港にとまった漁船の横で漁師たちが道具を準備している様子が映っている漁業作業の写真

前回に続き、ホタテ養殖の現場の模様をお伝えします。午前11時、泊浜漁港から高橋家の持つ漁船、金比羅丸(こんぴらまる)が出発しました。

漁船の後ろから見た視点で、船が港を出て海に向かって進み、白いしぶきを上げている出港中の写真
漁船の中で海を見ながら操縦している漁師の後ろ姿が映っており、船の運転席から海を見渡している航行中の写真

ロープに繋げた子どものホタテを海中に吊るしに行くのです。

オレンジ色のたくさんのホタテが入ったコンテナが置かれた漁船の甲板の上で、漁具の整理や準備をしている様子が写っている漁船の写真

震災後、町内で海の仕事を再開できているお宅は多くありません。被災を免れた漁船・作業場を共同利用している浜もありますが、こちらの泊浜・田の頭地区では高橋さん他数軒の漁師さんが中心となって漁業を行い、その作業を地元の方たちがお手伝いするという形を取っているそうです。

金比羅丸は歌津崎と神割崎の間に近いポイントに到着しました。ホタテのロープを1本ずつ海へ吊るします。

船上でホタテがつけられたロープを海に垂らしている作業風景を写した写真

これは「垂下式」と呼ばれる養殖方法。近隣ではホタテに限らずカキやワカメでも多く用いられる手法です。特に秋から春先にかけ、南三陸の海一面に養殖用の浮球が並ぶ様子が見られます。

薄暗い海に、一隻の小さな舟が浮かび、遠くにたくさんのブイが点在しているホタテ養殖場の景色を写した作業風景の写真

2時間ほどかけて約2万3千枚のホタテが海中に吊るされました。高橋家の持つ養殖場では、今年9万~10万のホタテを吊るす予定だそうです。「大サイズ」と呼ばれる11センチ強まで育て、出荷できるようになるのは約2年後です。

ホタテの貝殻が重なり合って積まれており、貝の中身が見える状態で撮影された養殖されたホタテのクローズアップ写真

この日は風が強く、作業後半にはアラレが降ってきました。

強い波と雨が降る中、漁師たちが船の甲板で作業をしている様子を写した写真
雨と風が吹く悪天候中、船上で作業をしている男性漁師を写した写真

頭上を走る暗雲に「こんな経験なかなかできないよ!」と笑う漁師さんたち。

暗い雨雲が空一面に広が、遠くの山と海上に雨がふり、風で波が立ち荒れている様子の写真

三陸の海はこれからいよいよ極寒の季節です。

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