15人の大人と1人の赤ちゃんが、木の壁と床のある室内でリラックスした雰囲気で笑顔を見せながらポーズをとっている集合写真

今年の夏、全国から大学生8名が南三陸町に集結しました。彼らは約1カ月、南三陸町に滞在しながら、全力で町内の企業の課題解決に向き合いました。8名と受け入れ企業の声と参加学生の声をお届けします。

3回目の開催となった復興・創生インターンとは?

東日本大震災で被災した、岩手、宮城、福島の3県、各自治体で受け入れを行っている「復興・創生インターン」。一般的な就業体験型のインターンとはまったく異なるのが、このインターンの特徴です。被災地の中小企業が抱えている経営課題に対して、参加学生が経営者の右腕として課題解決に取り組む実践型のインターンシッププログラムです。インターン中は、1ヶ月間、学生同士で共同生活を送りながら各プロジェクトを推進していきます。学生にとって将来を考える機会にもなりながら、マーケティングやプロジェクトメイキング、課題解決能力などの向上も図ることができるようです。

2017年から始まり、夏・春にそれぞれ開催し、今回で3回目の開催。全国から学生92名が被災3県の各ブロックに分かれ活動を行い、南三陸町では株式会社ESCCAと一般社団法人サスティナビリティセンターがコーディネート機関として受け入れ、学生と企業のパイプ役を担いました。町内5つの受け入れ企業で8名の学生がインターンを実施。参加学生の多くが1、2年生で、なかには今年春のインターンに参加した学生もいました。

下記は、今年度夏に行われたインターンの受け入れ企業とテーマです。

  • 有限会社山藤運輸「社長の右腕となり、社員一人一人が主役となる感動創造企業へ向けたひとづくり革命を実行せよ!」
  • 株式会社はなぶさ「中小企業のひとが輝き、会社を変える究極のシネマティックドキュメンタリーを創造せよ!」
  • NEWS STAND SATAKE「マニアックな店主のこだわりカフェ&雑貨店の認知度を向上させ、顧客の心を掴むコミュニケーション企画を成功させよ!」
  • 株式会社及善商店「日本の食文化を守り育てる若き経営者とともに海外市場に挑戦する足がかりを作れ!」
  • 株式会社ヤマウチ 「若者視点のマーケティングを駆使して箸が止まらないヒット商品を生み出せ!」
木造の温かみのある室内で、スクリーンに「NEWS STAND SATAKE 最終発表」と表示される中、2人の女性が前に立って発表し、他の参加者が椅子に座ってそれを真剣に見守っている様子のプレゼンテーションの写真

9月14日に行われた、最終成果報告会では受け入れ企業関係者など約30名が参加。それぞれこれまでのインターンシップ期間中の成果を発表。事業所のミッション・課題に対して学生の観点から具体的かつおもしろいアイディアで課題解決の提案をしていました。企業の経営課題を自分ごととして捉え真剣に悩み、考えた姿が容易に想像できるものばかり。

株式会社及善商店でインターンしていた2人は、今後も自分たちが提案した事業を継続してやっていきたいと話していました。学生たちの頑張りを見て、受け入れ企業からは「新卒採用したい」などの声も上がっていました。

木造の室内でプロジェクターに「最高の1か月でした。美香ちゃん、侑也君ありがとう。」というメッセージと工場で撮影された集合写真が映し出され、2人の男性が左で発表し、右側では若い男女2人が演台の後ろに立ち、観客が椅子に座って発表を見守っている写真
木の温もりを感じる室内で、男性が笑顔でプレゼンを行い、スクリーンには女性の写真と「本気で寄り添うなら総合的に提案してずっとお手伝いしていくのが良いですよ」という吹き出しと「中尾革命」の文字が大きく映し出されている写真

学生たちが1ヶ月のインターンで感じたこととは?

成果発表ののち、参加学生それぞれに「どんな1ヶ月でしたか?漢字一文字で表してください!」という問いが出されました。南三陸で過ごした1ヶ月という期間は、企業の課題解決に貢献することはもちろん、それぞれの人生にとって少なくない影響をもたらしたことでしょう。下記に学生があげた言葉と、その理由を並べていきます。この1ヶ月間の充実具合がそれぞれの言葉からにじみ出ています。

  • 「魚」:南三陸に来るまでは、普段食べないし、あまり好きではなかったが、インターンの商品開発を通して魚が好きになった
  • 「知」: “働く”へのイメージが変わった。また新たに知ることもたくさんあった。
  • 「伝」:自分の意見を伝えることがすごく苦手で、インターンでも難しいと感じた。しかし、インターンを通して、改善されたと思う。
  • 「縁」:素敵な出会いがたくさんあった。出会いを大切にしていきたい。
  • 「回」:ひたすら仮説を立てては検証を繰り返し行うことができた。1ヶ月間考えをきらすことなく、ひたすら考えていた。
  • 「人」:人と関わることがすごく多かった。考えを理解し合うことは難しいけど、互いに分かり合えた時すごく喜びを感じた。
  • 「導」:これからの学びの軸をしっかりすることができた。地域で働くべきか悩んだこともあったが、今回参加してビジョンが見えてきた。
  • 「歩」:参加する前は自信が持てなかったが、このインターンで1歩成長することができた。
「南三陸ブロック インターン 最終報告会」と書かれたホワイトボードに、女性がマーカーで「縁」という字を四角いマスの中に丁寧に書き入れている後ろ姿の写真

これからの人生の財産にして欲しい

「挫折や迷走がなかったが、果たしてハードルをもっと上げれば良かったのかというと違うと思う。これまでやってきて、受け入れ企業にも変化があったから今回こういう結果になったと思う。これもまた南三陸ならでは」と南三陸ブロック事務局である株式会社ESCCA代表山内亮太さん話していました。「なにより、この経験を人生の財産にして、今後の学校生活等につなげてほしい」と最後にエールを送っていました。

この一ヶ月で大きく成長した彼ら達。それぞれの地に戻り、学生生活の中でまた大きく成長して町に戻ってくるかもしれません。

2019年春の復興創生インターンの募集も始まっているようです。また春に全国から集まった学生が、どんなアイディアで町を盛り上げてくれるのか楽しみです!

2019年春復興・創生インターンの募集はこちらより

木の温もりを感じる会議室で、ホワイトボードに「南三陸ブロック インターン最終報告会」と書かれ、左側にはキーワードがマス目状に、右側には多くのメモや発言が書かれている前で、スーツ姿の男性が参加者に向けて身振りを交えて真剣に話している写真

事務局を担った株式会社ESCCAの山内亮太さん

木の内装に囲まれた室内で、黒いポロシャツを着た男性が演台の前に立ち、手振りを交えて聴衆に語りかけるように発表している写真

事務局を担った一般社団法人サスティナビリティセンターの太齋彰浩さん

この記事に関するお問い合わせ先

企画課 企画情報係
〒986-0725 宮城県本吉郡南三陸町志津川字沼田101番地
電話:0226-46-1371
ファックス:0226-46-5348
本ページに関するお問い合わせ