4人の男性が横一列に並び、そのうち中央の1人がワインボトルを両手で持ってカメラに向かって立っている様子の写真

ゲストのみなさん。左から、秋保ワイナリーの毛利さん、ハイディワイナリーの高作さん、南三陸ワインプロジェクトの正司さんと佐々木さん

南三陸にワイナリーを作りたい!と南三陸町に移住した地域おこし協力隊の正司勇太さん。新メンバーも加わり、南三陸ワインプロジェクトが本格化しています。1月末、プロジェクトを紹介する会が東京で開かれました。

南三陸ワインプロジェクトの新作白ワインをお披露目。

2019年1月26日、「ゼロから持続可能な事業を生み出す~南三陸ワインプロジェクトの挑戦~」と題したイベントが東京・原宿で開催されました。南三陸ワインプロジェクトの正司勇太さん・佐々木道彦さんに加え、南三陸ワインプロジェクトを応援する仙台・秋保ワイナリー経営者の毛利親房さん(株式会社仙台秋保醸造所 代表取締役)、ハイディワイナリー創業者の高作義明さん(株式会社トリプルウイン 代表取締役)らをゲストに迎え、南三陸ワインプロジェクトの紹介・進捗報告が行われました。

主催は、地域や行政パートナーと連携して、地域で活躍するプレイヤーを育成・サポートする「一般社団法人Next Commons Lab」(以下NCL)。まずはNCL南三陸事務局の山内亮太さん(株式会社ESCCA代表)が、南三陸町やNCL南三陸について紹介しました。

「地域のレジリエンスを高める循環モデル」と書かれたスライドが映されているスクリーンを、数人の参加者が見ながら座っており、スーツ姿の山内さんがマイクを持って話をしている写真

南三陸町の地域特性や、自然資本をベースとした循環モデルについて説明する山内さん(右)

次に、南三陸ワインプロジェクトが手がけた新作の白ワインが披露されました。デラウェアを使用したフレッシュ&フルーティーな味わいです。現在は秋保ワイナリーで醸造していますが、2020年中には南三陸町にワイナリーを建設し、念願の自家醸造を目指しています。

続いて、秋保ワイナリーの赤ワインとシードルも登場。シードルには南三陸町産のリンゴも使われています。どれも美味しく、飲み比べながら、ついつい杯が進んでしまいます…(笑)。

背景には複数の人々が座って談笑している手前のテーブルの上に、ラベルの違う3本のボトルが並んでいる写真

右から、南三陸ワインプロジェクトの白ワイン、秋保ワイナリーの赤ワインとシードル

ゲストそれぞれがワインへの熱い思いと夢を語る!

そしてゲストトークがスタート。トップバッターは南三陸ワインプロジェクト代表の正司さんです。正司さんは、ワインづくりを夢見て、石川県や山梨県のワイナリーで働きながらブドウ栽培とワイン醸造を学び、2017年8月に地域おこし協力隊としてNCL南三陸「サスティナブルワイナリープロジェクト」に参加しました。現在は仙台秋保醸造所で技術研修を受けながら、施設を借りてワイン醸造を行っています。「南三陸町にワイナリーができたら、シャルドネを使ってシーフードに合うワインをつくりたい」と話します。

長机を囲んで数名の参加者が資料を広げて話を聞く中、白い壁の前に並んで座った4人の登壇者のうち正司さんがマイクを持って話している様子の写真

南三陸でのワインづくりについて話す正司さん(右から2番目)

続いて、ハイディワイナリーの高作さん、秋保ワイナリーの毛利さんが、ワインへの思い入れや、ワインツーリズムの可能性などについて熱く語りました。毛利さんは、気候風土と人の営みを意味する「テロワール」と、食とお酒のペアリングを意味する「マリアージュ」を掛け合わせた「テロワージュ」という造語を生み出し、「テロワージュ東北」と銘打って東北6県合同でワインによる地域振興を進めようとしています。「産地を訪れてそこで食とお酒を楽しんでもらい、その土地の文化や風景、そこに住む人も含めて東北のよさをアピールし、国内外から多くの人に訪れてもらいたい」と毛利さん。東北各地で「テロワージュ●●」が生まれることを期待しています。南三陸にワイナリーが誕生し、「テロワージュ南三陸」が始動する日が待ち遠しくなりました。

ワクワクするような話をたくさん聞いた後は、しばし休憩。ワインを片手に参加者同士で歓談したり、ゲストのみなさんと名刺交換をしたりと、思い思いに過ごしました。

複数のワインボトルや資料が置かれているテーブルに座った4人の男女が、グラスに注がれたでワインを手に持ってカメラに笑顔を向けている写真

ワインを堪能する参加者のみなさん。南三陸ワインプロジェクトの白ワインには「ほんとうに美味しい! これからが楽しみです」との声が

白い壁のある室内で、複数のグループが自由に立ち話や着席して交流している写真

休憩中も各ゲストへの挨拶や質問が絶えなかった

最後は質疑応答。参加者からの「ワインの魅力とは何でしょう?」という根本的な質問に、正司さんは「ワインには外から人を呼び込む力がある」、佐々木さんは「正解がないところ」と回答。また毛利さんは「人、文化、地域、産業をつなぐのがワインの魅力」と答えました。

また、「南三陸でどんなワイナリーをつくりたいですか?」という質問に対しては、「研修を受け入れるなど人を育てられる場所にしたい。また、農家さんの収入アップにつながるよう、新しい農業の可能性を見出すことができるワイナリーをつくりたい」と、正司さんが意気込みを語りました。

「正司さんには“変態”になって突き抜けたワインをつくってほしいですね(笑)」と、パートナーの佐々木さん。これから南三陸でどんなワインがつくられるのか、どんなテロワージュが生まれるのか、楽しみです!

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