戸倉出張所の室内で関係者の方が資料を見ながら会議をしている写真

2月某日、宮城県漁協志津川支所、戸倉出張所へやってきました。
今日は、海の養殖についての国際認証の予備審査なのだそうです。

会議室には、審査を受ける側のカキ養殖生産部会長、後藤清広さんや漁協職員の方々が
審査機関の方と大量の書類を前に、なにやら打合せをされています。

戸倉出張所の室内で関係者の方が資料を見ながら会議をしている写真
長机に向かい合わせで座っている関係者の方が話し合いをしている写真

この認証はASC(Aquaculture Stewardship Council:水産養殖管理協議会)認証というもので、環境・社会的な影響の面で、持続可能である養殖水産物が消費者にとって一目で分かるように、養殖水産物にエコラベルを付ける認証制度とのことです。

養殖業者から消費者まで、誰もが責任ある持続可能な水産養殖物の利用に参加できる仕組み。
スーパー等の小売店の中には、このラベルのついたものしか扱わないという店もあるとのこと。

ASC認証の内容が書かれている認証制度の図

出典:株式会社アミタ環境認証研究所 http://www.aiec-net.co.jp/msc/aboutASC.html

また、2016年のリオデジャネイロでのオリンピックの会場内のレストランに供給されるすべての水産物が、ASCなどの持続可能な認証を受けていることが求められ、開催27日間で1,400万食が提供されるオリンピック・パラリンピックでの食事サービスへの食材提供という点でも重要なことなのだそうです。

ASC養殖認証は、環境、社会の側面が、審査規格に適合するものであるかどうかを、養殖場に対して認証するもので、審査規格は魚種ごとに作成されます。

船に乗って海にこぎだしている様子を写した写真

(↑現地調査へいざ!)

ライフジャケットを着て海の様子をみている男性2名の写真

(↑養殖状況の調査)

養殖認証は、

  • 養殖場を作るための沿岸の自然への影響
  • 養殖場からの排水や廃棄物による環境汚染の状況
  • 養殖のために持ち込まれた魚等が持ち込む病原菌や生物多様性への影響
  • 養殖の元となる卵や稚魚、餌となる天然魚の乱獲など漁業資源への影響
  • 養殖場で働く労働者の権利の保障など健全な労働環境の整備状況

などがチェック項目となるのだそうです。

このように厳しい審査項目に通過するということは、それだけ環境に配慮した養殖をしているのだというお墨付きをもらえることにもなります。

カキ加工施設の調査を行っている男性2名の写真

(↑カキ加工施設の調査)

周囲を木々に囲まれた造成地のような場所で、奥は土が盛られ、黄色いシャベルカーがあり、数名の人たちが調査に訪れている様子を写した写真

(↑カキ殻の状況調査)

特に、森里海がコンパクトにまとまっている南三陸町は、「森も、里も、海も全てが健全で関係しているからこそ、皆が成り立つのだ」という関係性意識の強い地域です。

また、こういった取り組みを通して南三陸町が「自然と共生するまちをめざす」というメッセージを内外に発信されることにもなり、震災復興から力強く立ち上がるためにたいへん意義のあることだと思いました。

穏やかな海の先に小さな島が浮かび、防波堤や停泊中の漁船、右側には山も見える写真

(櫛田)

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