南三陸少年少女自然調査隊の旗を持ち海岸で2列になり19名で写した集合差審

町の自然環境や文化を体験しながら魅力を発信するために、町内の小中学生が参加する「南三陸少年少女自然調査隊」。5月1日(土曜日)に折立海岸で生きもの調査を実施し、44種類の生きものが確認されました。中には宮城県のレッドデータブックに掲載されている希少種も発見されました。

3年目の活動には小中学生13名が参加

町内の小中学生が、年間を通じて、町の自然や歴史について学ぶ「南三陸少年少女自然調査隊」が2021年度の活動を本格的に開始しました。

2018年10月に志津川湾がラムサール条約湿地に登録されたことを記念して、2019年2月に全国のラムサール条約湿地で活動する子どもたちが湿地の魅力を学ぶイベント「KODOMOラムサールin南三陸町」が開催されました。町内から9名の小学生が参加し、日本全国のラムサール条約湿地で活動する子どもたちとさまざまな体験活動を通して交流しました。

KODOMOラムサールに参加した町内の子どもたちから「もっと南三陸町の自然や文化を学びたい!」という声が上がり、2019年5月に南三陸町の自然や文化を体験しながら学ぶ「南三陸少年少女自然調査隊」が発足。3年目の活動となる今年度は、小学生から中学生までの13名が参加しています。

施設内の前方のホワイトボードの右側でマイクを持ち説明をしている男性の前で参加者が話を聞いている写真

今年度初の活動

屋内で一人の男性がマスクを着用して立ち、大きなカラフルな壁新聞を指差しながら説明し、壁新聞には手書きの文字やイラスト、地図、写真などが所狭しと並んでいる写真

自然環境活用センター 研究員・阿部拓三さん

黒い背景にカラフルな手書き文字とイラスト、活動写真や地図、魚の写真などが多数貼られ海の生きもの調査の内容が紹介されている「南三陸少年少女自然調査隊」壁新聞の写真

昨年度の活動のまとめとして作られた壁新聞。「2020年度 こどもエコクラブ「全国エコ活コンクール」」(こどもエコクラブ主催)で「こくみん共済coop賞」を受賞

メンバー初顔合わせ。折立海岸干潟で生きもの調査。44種類を確認

心地よい春の陽気となった5月1日。2021年度の最初の活動が行われました。

この日は、戸倉にある自然環境活用センターで、調査隊メンバーの初顔合わせ。昨年度から引き続き隊員となっているのは半分ほど。新しいメンバーも入り、自己紹介やゲームなどを通じて、隊員の交流が図られました。さらに、南三陸町の特徴や干潟に関するレクチャー、調査方法の共有を行った後、戸倉地区の折立海岸干潟で生きもの調査を行いました。

屋外の干潟で2人の子どもが長靴と手袋を着用し、小さなシャベルで小石をのけながら生き物を探している写真
岸辺の浅瀬で1人の子どもが青いバケツを横に置き、水中を覗き込んで片手に小さなシャベルを持って生き物を探している様子の写真
青い帽子と手袋をした男子児童が片手に小さな貝のようなものを持ち上げてカメラに見せている写真

隊員は干潟に降りると、地表面を観察して生きものを採集したり、土や泥を掘り起こしたり、石を持ち上げたりしながら生きものを探しました。約30分間ほどの採集時間で、隊員は海岸にいる生きものを捕まえて自然環境活用センターに持ち帰り、研究員やネイチャーセンター友の会のメンバーなどの指導を受けながら確認を行っていきました。

室内で男性が小さなカニのような生き物を指先で持ちながら説明しているのを白いマスクをつけた女子児童が聞いている写真
メガネとチェック柄のマスクをした女子児童が、男性から貝のような生き物について資料を差して説明をしている様子の写真

これが初めての調査活動となる子も多くいるなか、子どもたちからは「面白かった!」「たくさん捕まえられてうれしい」などの声が。二枚貝や巻貝、カイメンや、ゴカイ、ヤドカリやカニなど44種類もの生きものが確認されました。
この中でイシダタミ、アサリ、ケフサイソガニは、発見率70%を超えて発見されており、折立海岸の『優占種(その場所に多く住んでいる主要な種)』であると分かりました。

「ニオガイ(二枚貝)、ヒメシラトリ(二枚貝)、チビイトマキヒトデ、ツブカワザンショウ(巻貝)など、宮城県のレッドデータブックに掲載されている希少種も複数みつかり、子どもたちは立派な調査員として活躍してくれました」と阿部さんは振り返ります。

教室内でたくさんの子どもたちが座り、前方のホワイトボードの前に立った男性の話に手を挙げている写真
水の入った小さな透明なプラスチック容器に入ったスジハゼの写真

昨年初めて南三陸町で発見された「スジハゼ」など貴重な魚も発見

町内のさまざまな資源観察はもちろん、地域外との交流の予定も!

昨年度は新型コロナウイルスの感染拡大の影響もありながら、「干潟調査」「八幡川の生きもの調査」「海の魚釣り体験」「大崎市蕪栗沼マガン観察会」「環境DNA調査」「プランクトン・ホタテ観察」といった活動を行った調査隊。

今年度も月に一度のペースで活動し、町の森里海、さらには歴史文化などを体験しながら魅力を探し伝えていきます。

子どもたちからは「顕微鏡でプランクトンの観察をしたい」「魚の解剖をしたい」「釣りをしたい」「スノーケリングしたい」「海や川の魚を観察したい」など積極的な声があがっていました。また新型コロナウイルス感染拡大の状況次第にはなりますが、他市町村で活動を行う子どもたちとの交流活動も予定されています。ほかの地域と触れ合うことで、南三陸にないよさを発見したり、南三陸の魅力にさらに気づかされる機会にもなると期待されます。

どんな新たな発見があるのか?今後の活動にも注目です!

男性が両手で小さな生き物を見せながら、マスクをつけた子どもたちが男性を囲んで熱心に観察している様子の写真

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