3人の学生が室内でそれぞれ手書きのメッセージを持って座っている写真

2018年9月19日から10月30日までの間、大正大学地域創生学部の1,3年生28名が、南三陸町で地域実習を行ないました。長期にわたる実習を終えた学生たちに、今回の実習についてのお話を伺いました。

28人が42日間を南三陸町で過ごす

大正大学地域創生学部の必修授業として行われている地域実習では、1年生と3年生が日本全国のさまざまな地域に分かれて学習します。南三陸班は、1年生18名、3年生10名でスタートしました。

同じ期間を過ごしますが、学ぶ分野はさまざま。1年生は、福祉・移住・水産・観光の4班に分かれて活動しました。3年生は1人1人が自らプロジェクトを考えて実践し、反省を踏まえて改善、再度実践していくというプログラムでした。

実習を終えた、佐々木新菜さん、大池久美子さん、堀遼平さんの3名の学生に地域実習について振り返ってもらいました。

地域実習開始前、これから長期間会うことができなくなる友人に会ったり、震災の本を読んだり、それぞれが心の準備を整えていました。「自分がやりたいと思っていることが、南三陸町で本当にできるのかな」という不安を抱える人もいたようです。

4人の若者が室内のテーブルを囲んで座り、それぞれが付箋に何かを書いている写真

事前学習の様子:地域の課題、住みやすいまちなどについて考えました。

初めて訪れる地域、初めて行なう長期実習、初めての長期間共同生活。楽しみな反面、不安も多い地域実習がスタートしました。

広い室内で多数の学生が整然と机に座り、前方の同じ方向を見ている様子が写っている写真

地域実習が始まってからの時間の経過はあっという間だったようです。

堀さん「かなり長い間南三陸にいたね(笑)」

佐々木さん「後半は報告会とかイベントの企画とかあって、時間が足りなくて焦ってたくらい…」

大池さん「4週目くらいから、どうしようもう半分終わっちゃった、間に合わない早くしなきゃっていう気持ちがすごかったです。時間との戦いだった(笑)」

実際に訪れたからこそ分かること

「南三陸町=震災があった町、被災地、震災で有名になった町」

南三陸町を訪れるまで、町に対するイメージはマイナスのものでした。しかし、足を運んでみると、町に対するイメージが変化したといいます。

南三陸町の方々の多くが前を向き、明るく、震災をプラスに捉え、「本当に震災があったの?」と学生が疑問を持ってしまうほどでした。

部屋の中で、複数の人々がテーブルに座り、談笑しながら食事や飲み物を楽しんでいる様子が写っている写真

町の方々が自ら震災についてお話をしてくださったことに驚いたお茶っこ

「他の地域から訪れる人は拒まれるのではないだろうか」という不安も払拭されるほど、温かく迎え入れてもらい、町の方々の優しさを日々感じていました。

印象に残っていることは?

3名の学生に42日間の実習でとくに印象に残っていることを聞きました。

佐々木さん「福祉=ふだんの、くらしを、しあわせに。」

福祉班として活動していた佐々木さん。福祉はお年寄りというイメージを持っていました。しかし、この言葉によって考えが変わり、佐々木さんに大きな影響を与えたといいます。この言葉に出会ったことで、地域実習中の経験や知識の幅が広くなりました。

畳の部屋で、数人の人物が円形に座布団に座り、向かい合って話し合いをしている様子が写っている写真

大池さん「40日間という短い期間しかいないのに、顔を覚えてくれている、声かけてもらえる。」

大池さんが一番印象的だったことは、南三陸町の「人」だといいます。道を歩いているとき、町内のお祭りに参加したとき、ボランティア活動をしたとき。一度しか会ったことがなくても、顔を覚えてくれていることに驚きました。

数人の人物がテーブルを囲んで座り、お菓子や飲み物を前に置いて談話している様子が写っている写真

堀さん「町内どこに行っても、食べ物がおいしい。」

堀さんは、何を食べてもおいしい、タコがとくにおいしかった、と笑顔で話してくれました。また、南三陸町観光協会が行っている“みなチャリ”に参加した際、たまたまいただいた“バナナ焼き”も印象に残っているといいます。「町の人の優しさとか、距離の近さにびっくりしたし、嬉しかったです。」

屋外で男性2人が並んで立ち、それぞれの皿に盛られたカレーライスをスプーンで食べている様子が写っている写真

さまざまな“成長”

何かができるようになった、課題を見つけた…地域実習を通して得た成長について聞いてみました。

教室の中で、数人の学生が立ち上がってホワイトボードの前に集まり、書き込みをしながら議論や作業を進めている様子が写っている写真

佐々木さん「人前に出て話すこと、思いを泣かずに伝えること」

人前に出ることが苦手だった佐々木さんは、実習中、何度も自ら手を挙げて人前に出ました。その結果、大事な場面で、班員を代表して思いを伝えることができたといいます。

「熱意を伝えて!って言われたとき、堂々と言うことができて、自分で自分を褒めました!(笑)」

会議室でスーツを着た数人の人物が長方形のテーブルを囲んで座り、資料を前にして話し合っている様子が写っている写真

大池さん「仕切る立場の大変さ」

大池さんは、班を引っ張ろう、グループワークを進めようという焦りから、班員の意見をちゃんと聞くことができなかったことが心残りでした。ですが、“聞くことも大切、しかし、まとめる立場としては決断力も必要”ということに気づいたそうです。実習を通して、自分の弱点に気づくことができました。

女性がホワイトボードの前に立ち、左手でボードの一部を指さしながら何かを説明している様子が写っている写真

堀さん「少し大人になれた」

「班を引っ張ろうという思いがひとりあるきしてしまった」と話す堀さん。自分が思っていることが全て正しいわけではない、と感じたといいます。観光班として学んだ内容だけでなく、グループワークの仕方など、実習中の全てが今後につながるものになったようです。

男性が室内でノートを右手に持ち、もう一方の手を挙げながらプレゼンテーションをしている様子が写っている写真

とにかく感謝を伝えたい

42日間の実習を終えた学生たちは、実習で関わったすべての人たちへ感謝の気持ちでいっぱいです。

「温かく迎え入れてくれて、受け入れてくれて、ずっと覚えていてくれて、すれ違うときに声をかけてくれて、ありがとうございました。」

大正大学地域創生学部南三陸地域実習開講式に参加した人々が屋内で横一列に並び、記念写真を撮っている写真

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