山の岩場の前で、化石が入った袋を手に持っている一部の子どもたちと大人の参加者が多数集まって記念撮影をしている写真

南三陸町で化石発掘ができるって知っていましたか? 歌津地区ではこれまで、爬虫類の一種「魚竜」やアンモナイトなどさまざまな化石が見つかっています。この夏は、化石の魅力に触れ、化石発掘を体験してみましょう!

魚竜化石発見の地で、古代の海に思いを馳せる…

南三陸町観光協会では、「海しょくにん」による、化石発掘体験プランを実施しています。南三陸町歌津地区は、実は化石の宝庫。約2億4000万~2億5000万年前の三畳紀に生息していたといわれる「魚竜(ぎょりゅう)」の世界最古級の化石が発見されたのです! そんな魚竜をはじめとする化石にまつわる話や、同時代の海に生きた生き物の化石について学び、化石発掘を体験するプランに参加しました。

まずは歌津館崎の魚竜化石産地の石碑前に集合。親子参加が多く、宮城県外からやって来た家族も。当日の流れについて説明があった後、講師である高橋直哉さん(海しょくにん)が歌津地区と化石について、そして魚竜の話をしてくれました。

階段がある緑に囲まれた場所に三つの石碑が並んでおり、一番高い石碑には「天然記念物 歌津館崎の魚竜化石産地」と文字が刻まれている写真

魚竜化石産出地の館崎は天然記念物に指定されている

地形図や化石の写真が載った案内板が設置されている前で、帽子をかぶった案内人の男性が子どもたちに地図や説明図を見せながら解説している写真

「魚竜は海の中の爬虫類の一種で、イルカのような形をしていたと言われています」と高橋さん

遠くには青い海と島々が広がっている岩場の海岸で、親子の参加者たちが散策して歩いている写真

説明後、魚竜の化石が現地保存されている場所のほうへ移動

海辺の岩に保護用のネットがかけられており、一部の岩盤には板が設置されて化石が保護されている様子が写っている写真

現地保存されている化石群は、修復のためカバーで覆われており見られず…

大きな岩盤を数人の子どもと案内人の男性が覗き込むようにして観察しており、地層の割れ目や化石を探している様子の写真

「あ、これ化石かな!」と声を上げる子どもたち

レア度の高い化石を目指して、いざ発掘開始!

魚竜の地を見学した後は、化石発掘体験場所へ。発掘を始める前に、高橋さんがイラストを使ってどんな化石が出るのかを紹介してくれました。レア度を星の数で表示。アンモナイトは星3、魚と魚竜はもっともレアな星5です!

案内人の男性が尾が長くてお腹が膨らんだ魚竜のイラストが描かれたボードを手に説明しており、集まった子どもたちが興味深そうに話を聞いている写真

熱心に説明を聞く子どもたちに「星5のレアな化石を狙ってがんばってください!」と高橋さん

屋外の石が多く転がる場所で、牧口さんが子どもたちに向けて人差し指を立てながら説明をしており、手袋をつけた子どもや大人たちの参加者が話を真剣に聞いている様子の写真

化石に詳しい牧口貴久さんからのレクチャーも

さぁ、いよいよ発掘開始! 軍手をし、それぞれ思い思いの場所へ…。「化石かな?と思うものを見つけたら、僕や牧口さんのところに持ってきてくださいね」と高橋さん。みんな必死に探し始めます。果たしてどんな化石が見つかるのでしょうか…?!

傾斜のある岩場で、大勢の子どもや大人の参加者たちが散らばって地面を掘ったり石を拾ったりしており、皆が熱心に作業をしている様子の写真

化石発掘体験場所は通常は立ち入りができない私有地。体験のため特別に許可をもらっている

アンモナイト、魚、嚢頭類… 続々と化石発見!

「見つけた!」 開始早々に声が上がり、子どもたちが次々と牧口さんのところに石を持ってきます。「お、嚢頭類(のうとうるい)だね」と星4つの化石が出たかと思えば、その後すぐに魚の化石も。アンモナイトも続々と発見されます。まさに化石の宝庫!

後ろの傾斜地の岩場で他の参加者が化石を探しているなか、石を手にした少年二人と向かい合って立つ牧口さんが、ルーペのような道具で石を観察している様子の写真

子どもたちが持ってきた石を調べる牧口さん

貝のような渦巻き模様の化石がくっきりと刻まれている灰色の石を持っている子どもの手元をアップで撮影した写真

嚢頭類(のうとうるい)と見られる化石

それぞれの表面に丸い渦巻き模様のような化石が浮かび上がった二枚の石板を持っている手元をアップで撮影した写真

筆者もアンモナイトの化石を発見!

発掘体験は約1時間。子どもも大人もすっかり夢中になっていました。特に子どもは目がよいのか、かなりの数の化石が見つかりました。発掘した化石は、最後に各自1つ選んで持って帰ることができます。残念ながら見つけられなかった人は、講師やほかの参加者が発掘したものをもらってもOK。

緑色の包装紙や軍手が入っている道具箱が置かれた屋外で、多くの親子連れが地面に座ったりしゃがんだりしながら石を包む準備をしている様子の写真

どの化石を持って帰ろうか真剣に吟味する参加者たち

化石発掘体験後、「楽しかった!」「またやりたい!」と話す子どもたちがたくさん。私自身も取材を忘れるほど?化石掘りに集中してしまいました(笑)。ちゃんと見つかるので、達成感もありますし。ロマンとわくわく感にあふれる化石発掘体験、おすすめです!

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