リビングに多数の料理が並べられたテーブルの側に7人が集まり、奥のキッチンカウンター越しにもう一人が立っている集合写真

和子さんと一雄さんを囲んで記念撮影。南三陸町移住支援センターのスタッフのみなさんも一緒に夕食を楽しんだ

南三陸町への移住に興味のある人を対象に、南三陸町での暮らしや住まい、町の人々を知ってもらうための「南三陸めぐるツアー」が、2017年7月29・30日に実施されました。この移住体験ツアーの様子を2回にわたってレポートします!

参加理由はさまざま。南三陸に興味をもつ人たちが集まった。

2017年7月29日(土曜日)朝。JR石巻駅に到着すると、グリーンのジャケットを羽織った男性が笑顔で迎えてくれました。南三陸町移住支援センターのスタッフ、片山真平さんです。バスに乗り込むと、すでにほかの参加者が。参加者7名、スタッフ2名を乗せて、バスは南三陸町へ向けて出発。外はあいにくの雨模様でしたが、南三陸町でどんな体験ができるのだろう、どんな人たちと出会えるのだろうと、ワクワクしていました。

黄色いファイルの表紙には南三陸町の自然や人々の暮らしの風景など貼られているツアーのファイルの写真

バスで参加者一人ひとりに配られたツアーのファイル。関連資料やメモ用紙が付いていて、至れり尽くせり!

まずは自己紹介。移住を本格的に考えている人から、水産業に興味のある人、震災前に訪れた南三陸町の現在の様子が知りたいという人など、さまざまな参加者がいます。宮城県や岩手県など東北出身の人と、関東エリアからやって来た人は、だいたい半分ずつでした。

自己紹介の後は、片山さんによる南三陸町の紹介。写真を見せながら、町の特徴や魅力を話してくれました。分水嶺に囲まれた町であること、主な産業は水産業ですが、林業や農業でも新たな取り組みに挑戦していること、観光業にも力を入れていて民泊が人気だということ、などなど。

マイクロバスの車内で、眼鏡をかけた男性が地図を広げて説明している写真

地図を見せながら南三陸町の概要を説明する、南三陸町移住支援センターの片山さん

石巻を出て1時間弱。車窓の風景が水田から杉林に変わると、いよいよ南三陸町です。12時前に南三陸ポータルセンターに到着。さらに2名の参加者と町役場の阿部大輔さんらが合流し、あらためてオリエンテーションと自己紹介が行われました。そして昼食へ。入谷地区にある人気のそば処「すがわら」で、おいしいおそばや丼ものをいただきました。

和風の座敷で男性たちが畳に座って昼食をとっており、手前にはざるそばと天ぷら、奥には丼ものを食べる姿がある食事風景の写真

おすすめメニューの天ざるをいただく参加者。「コシがあっておいしい!」

古民家リノベーションに取り組む移住者を訪問。

昼食後、最初に尋ねたのは、移住者の中村未來さん。払川という山あいの小さな集落で、宿をつくるために古民家のリノベーションに取り組んでいます。南三陸町に移住した経緯、南三陸町での暮らし、地域の人々との関わりなど、興味深いストーリーに聞き入りました。

古民家の梁や柱がむき出しになった状態で、赤茶色の屋根裏が見える開放的な空間に、太い黒い木材が交差し、修繕や補強の跡が随所に見られるリノベーション中の古民家内部の写真

「みんなでつくる ちいさな宿プロジェクト」として、ボランティアさんなど多くの人を巻き込みながら、リノベーションを進めている

「小さな町では地域とのつながりが大事。自分から積極的に挨拶することを心がけています」と高橋夫妻。先輩移住者の言葉は大いに参考になります。また、「地域のキーパーソンと移住者をつなぎます」という阿部さんの言葉も、心強いものでした。

新しい土地に移り住むのは何かと不安なものですが、中村さんは、南三陸町での暮らしや新しいチャレンジを心から楽しんでいる様子。そんなお二人の姿に感銘を受けるとともに、なんだか勇気づけられました。

災害公営住宅を見学し、志津川湾夏まつり福興市にも!

払川集落を後にし、ハマーレ歌津商店街に立ち寄ってから、志津川地区の災害公営住宅へ。これまでは住宅不足が移住のネックになっていた南三陸町ですが、2017年8月中旬からは、災害公営住宅の空き室が一般開放されます。これは移住希望者にとってはうれしいニュース!集合住宅タイプと戸建てタイプの両方を見学し、家賃や入居要件などを熱心に質問する参加者も。入居条件はいろいろとあるようですが、住宅の選択肢が増えたことはプラスになります。

和室の一角で3人の男性が立ち話をしており、左の男性はカメラを首から下げ、中央の男性は手を下げて正面を見つめ、右の男性が説明している様子の写真

災害公営住宅について説明する町役場の阿部さん(右)と、耳を傾ける参加者

雨で濡れたアスファルトの上を、傘を持った複数の人々が住宅地に向かって歩いている様子を背後から撮影した写真

集合住宅タイプを見学後、戸建てタイプの方に向かう参加者たち

災害公営住宅見学後は志津川仮設魚市場へ。ちょうどこの日に開催されていた「志津川湾夏まつり福興市」を見学しました。雨も上がり、にぎわいを見せ始めた頃。浴衣姿の子どもたちもいて、風情が感じられます。ずらりと並んだ屋台は圧巻。短い時間でしたが、私たち参加者も、おみやげを買ったり飲み食いしたりして楽しみました。

屋外イベントの場で、スーツ姿の男性が身振りを交えて話し、周囲の数人が傾聴している写真

夏まつり会場では、佐藤町長(左から2番目)からもご挨拶をいただいた

テント屋台の前で、女性と男性が笑顔でホヤの串焼を手に持っている写真

ホヤの串焼きを楽しむ参加者たち。海産物の屋台が多いのは南三陸町ならでは

民泊先で初めてのくるみむき体験。ごちそうの数々に感激!

南三陸ポータルセンターに戻り、いよいよ民泊先の方々とご対面。男女に分かれ、3つの家庭で受け入れてもらいます。私を含む女性チームは、入谷地区に住む首藤一雄さん・和子さんのお宅へ。和子さんはお料理上手で知られているそうで、食いしんぼうの私にとってはうれしいかぎり(笑)! 実は、私が今回のツアーでいちばん楽しみにしていたのは民泊です。胸を躍らせながら首藤さんの家へ向かいました。

茶色の外壁に「南三陸ポータルセンター」と書かれた建物の前で、民泊家庭を紹介する女性が左手を広げて説明をしており、その横に首藤一雄さん、3人の方が並んで聞いている写真

民泊家庭を紹介する、南三陸町観光協会の末松知華さん(左)。左から2番目が首藤一雄さん

到着して、家の内外をざっと案内してもらったら、参加者みんなでくるみむきをしました。和子さんの得意メニュー、くるみ餅に使うため。殻を割ったくるみから、ていねいに実を取り出します。細かい作業に、みんな集中。すべて終えたときには達成感がありました!

四人の男女がテーブルを囲み、手作業でクルミの殻を割って中身を取り出しており、テーブルの上には金属やプラスチックのボウルに入ったクルミの殻や実が並び、和やかに談笑しながら共同作業をしている様子

くるみむきは、私にとって初めての体験。くるみのよい香りが漂い、食欲がそそられました

くるみむきが終わったら、夕食の準備。自分たちも準備や片付けに関われるのが、民泊の醍醐味です。サーモンのお刺身、たこのサラダ、なすの煮物、手作りこんにゃく、ホヤ、さんまの煮つけなど、ごちそうがずらり! そこに3種の餅(くるみ、あんこ、雑煮)が加わり、テーブルの上はお皿で埋め尽くされました(笑)。

色とりどりの刺身や煮物、漬物、サラダなどがテーブルの上に所狭しと並べられ多数の豪華な料理が並んだテーブルの上を撮影した写真

ずらりと並んだごちそうの数々。魚介類は南三陸産、野菜は自家菜園のものがほとんどだ

さすが、お料理上手の和子さん。どれもおいしい! しかしながら、自称・食いしんぼうの私も、この量は完食できず…。胃袋が2つあったらいいのに! と心から思いました。聞いたところによると、お餅料理はおもてなしの印だとか。お心遣いに感謝です。やさしい和子さん・一雄さんとの会話も楽しみながらの、和やかな夕食となりました。

リビングに多数の料理が並べられたテーブルの側に7人が集まり、奥のキッチンカウンター越しにもう一人が立っている集合写真

和子さんと一雄さんを囲んで記念撮影。南三陸町移住支援センターのスタッフのみなさんも一緒に夕食を楽しんだ

満腹状態のまま、盛りだくさんな1日を振り返りつつ、就寝。明日も楽しみです!

ツアー二日目の体験レポートは下記リンクから

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