青空の下に規則正しく植えられた長ネギの畑の写真

南三陸には、海だけでなく自然豊かな里山もあります。町の三方を山に囲まれ、一方は海に面しているため、町に降った雨はすべて町内の山や大地を通り、志津川湾へと流れていきます。豊かな海をつくる源となっている南三陸の里山。そんな里山の魅力を、シーズンごとにお伝えしていきます!第二弾は夏です。

わたしの夏は梅の実狩りから始まります。

黄緑色の未熟な梅の実が多数プラスチック製のざるに入っており、赤い斑点がついたものもある収穫直後の梅の写真

6月終わり〜7月頭頃、近所のおんちゃんちの梅の木3,4本から梅の実をもいできます。

とってきた梅は、ヘタを1つずつ丁寧に取り、梅ジュース、梅酒、梅干しにします。

氷の入った梅ジュースのグラスを手に持ち、背景にはざるいっぱいに入った収穫された青梅が置かれている写真

梅ジュースは、梅と氷砂糖を交互に重ねしばらく放置。

梅酒は、梅と氷砂糖を交互に重ねたところに焼酎をいれ放置。

梅干しは、梅ジュースや梅酒より少し黄色く熟した梅を使い、5日ほど塩漬けにしてしわしわになった梅を、塩揉みした赤紫蘇と漬けます。しばらくつけた後、天日干しをして、また紫蘇と漬ける。これ。3回ほど繰り返して梅干しの完成!

赤紫蘇は塩で揉んだ後に、少し梅の実を入れてもむと、とっても鮮やかな赤になります。

昔の人は、どうやって梅干しづくりを考えたんだろう。自分たちで考えながらやっていたと思うと、昔からのこの習わしに感動します。

容器内に梅の実の上にたっぷりの塩がふりかけられ梅干しの仕込みの写真
干されてしわが寄った梅干しが大量に容器の中に入っており、赤紫色の紫蘇も一緒に混ざっている梅干しの仕込みの写真

お母さんに「なんで面倒なのにこんなに毎年やるの?」と聞くと、「都会は買えばなんでもあるけど、田舎はお店も近くにないし、あるものを有効に食べるためには自分たちで作らなきゃ」と話してました。

自然にあるものを、自分たちで加工して、おいしく1年中食べる。素敵な風習です。

夏の田んぼと生きもの

5月下旬に植えた稲は、夏に青々と大きくなります。

南三陸の田んぼは生きものが多くいます。トンボの羽化する瞬間を見ることができたり、アカハライモリを見つけたり。子どもたちと一緒に、地域の環境を生きものを通して一緒に勉強できます。

水が張られた田んぼの中に育つ稲の苗に、羽化したばかりの透明な羽を持つトンボが止まっている写真
水槽の中を黒い体にお腹の面は赤いアカハライモリが2匹泳いでいる写真

6月の終わり、山際の水辺に行くと、小さいふわふわとした明かりが舞っています。ホタルが飛んでいるのです。

また、入谷地区にはまだザリガニがいません。どこからも持ち込まれていないからです。

そして夜は、カエルの大合唱。いろんな種類のカエルが、たくさん鳴いています。

豊かな自然が守られ、維持されているのです。

夏野菜、果物

多くのおうちで夏野菜が育てられています。

トマト、なす、きゅうり、などなど。もらいものだけで数日暮らせます。

地元で作られたもの、作った人の顔がわかる野菜は本当に美味しいです。

黄色や赤のさまざまな大きさのトマトがたくさん籠に入っている写真

また、入谷地区では桃も旬を迎えます。薄いピンクとクリーム色のつるんとした桃。

木から採ってそのまま食べたときの感動は忘れられません。とってもジューシーで、皮ごとかじれます。

大きな丸々した桃の果実が紙の袋に包まれたまま木に実っていて、赤く熟し始めている写真

夏ネギ

南三陸の新たな名産として、「南三陸ネギ」が栽培されています。

ネギの旬は冬ですが、比較的涼しい南三陸では、夏でもネギが作られ、一年中栽培されています。中でも夏ネギは、畑の景色が最高です。青と緑のコントラスト、青い海を背に、まっすぐ伸びて育つネギはかっこいいです。

青空の下に規則正しく植えられた長ネギの畑の写真

台風に負けてしまうこともありますが、ネギは一度折れてもまた自力で真っ直ぐに戻ります。

そんな南三陸のネギは、他のネギより甘い!!!丸焼きにして食べるのが最高に美味しいです。

白くて太い部分から緑の葉先までしっかりとした長ネギが束になって段ボールに入っている写真

自然の生命力を感じられる季節

南三陸の夏と言えば海!どこまでも続く青い海と空。最高の眺めです。

その海に流れる水の源となっている里山の自然を最高に感じられるのも夏です!

青々と生い茂る草木と、生き生きと命が輝いている生きものたち。

生命力をたくさん感じ取ることができる季節な気がします。

青空と水平線が広がる穏やかな海に浮かぶ小さな島を背景に、ライフジャケットを着た2人の人が立ちこぎボード(SUP)に乗ってパドルを漕いでいる様子の写真

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