山あいの川沿いに石で囲まれた仕掛けがいくつも設置されており、その中を青い作業着の人が歩いているしろうお漁の川の全景写真

このところ、寒い日と暖かい日が交互にやってきます。

上着と帽子が両方必要です。

5月上旬。
伊里前川でしろうおの漁が行われていました。
4月~6月頃に見られる春の風物詩です。

山あいの川沿いに石で囲まれた仕掛けがいくつも設置されており、その中を青い作業着の人が歩いているしろうお漁の川の全景写真

石をろうと型に組み川上の網へ魚を追い込む手法は「ザワ」と呼ばれます。
この地域、数軒の漁師の家だけに受け継がれてきました。

伊里前川は津波により大きな被害を受け、一時はこの技術も失われそうになりました。
大勢のボランティアさんが川掃除に入ってくださったことで魚が戻り、「ザワ」も復活できたのだそうです。

川の中に石で囲った仕掛けのそばで、青い作業着を着た男性が透明な箱を水の中に沈めながら慎重に作業しており、水面にはわずかに波紋が広がっているしろうお漁の作業中の様子の写真

漁師さんが網の中を見せてくれました。

四角い網付きの容器の底に、細長いちいさな魚であるしろうおがたくさん入っている写真

6センチほどの透明な魚がぴちぴち動いています。
稚魚にも見えますが立派な成体です。
1年前、この川で卵から孵化し志津川湾へ下り、今年また卵を産みに帰ってきました。

「暖かければ洗面器1杯分くらいすぐ獲れんだげど、今年はまだ水が冷たくてなあ。これからだなあ。」

デリケートなしろうおは獲ったのち川端の籠に移し、出荷のときまで同じ水の中で生かしておくそうです。
「新鮮だから踊り食いができる。
 お吸い物もうめぞ。いい出汁が出んだ。」
しろうおは今週末19日開催の伊里前しろうおまつりでいただくことができます。

「去年はお客さん3,000人来たっちゃ。
 今年は宣伝も増えてるから、きっともっと多いべさ。
 川掃除してくれたボランティアさんたちもまた来るって言うし、歓迎すっペなあ。」
ああ忙しい、と漁師さんは嬉しそうに話してくれました。

(日比谷)

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