オレンジ色のスタッフジャケットを着た複数の若い男女が室内の販売ブースで商品を手に持ち笑顔を見せ、海産物らしいパッケージ商品が多数陳列されている写真

2018年10月12日~13日、大正大学地域創生学部2年生主催の「ボクラの第2のふるさと展in丸の内」が開催されました。場所は、JR東京駅前にあるKITTE地下1階。南三陸町の商品も販売され、訪れたたくさんの方々の手に渡りました。

6月からの準備の末、並んだ商品に感動

「海のイメージが強い南三陸ですが、山もあるというメッセージがこの商品には込められているんですよ!」
「へ~そうなんですね!そんな想いも込められていたんですね」

商品のストーリーや込められた想いを丹念に説明する学生。その商品の背景を知り、関心を寄せるお客さん。単なるモノのやり取りではない光景が繰り広げられていた物産展。

KITTE地下1階で開催された大正大学地域創生学部2年生主催の「ボクラの第2のふるさと展in丸の内」です。開催のきっかけは、学生たちが1年時に行った、全国12地域での40日間の地域実習。そこでお世話になった地域の魅力と想いを発信するために、各地域の特産品を学生自らが厳選し、販売を行いました。

「ボクらの第2のふるさと展」と題された12地域の物産展が施設内で開催され、多くの人が展示品を見たり話をしたりしている様子を写した写真

企画、商品の仕入れ、会場のレイアウト、当日の運営など、全てを学生が行いました。このイベントの中心となっているフェア班は、約30人のメンバーで6月から準備を行っていたそうです。フェア班に所属する学生からは、「このようなイベントに関する知識が何もなく、悩むときも不安になるときもありましたが、当日きちんと商品が並んでいることに感動です!」という声がありました。

法被を着た販売員が接客する屋内の市場の一角で、カウンターの上に商品の説明や値段が書かれたポップやパッケージが並び、来場者が商品を見ている様子の写真

南三陸町ブースに並ぶ商品

物販のブースを彩るものの一つに、学生手作りの町紹介ポップがあります。商品を魅力的に伝えるために、言葉や配色が気遣われていました。

宮城県南三陸町の観光ポスターが天井から吊り下げられている様子を写した写真

ポスターやハッピも町から届き、会場を盛り上げました!

1パック800円で販売されている南三陸町歌津地区で育てられた最高品質の肉厚わかめを紹介するポップを写した写真
赤いタコのキャラクターが大きく描かれたポップ広告で、「西の明石、東の志津川」と言われるほどの良質なタコを使用したアヒージョを紹介しており、価格は686円と手書きで表示されている写真

地元の人の想いとともに、商品を届けたい!

「今回はリベンジです!」と語ったのは、高原美優(たかはらみゆう)さん。

大学内で同様のイベントを開催したときは、商品の説明があまりできなかったといいます。南三陸町のことを知っている、商品のことも知っている、しかしいざ言葉にして誰かに伝えようと思うと、言葉に詰まり、伝えることの難しさを痛感したそうです。

この経験から、今回のイベントでは「自分の大好きなまちと、そこで作られる商品を、きちんと説明できるようにすること」を意識しました。

意気込み通り、堂々と商品の説明をしており、ただ商品の説明をするだけではなく、その商品を作った背景や作った方の想いも伝えるなどの工夫もしていました。

カラフルな法被を着た女性が笑顔でピースサインをしながら袋入りの「塩蔵わかめ」を手に持ち、隣で眼鏡をかけた女性が楽しそうに並んでいる店頭の様子で、後ろには「タコのアヒージョ」などの商品が並ぶ賑やかな売り場の写真

実習中は同じチームとして活動を共にした那須彩乃さん(左)と高原美優さん(右)

高原さんは今まで、南三陸町には何かを学ぶために訪れていました。しかし、たまには遊びで南三陸町を訪れ、自由な時間を過ごしたいと思っているそうです。そこで、今年度中に南三陸町に遊びに行き、来年再び迎える40日間の地域実習に備えたいと言います。

「おかえりと言ってくれて、相談に乗ってくれて、背中を押してくれる、第2の家族のような存在の方々がいる。第2のふるさとで、来年の実習でやりたいことを探す!」と笑顔で語ってくれました。

南三陸町と人を繋ぎたい!

「南三陸町には、どの地域にも負けないくらいの魅力がたくさんあります。私は南三陸町が大好きだからこそ、この魅力を少しでも多くの人に伝えたいです!」と、南三陸町への愛情が溢れる相根未来(さがねみく)さん。

この物産展を通して、南三陸町を知る、南三陸町に足を運びたいと思うきっかけになってほしい、と言います。相根さんの言葉を借りれば、この物産展は、人と南三陸町をつなぐパイプラインのようなものです。

「海とともに生きるまち」と書かれた文字が目立つカラフルな法被を着た若い女性が、物産展のブース前で穏やかな表情を見せており、背後には「タコのアヒージョ」などの手描きポップや海産物のパッケージ商品が並ぶにぎやかな売り場が広がっている写真

「南三陸町には、森、里、海、ひとなどの資源がたくさんあり、足を運べば、できることはたくさんあります。だからこそ、人と町、人と人を繋ぐようなことができたらいいなと思っています」。

自身のこの言葉を実行すべく、相根さんは地域実習後に東北を訪れた際には、おばあちゃんとお母さんを南三陸町へ連れていき、南三陸町と家族を繋ぎました。来年の地域実習では、「南三陸町に足を運ぶまでの手助け」について考えていきたいそうです。

たくさんの思いや学びが詰まった物産展

南三陸が好き――。という共通の想いが、この場所にはありました。

そこに、「地域の魅力を伝えたい」「つながりを作るチャンスになる」「地域実習でお世話になった方々へ恩返しができる」「東京でも地方創生ができることを実感した」など、さらなる想いが重なり合った物産展。それぞれの想いを胸に自分の実習地の良さをアピールし、それを受け止めるお客さんの姿が印象的でした。

「海とともに生きるまち」と書かれたカラフルな法被を着た女性スタッフが満面の笑みで接客しており、隣に立つ男性スタッフとともに「タコのアヒージョ」などの手描きポップや商品を並べた明るい物産展の売り場の様子を写した写真

フェア班の学生は、「来年後輩たちがこの物産展を開催するときに、スムーズに進めることができるように、報告書をしっかり書いて引き継ぎたいです」と、今後の意気込みもばっちりです。

来年、この学生たちが3年生になって南三陸町に戻ってくるころは、どんな思いを持っているか、楽しみです!

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