白い皿の上にサーモンの刺身と色とりどりの野菜が美しく盛り付けられた前菜料理の写真

写真提供:わたす日本橋

宮城県被災沿岸部を訪れ、消費地向けに新しい魚メニューを開発する「Fish & Dish Project」で、「南三陸産 銀鮭のコンフィ」が誕生しました! 帝国ホテル田中総料理長が監修し、「わたす日本橋」の梁島料理長が手がける逸品です。

南三陸町で銀鮭と出合った帝国ホテル田中総料理長が発案。

「おいしい魚料理で被災地を応援しよう」と、一流の料理人が宮城県沿岸部の魚の町を訪れ、地元関係者と交流を図りながら、そこの魚介類を使って新しいメニューを開発する――。それが、2017年4月に始まった「Fish & Dish Project」です。料理による災害支援を行う「料理ボランティアの会」と、紹介者のみ参加できるセミナーや交流会を手がける「ギリークラブ」が共同で実施しています。

基本的に年4回、産地ツアーを企画・実行。宮城県水産業振興課の協力も得て、現地で学びながら、魚のプロ、料理人、食べ手が一緒になって、“新時代のおいしい魚メニュー”を開発してきました。誕生したメニューは東京の各料理店で提供されています。

「南三陸産 銀鮭のコンフィ」は、2017年6月の南三陸町訪問がきっかけで生まれました。「料理ボランティアの会」の代表を務める帝国ホテルの総料理長、田中健一郎さんが、銀鮭の養殖場を見学した際にコンフィの構想を得たそうです。それから約1年、たび重なる試作を経て、2018年6月11日、ついにお披露目となりました。

海に浮かぶ養殖いかだの前で、救命胴衣を着た「Fish & Dish Project」のメンバーたちが船の上で集合写真を撮っている写真

2017年6月に南三陸町を訪れた「Fish & Dish Project」のメンバー 写真提供:料理ボランティアの会

漁船の甲板で漁師が魚を解体し、その様子を数人のスーツ姿の男性が真剣に見守っている写真

南三陸町の漁業関係者の案内で銀鮭の養殖場を見学した 写真提供:料理ボランティアの会

「わたす日本橋」料理長による研究・試作を経てついに完成!

「コンフィ」とは、食材をオイルに漬け込み低温でじっくり火入れする調理法で、食材の旨みがぎゅっと閉じ込められます。「南三陸産 銀鮭のコンフィ」を提供するのは、東北と東京・日本橋をつなぐ情報発信・交流の拠点「わたす日本橋」。わたす日本橋も「Fish & Dish Project」に参加しており、産地ツアーに毎回同行して、東北の魚を使ったメニューを充実させるために研究を続けてきました。

田中総料理長が考案・監修する銀鮭のコンフィを提供することになり、わたす日本橋の料理長である梁島真吾さんは何度も試作を繰り返しました。特に苦労したのは火入れの温度調整だったそうです。田中総料理長の厳しい指導・チェックを経て、ようやく完成にこぎつけました。

6月11日に行われたお披露目会には、報道関係者を含む16名が参加。南三陸町からも、宮城県漁業協同組合の阿部富士夫さん(志津川支所 所長)と佐藤俊光さん(志津川支所戸倉出張所 所長)が駆けつけました。参加者は、田中総料理長による料理の説明を聞きながら、南三陸産銀鮭の旨みとコンフィならではのとろける食感を堪能。阿部所長も「今まで食べたことのない味で、ほんとうにおいしい」と感激していました。

コックコートを着た2人の料理人と2人の漁業関係者が一列に並び、それぞれが手に持った料理皿を正面に見せている写真

6月11日のお披露目にて。右から、帝国ホテル田中総料理長、阿部富士夫さん、わたす日本橋の梁島真吾料理長、佐藤俊光さん

サラダや前菜、銀鮭のコンフィやスープなどが白いテーブル上に盛り付けられた「わたすの贅沢ランチコース」の料理が美しく並べられた、彩り豊かな洋風ランチ料理の写真

「南三陸産 銀鮭のコンフィ」を含む「わたすの贅沢ランチコース」1人前1780円(税込)。銀鮭のコンフィは、銀鮭が生で食べられる7月20日頃まで提供予定 写真提供:わたす日本橋

「Fish & Dish Project」を進めるギリークラブ主宰の渡辺幸裕さんは、「おいしい魚料理で被災地を応援するとともに、魚食の機会を増やして家庭に笑顔を届けたいですね」と話します。7月にも再び南三陸町を訪問予定。次はどんな新メニューが生まれるのか、楽しみですね!

大きな宴会場で、白い帽子にコックコートを着た多くのシェフが丸テーブルの間を行き来しながら料理の準備を進めている写真

「料理ボランティアの会」では「チャリティ食事会」も実施。東北や熊本など被災地の食材を使用し、収益は被災地支援活動に充てる 写真提供:料理ボランティアの会

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