赤ちゃんを連れた母親たちがソファや椅子に座り、テーブルを囲んで「あずかりあいっこ」について真剣に話し合っている写真

ママ・パパや地域のサポーターさんで小さい子どもを互いに預かり合う「あずかりあいっこ」がNPO法人ウィメンズアイにより、6月からトライアル運用が開始しました。南三陸町の子育て環境の改善に向けまずは第一歩を踏み出しました。

「あずかりあいっこ」とは

0~1歳くらいの子どもを互いに預かり合う一時預かりのサポートで、預ける理由は問いません。メンバーにあずけたい日時を相談し、あずかってくれる人が見つかればあずけられます。まずはお試しとして、6月~8月の3カ月間、1回3時間、無料で実施。対象は町内に住むママ・パパで、預かり場所は主に「結の里」で行われています。

「あずかりあいっこ」とはのチラシ

メンバーは、子どもを預けたい「ママ・パパ」と、「サポーター」がいて、必ず大人2人以上であずかります。「サポーター」は、保育に関する講習と救命救急を受講した保育士経験者や子育て経験者などで、ママ・パパでは大人が足りないときに、一緒にお手伝いしてくれます。

乳児を抱いた母親たちがリラックスした雰囲気で集まり、座って会話をしている様子が見られる「あずかりあいっこ」交流会の写真

「あずかりあいっこ」を利用するには事前にサービスへの登録が必須。現在、親子6組、サポーター16人が登録しています。子どもを預ける際は事前に利用日時の希望を相談するほか、預ける前に顔合わせや、子どもについて情報共有をします。

あずかりあいっこの様子

6月22日(木曜日)、1組の親子が実際に「あずかりあいっこ」を利用していました。預かる子は7ヵ月の男の子。預ける前にサポーターさんに今日の子どもの様子を伝え、おむつや飲み物を渡してママは用事へ出発。

赤ちゃんを抱いた母親と小さな子どもたちが遊具のあるスペースで過ごしながら交流している写真

この日、預かるメンバーはサポーター3人とメンバー親子2組。男の子は終始ニコニコで、メンバーのお子さんに一緒に遊んでもらっていました。

2時間後、ママがお迎えへ。預かっていた間の様子は、ノートに書いてママへ伝えます。

「ずっとニコニコで楽しく遊んでました」と預けていた間の様子を聞いて、ママは安心した表情を見せていました。

テーブルに座った母親が、「あずかりあいっこ」に関する書類にボールペンで必要事項を記入している手元の様子の写真

実際に預けてみたママは「気軽に預けられる場所ができて嬉しい、上の子の用事やリフレッシュしたいときにぜひ使いたいです」「事前に顔合わせがあったので安心して預けられた」と感想を話してくれました。

預かる側で参加したママは「気持ちに余裕をもってみんなでお話ししながら見れて楽しかった」「大きい子が赤ちゃんをヨシヨシしたり、みんなで楽しく遊べた」と預かる側の子どもと共に楽しく過ごしていました。

サポーターさんは「子どもが好きなので、こういう機会に巡り合えてよかった。楽しかった」と、嬉しそうに子どもを抱っこしながら話しました。

預け合うだけでなく、一緒に遊んだり話をするなかで、地域の人とのつながり、ママ同士のつながりが生まれるのも、この「あずかりあいっこ」の魅力です。

南三陸の子育ての現状

南三陸町では、令和4年6月から子育て支援センターで一時預かりの事業が始まりましたが、対象年齢は1歳半以上、平日の限られた時間のみ。預ける理由も保護者が病気やケガなど保育が困難になったときに限られています。

「背景・南三陸の子育ての現状」子育て世代が使える子どもの預かりサービスについてのチラシ

ファミリー・サポート・センター事業や病児保育、産後ケア事業、民間のベビーシッターや子育て支援団体などはなく、子育てに関するサービスが少ないため、気軽に子どもを預けられる場所がないのが現状です。

令和3年秋に町内ママが有志で行った「南三陸町の子育てについて」のアンケートでは、52通の回答、300を超える意見が集まり、88%の方が「預け先がなくて困ったことがある」、50%の方が「一時預かりがあったら利用したい」と回答しました。また預ける理由としては、上の子の用事や、冠婚葬祭、自分のリフレッシュや美容院など、様々なものがあげられており、理由を問わず預けられることが望まれていました。

令和4年2月にNPO法人ウィメンズアイと南三陸町が共催で行った「子育て環境に関わるニーズ調査」では、町内の就学前児童と小学生の保護者を対象に行い、126人から回答がありました。結果では、「祖父母」と同居している家族は50%以上を占めましたが、一方で町の一時預かり事業を「私用でも利用できるようにしてほしい」との回答が約8割となり、家族の形を問わず一時預かりの利用を希望している保護者が多くいることが分かりました。

なぜ「あずかりあいっこ」?

ウィメンズアイでは、子育て中の女性たちの声を聞いたり、町の保健福祉課にも現状を聞き、町の子育て状況をよりよくするために何かできないか、と取り組んでいました。

「背景・南三陸の子育ての現状」南三陸の子育てを考える会のチラシ

その中で、5年前に、ママと子ども3組がお互いに用事があるときに子どもを預かりあって見ていたという話を聞き、そこからヒントを得て今回の「あずかりあいっこ」の事業につながりました。

これからの動き

現在はお試し期間の3ヵ月で、まずは実際にやってみます。その後、実際に利用したママ・パパやサポーターさんから感想などを聞き、本格的に始動できるよう改善していきます。南三陸町の子育て環境が少しでも良くなるように、まだまだ始まったばかりです。

床に座ったお母さんが赤ちゃんを抱き、その隣でもう一人の保育士が話しかけており、別の幼児が近くの玩具台で遊んでいる様子の写真

預けたいママ・パパ、サポーターさんを募集中ですので、ご興味ある方はウィメンズアイさんまでぜひご連絡ください!

NPO法人ウィメンズアイ

電話番号 0226-25-9517

この記事に関するお問い合わせ先

企画課 企画情報係
〒986-0725 宮城県本吉郡南三陸町志津川字沼田101番地
電話:0226-46-1371
ファックス:0226-46-5348
本ページに関するお問い合わせ