赤いソファ席が並ぶ広いホールで、スクリーンに映像が映し出され、来場者が静かに講演を聴いている会場全体の写真

6月15日、ホテル観洋にて開催された『南三陸森林組合フォーラム 南三陸を森から語る』の模様をお伝えします。

赤いソファ席が並ぶ広いホールで、スクリーンに映像が映し出され、来場者が静かに講演を聴いている会場全体の写真

林業経営で未来を拓く、がテーマとなった今回。
およそ70名の来場者を前に、識者4名が登壇されました。

基調講演を務められたのは三重県の速水林業代表 速水亨氏。
2000年、国内で初めてFSC認証を取得したことでも知られる国内林業の第一人者です。

紺色のスーツを着た男性がマイクの前でプレゼン用のリモコンを手に話している講演中の登壇者の写真

「日本の森は今とても良い状態です。
 しかし、森の状態・国産材自給率の上昇に反し国産材価格は下がり続けています。」

ステージ上のスクリーンにスギ材の価格と雇用数の関係を示すグラフを映しながら、登壇者が話している様子の写真

長く続く林業の実現のためには気候・風土に適した徹底的な合理化が必要と説く速水氏。

その後の登壇者からは山野を地図化することの効果や町内プロジェクト、課題点についての報告が続きます。

森と町と海を見渡す風景写真がスクリーンに大きく映され、「南三陸は分水嶺で区切られた町 山の人は海を、海の人は山を想う」と書かれた文字が表示されている写真

運営の方のお話では、この森林組合フォーラムのきっかけとなったのは一つのエコツアーだったそうです。

小島の見える海岸に集まり、リュックを背負って歩き出す複数の参加者たちの写真

今年3月に開催された『しづがわ湾源流ウォーク』。
山主や研究者等、山に携わる人々の手による町の山を知ってもらうためのウォーキングツアーでした。

木漏れ日のさす森の中で、リュックを背負った参加者たちが大木を見上げている写真
オレンジ色のヘルメットをかぶり、手に植物の枝と資料を持って説明する男性の写真
草原で白いヘルメットをかぶった女性がやかんでお茶を注ぎ、他の参加者たちがカップを手にしている写真

「南三陸は分水嶺がそのまま行政区となっている町です。
 つまり町域内に降った雨がすべて町の川を下り、町の海へ流れていくということです。
 山からの恵みを海がダイレクトに受け取り、海は山へミネラル豊富な潮風を還します。
 里の営みもその中から生まれます。」

南三陸の特徴である森・里・川・海の循環に惹きつけられた参加者の方々。
「この山と森を守っていくために知恵を出し合おう。」
そんな声が今回のフォーラム開催に結び付いたのだそうです。

天井に大きな装飾のあるホールで、参加者たちが赤いソファに座って講演を静かに聞いている写真

林業に限った話ではありませんが、町では今様々なプロジェクトが芽吹いています。
いずれも『町と未来を良いものにしたい』と願うものですが、ほとんどが始動したばかり。
相互の連携や情報発信が進んでいないのが現状です。

志を同じくするプロジェクトが協力し合うことでより効果的な森林づくり・まちづくりに繋げることができます。

「人任せじゃダメなんです。
 自主的に、合理的に、未来に続けるために、夢を持った森づくりが必要なんです。」(速水林業代表 速水亨氏)

町の山々にとって、今回のフォーラムは大きな転機となるのではないでしょうか。

ステージ前で男性9人と女性1人が横二列に並び、「南三陸を森から語る」と書かれた垂れ幕の前で撮影された集合写真

(日比谷)

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