
志津川湾に浮かぶ小さな島、荒島。島の入口に立つ大鳥居が津波で流失しましたが、2019年7月13日に再建されました。観光協会主催のツアーに参加し、島を所有する佐藤家の佐藤太一さんに荒島を案内してもらいました!
南三陸のシンボル、志津川湾に浮かぶ荒島へ。
荒島は、志津川湾に浮かぶこんもりとした緑の島。サンオーレそではま海水浴場の桟橋を歩いて渡ることができます。島の頂には荒嶋神社があり、弁才天の島として漁業者から信仰されてきました。
荒島はユニークな植生で知られています。タブノキなどの常緑樹林、杉などの針葉樹林、そして落葉広葉樹林の3種類の森が小さな島に共存。タブノキが自生する北限の地でもあります。

荒島パークから望む荒島
今回参加したのは、南三陸町観光協会が主催する「南三陸人と集う一日」というプログラム。南三陸町で活躍するさまざまな人(=南三陸人)を講師に迎え、それぞれの取り組みについて話を伺うというもの。2019年7月28日には、林業を営む株式会社佐久の専務理事、佐藤太一さんを講師に迎えて荒島見学ツアーが行われました。

「南三陸人と集う一日」を企画した南三陸町観光協会の内木渡さん(写真右)と、講師の佐藤太一さん(左)
サンオーレそではま海水浴場桟橋入口で集合し、注意事項など説明を受けた後、荒島に向かいます。まずは再建されたばかりの鳥居前で話を聞きました。
荒島の入口にあった大鳥居は、東日本大震災の津波で流失しましたが、寄付金を募って再建を果たし、2019年7月13日に再建記念式典が行われました。津波の脅威を後世に伝えるため、残った根本の部分は撤去せずに残されています。

再建された鳥居の前で説明をする佐藤さん
さぁ、いよいよ荒島に上陸です。ちょっとした探検気分…!

うっそうと生い茂った木々の間を進んでいく

「魚つき保安林」とは、魚類の繁殖と保護を目的に伐採を制限または禁止している岸近くの森林のこと
荒嶋神社を参拝し、植生豊かな鎮守の森を歩く。
登っていくと、島の頂にある荒嶋神社に到着しました。弁才天を祀っていたお宮に合祀して、昭和36年に新装されたのが今の社殿です。

社殿の前で荒嶋神社の由緒について話す佐藤さん

参拝するツアー参加者のみなさん。奥に御神木のケヤキが見える

ツアーでは裏参道から入っていったが、実は荒嶋神社の正面はこちら
荒嶋神社を後にして、さらに進んでいきます。植林されたスギや、漢方薬に使われるキハダなど、さまざまな樹木を眺めつつ…。

多様な植生を実感しながら森の中を歩く

ミヤマシキミの葉の匂いをかぐと柑橘系のさわやかな香りがする。ミヤマシキミの実はウミネコの好物だ

光を求めて枝を広げる立派なタブノキ。暖かい海からの風の影響で、荒島の東側に生息していると考えられる

光を求める木々たちのせめぎ合いについて解説する佐藤さん
荒嶋神社を見学し、森を散策して、帰路につきます。「来るたびに違った表情を見せてくれるのが荒島の魅力。自由散策できますので、ぜひまた遊びに来てください」と佐藤さん。観光協会の内木さんもすっかり荒島ファンだそうです。

1時間強で荒島をめぐり、ツアーは無事に終了
荒嶋神社のことやユニークな植生について、佐藤さんに詳しく案内してもらいながらの荒島見学ツアーに、参加したみなさんは大満足の様子。荒島の魅力を体感するとともに、南三陸人・佐藤さんとの交流を深めることができたプログラムでした。

荒島に鳥居のある風景が戻った
