動画で確認。うまく削れるかドキドキ…

おしゃべりを楽しみながら、もの作りを堪能。

鉛筆で縁取りをしたら、削り始めます。できるだけ杉枝と平行になるように小刀を動かし、なるべく薄めに削り取るのがコツ。節の部分は堅いので、無理せずゆっくりと。好みの太さ・形を目指して削っていきます。YES工房の大森さんがうまく話を振ってくれて、みんなでおしゃべりを楽しみながら作業をしていると、まるでそこに一緒にいるような気に…。オンラインだということを忘れそうでした。

女性が自宅のテーブルでパソコンのオンライン映像を見ながら、ナイフで木の枝を削ってフォークの持ち手を作っている様子の写真

最初は怖々だったが、慣れてくるとうまく削れるように

チェックシャツを着た大森さんが、オンライン通話で木の枝を見せながら説明しており、右側の画面には参加者たちが映っているワークショップ中の様子の写真

YES工房の大森さんが画面越しにアドバイスしてくれるので心強い

途中からは集中タイム。みんな無心になって削ります。トータル40分ほどで削り作業はいったん終了。うまく削れたか、自分の杉枝をカメラに近づけて状態を確認してもらいます。

テーブル上に削り終えた杉枝が置かれ、その前にたくさんの削りカスが散らばり、奥にオンラインワークショップ画面のノートパソコンが置かれている写真

削り終えた杉枝と削りかす。こんなにもたくさん削ったのかと自分でもビックリ

次は、サンドペーパーで杉枝を磨きます。形が整い、表面がすべすべになっていくのはうれしいもの。この作業もなかなか無心になっちゃいます。

水色のタコのイラスト入りTシャツを着た人が、テーブルの上で木の枝を紙やすりで磨きながらカトラリーの持ち手を作っている様子の写真

磨くほどに手触りがよくなっていく変化を実感できるのが楽しい

磨き終えたら、枝の穴の中に木工用ボンドを流し込んで、フォークの先の部分を差し込みます。そして亜麻仁油を染み込ませたティッシュで枝の部分を拭き、さらに乾拭きをしてフィニッシュ。1日よく乾燥させてからぬるま湯で洗ったら完成です。

水色のタコのキャラクターが描かれたTシャツを着た人が、自作した木製ハンドルのフォークを両手で持っている写真

木のぬくもりが感じられるマイフォークができ上がり、大満足!

オンラインの体験・交流で南三陸とつながる。

フォーク作りが一段落し、最後にバーチャル工房ツアーがありました。大森さんがYES工房内を案内してくれ、実際に訪れているような気分になります。

机の上にたくさんの赤くて白い「アマビエ」バージョンのオクトパス君人形が並んでいる様子が映っている画面共有中のオンラインワークショップの写真

疫病を払うと言われている妖怪「アマビエ」バージョンのオクトパス君を製作中

バーチャル工房ツアーもあり、盛りだくさんだった2時間ほどのワークショップ。

参加者からは「以前YES工房でのワークショップにも参加したことがありますが、オンラインでも違和感なく楽しめました」「フォーク作りはもちろんですが、ほかの参加者やYES工房のみなさんとの交流も魅力です」「南三陸の今の様子がわかってよかった」といった声が聞かれました。

なかなか現地に足を運ぶのが難しい昨今ですが、フォーク作りを通して南三陸を味わい交流も楽しむことができるオンラインワークショップには、大きな可能性を感じました。

「実際にオンラインワークショップをやってみて課題も見えてきたので、さらに工夫・ブラッシュアップしていきます。厳しい状況ですが、受け身ではなく積極的に新しいことをやっていきたい」とYES工房の大森さん。南三陸とつながる新たな形の体験プログラム、今後の展開が楽しみです!

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〒986-0725 宮城県本吉郡南三陸町志津川字沼田101番地
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