晴れた日に水産加工施設の前に複数のフォークリフトが並び、清掃が行われたような濡れた地面が広がっている写真

先日、町内の山について森林認証取得の記事をご紹介しました。
森と同様に海でも国際的な環境認証を取得するための動きが進んでいます。
11月中旬、戸倉地区にてASC養殖場認証 本審査が行われました。

晴れた日に水産加工施設の前に複数のフォークリフトが並び、清掃が行われたような濡れた地面が広がっている写真
青いプラスチックかごにたくさんの殻付き牡蠣が山盛りに入れられて並んでいる写真

ASC(Aquaculture Stewardship Council:水産養殖管理協議会)認証は水産業の養殖事業の安全・公正・持続可能性を守るための認証制度です。
今回の審査は宮城県漁協志津川支所戸倉海域が同地区で行っているカキ養殖事業に対し国際認証を得るべく、一年半も前から準備を進めていたものです。
50年以上の歴史を持つという戸倉のカキ養殖。
2011年、町の海が大きな被害を負った後は水産庁の『がんばる養殖復興支援事業』の補助により事業を再開。
その支援も2014年末に終了し、今は個人事業者ごとにカキ養殖を行っています。
以前の通り、と呼ぶにはまだ遠い状況ですが最近は大粒で味の良いカキが育っているのだそうです。

むき身にされた牡蠣が大量に並び、光に照らされて新鮮な状態がよくわかる写真

「昔は生産者の過密や川からの生活排水でいいカキが獲れない時期もあったんだげっともさ。
大きな波で海底の悪いもんが掻き出されんだろうなぁ。」
と地元の漁師さんは言います。
ほれ、と見せてくれたカキはこれでまだ1年物。
2年~3年物と見間違えるほどの大きさです。

作業服を着た男性が殻付き牡蠣を手に取り、屋内で説明しているような様子の写真

今回の本審査では審査員が2日間に渡って町に入り養殖現場の視察や漁師さんへのヒアリングなどを行いました。

数名の人がライフジャケットを着て船に乗り、沖に向かって進んでいる様子の写真
海の上で船から吊り上げた牡蠣の養殖ロープを写真に収めようとカメラを構える男性の姿が写っている写真
光の差し込む作業場で数人の女性が腰掛けて並び、牡蠣の殻を剥く作業をしている写真
会議室のような部屋で複数人がテーブルを囲んで話し合いやパソコン作業を行っている写真

この後レポートがまとめられ、審議の後、早ければ年明け1月に結果が通達されるそうです。
無事認証が取得できた場合、戸倉地区のカキ養殖部会は日本で初めてASC養殖場認証を取得した団体となります。
カキがお店に並ぶ際にはパッケージやメニューに認証マークをつけることができ、消費者はマーク付きの食材を選ぶことで水産業の未来に貢献することができるのです。
「私たちはこれまで養殖業の規模・利益を拡大させることで環境に負荷を与えながら自然を征服したかのような感覚に陥っていましたが、先の震災でそのことに気付くことができました。
 今回の認証の申請をきっかけに、自然本来の力を生かした漁業を展開していくことが我々にとっての復興だと考えます。」(カキ養殖部会部会長 後藤清広さん、写真左)

船の上でライフジャケットを着た数人の視察者たちが笑顔で牡蠣養殖の様子を見学している写真

その評価は、まもなくです!
(日比谷)

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