奥の斜面には背の高い松の木が立ち並び、なだらかな丘の右に向かってカーブする遊歩道沿いに、黄色やピンクの春の花が咲いた木々が並んでいる写真

南三陸町入谷界隈、国道398号を東に折れて小高い丘に上ると、旧武家住宅の「松笠屋敷」と入谷地区の養蚕の歴史を伝える「シルク館」があります。平成7年に当時の旧志津川町が、この両施設と周辺の山林農地を含めて「ひころの里」と銘打ち、郷土の歴史を体験できるエリアとして開設しました。

町指定文化財松笠屋敷

南三陸町バーチャルミュージアムでは、この建物を次のように紹介しています。

「中世にこの地を治めた葛西家旧臣である須藤家の邸宅で、建築の技法・様式などから文化・文政(十九世紀前半)頃の建物と考えられます。旧伊達藩の在郷の武士住宅として、また武士住宅と農民住宅の関連を知ることのできる数少ない実例として、建築史上貴重なものと評価されています。現在は周辺も含めて『ひころの里』として整備されており、地域活性化の拠点として、また故郷の原風景を味わえる施設として活用されています」(原文のまま)

春の木々に囲まれた新緑の斜面の上に、一本の大きな木と竹で組まれた垣根があり、その奥に茅葺き屋根の日本家屋が建っている写真

平成7年に本格的な整備がなされて以降、地元入谷地域住民を中心に定期的に除草や清掃活動をしながら、イベント(グラウンドゴルフや秋まつり・シルクフェアなど)を開催しています。

東日本大震災後は、ボランティアはじめ多くの方々が「ひころの里」を気に入り、「ひころマルシェ」や「屋外結婚式」など賑わいの機会を作ったり今後の在り方を話し合ったりしています。

広々とした芝生の広場の周囲に満開の桜の木が立ち並び、奥には森と青空が広がる、春の風景の写真

広場の反対側(西の丘)に行ってみよう

ふれあい広場の西側に「アスレチック施設」という案内板があります。

背景に木立が茂る石段の脇に、文字が刻まれた石碑が立っている写真

登りきると、「松笠神社」という看板が掲げられた小さな祠があります。頂上エリアは、開放的でとても気持ちが良く、山桜がきれいに咲いていました。

アスレチック施設とは言うものの、遊具はローラー滑り台があるくらい。時折子どもたちが遠足に来ているようですが、もっと多くの方がピクニック感覚で楽しめるとうれしいですね。

前景に桜の枝に咲く薄桃色の花が写り、奥にはまだ若い木々がまばらに立つ枯れ草混じりの広い原っぱが広がり、その向こうに遠くの山並みと青空が見える春の高原の風景の写真

分水嶺に囲まれた南三陸を見渡す

丘の頂上付近からは360度ぐるりと見渡せます。一番高いところは、このローラー滑り台の上。

遠く戸倉翁倉山・大盤平から志津川の霊峰・保呂羽山などを望むことができます。眼下には災害公営住宅(入谷桜沢)。三陸自動車道を走る車も確認できるので、走行中の車窓からこの遊具を発見できるはずです。

丘の上からオレンジ色の手すりの長い滑り台が伸び、見下ろす先には山々と町並みが広がる夕暮れ時の展望の写真

東日本大震災後、実に多くの方々が復興支援に訪れていますが、「この丘を花見山のようにする!」という熱い気持ちで桜の木を植樹した団体もあります。近い将来、ここからピンクのじゅうたんが楽しめるようになるかも知れませんね。

「桜プロジェクト記念植樹 平成二十八年五月八日」と書かれた白い柱が立ち、周囲には若い桜の木が並ぶ静かな丘の写真

公園の北側に足を延ばすと、入谷を代表する三つの山(童子山・神行堂山・惣内山)を眺めるポイントにたどり着きます。もちろん紅葉の時期も素晴らしい景色となりますので、ぶらり散策に立ち寄ってみてはいかがでしょうか?

青空の下、満開の桜の木々に囲まれた草地の向こうに、山々が連なり、二本の特徴的な高い木が空に向かって伸びている春の写真
赤や黄に紅葉した木々が茅葺き屋根の家の周囲を彩り、落ち着いた里山の道が穏やかに続く秋の風景の写真

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