左:色とりどりの帽子をかぶった幼稚園児たちと先生方が、風になびくこいのぼりの下で、カメラに向かって手を振っている屋外の様子を写した写真。右:廊下の白い壁に掲示された、カラフルな色の沢山の風船やオクトパス君、太陽や海に街並みが描かれた子供たちが書いた絵を興味深く眺めて指さしている、病院の白衣を着た医療スタッフたちの写真

新型コロナウイルスによりいつになくひっそりとした日々が続いた南三陸町の5月。そんななかにあって、静岡県富士宮市を拠点に活動するNPO法人ヴィレッジネーションが企画した「静岡と南三陸」そして「韓国と南三陸」のコロナ禍でも途切れなかった温かい交流の様子をお伝えします。

あさひ幼稚園で掲揚された「友情こいのぼり」

緊急事態宣言最中の5月。あさひ幼稚園に3匹のこいのぼりが掲揚されました。

2020年5月27日に撮影され、木々や花が咲いている広々とした園庭で、子どもたちと保育士がこいのぼりの下に立ち、カメラに向かって手を振っている様子の写真

2011年東日本大震災の津波で園舎が流失した宮城県南三陸町のあさひ幼稚園を応援しようと、静岡県富士宮市のふじキンダー学園との交流を提案し、2013年から交流を開始した、鯉のぼりプロジェクト。

今年で8回目となる2020年も、4月にこいのぼりの「ウロコ」になる部分に自分の名前や似顔絵をあさひ幼稚園の園児が描き、キンダー学園に送付。キンダー学園の園児の「ウロコ」も加え、交流の証となる「友情こいのぼり」が両園にて掲揚されました。

金色の布に貼られた、子どもたちが描いた似顔絵やそれぞれの名前が風でふくらんだこいのぼりの表面を近くから写した写真

両園は「こいのぼり」をはじめとして、夏祭りでの短冊交流、運動会での応援横断幕交流、卒園式での卒園メッセージ交換などを継続。今年度もコロナウイルスの影響を考慮しながら、両園で継続的な交流を重ねていく予定です。

南三陸病院へ韓国から復興応援横断幕が贈呈

防災教育で南三陸町の震災経験を学んだ韓国の子どもたちから、南三陸病院へ「復興応援横断幕」が届けられました。横断幕を作ったのはプチョン市の子どもたちが通う総合塾(그림나라=グリムナラ)の美術教室に通う幼稚園児から中学1年生までの計49人。

女の子たちが色とりどりの絵の具を使って、メッセージが書かれたカラフルな色の風船やオクトパス君、人々が描かれた大きな共同制作の絵を机の上で仕上げている写真

南三陸病院やサンオーレそではま海水浴場、さんさん商店街などの南三陸のスポットのほか、オクトパス君やモアイ像など南三陸の人気キャラクターなどが描かれているほか、スマートフォンの翻訳機を使って「キラキラ丼たべたい」「がんばって」「オクトパス君にあいたいよ」といった日本語でのメッセージも描かれています。

子どもたちが描いた赤い風船の中に韓国語と日本語で応援メッセージが書かれている部分をアップで撮影した写真

横断幕を送った子どもたちは、防災教育の一環として震災当時の南三陸町の様子や復興に向かう町のようすを映像や写真を使って学んできました。子どもたちから「この町の人たちは今は元気ですか?」との声を受け、2018年より「復興応援横断幕」の贈呈が始まりました。第3回目となる本年も、2020年3月3日に韓国で復興応援横断幕が完成しましたが、コロナウイルスの感染拡大の影響により直接手渡しすることができず、5月末に郵送にて南三陸病院へと贈呈されました。

病院の廊下で看護師たちが壁に掲示された色とりどりの子どもたちの絵を見ながら感想を言い合っている様子を写した写真

距離を超える人を想う気持ち

二つの交流の橋渡し役を担っているのがNPO法人ヴィレッジネーション代表理事の村松広貴さん。

「新型コロナウイルスの影響によって、移動が制限される事態に陥ってしまいました。大人でさえ自由に移動ができないなかで、韓国の子どもたちも、静岡の子どもたちも、遠く南三陸にいる“お友達”を想う気持ちはいつも以上に大きくなっていったように感じます。これまで築き上げてきたつながりなので、今後困難な状況になっても、諦めて中止にするのではなく、できる方法を探っていきたい」と今後の活動についても意気込みを語ってくれました。

多くの子どもたちと先生が笑顔でポーズを取りながら、完成した大きな絵を広げて一緒に写っている集合写真

新型コロナウイルスによってこれまで続いてきた「交流」も思うようにいかない日々が続きますが、「人を想う気持ち」は地域、国を超えて遠く離れた南三陸まで届けられています。

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