「SALMON FACTORY GYOUBA」と書かれた看板が掲げられたグレーの水産加工場の建物正面に、トラックの搬入口や資材が見える外観写真

先日、志津川の魚市場近くにて、2011年の夏より営業を再開されている行場商店さんを訪れました。

「よみがえれ!南三陸」と赤字で書かれた建物にサーモンのイラストと「GYOUBA」の文字が描かれ、手前にはたくさんの青いコンテナが積まれている写真

行場商店さんは、地元志津川産の養殖ギンザケや天然秋鮭などの加工を行う会社です。志津川湾の養殖ギンザケは、宮城県内でのシェアが15-20%を占めており、志津川のギンザケ加工はほぼ全て行場商店さんが行っていたとのこと。

複数の作業員が防寒着とマスクを着け、コンベアを流れてきた鮭を、大量の鮭が入った2つの大型コンテナに入れている写真

そんな中で発生した東日本大震災。仕事の特性上、志津川魚市場近くの低地に立地していたため、今回の津波では多大な被害を受けました…(補足:詳細はコチラ)

高橋正宜社長は、あまりの被害の大きさに会社を再建するかどうか悩みます。特に心配だったのはこの地区の漁業がどうなっていくのか。地元の鮭があがってこなければ、会社としても営業していくことができません。

外に海と港の風景が広がる窓の前に立つ、作業服を着た高橋正宜社長の写真

しかし、今回の被災で製造施設を失いましたが、従業員とお客さん、冷凍庫が残りました。高台にあった冷凍倉庫には原料と商品が眠っていて、1週間後に電力が復旧したときでも庫内はマイナス21度の状態だったので、「これならいける」と思ったそうです。

さらに、被災した工場2棟のうち1棟は思ったよりも早く直せることと、次の商品出荷時期である秋鮭シーズンに、営業再開が間に合う可能性を見込めたため、2週間悩んだ結果、高橋社長は会社を再開することに決めたそうです。

足場の組まれた建物の前では複数の人が作業を行い、傍でオレンジ色のフォークリフトが荷物を運んでいる様子の写真
足場が組まれた水産加工場の建物にカラフルな大漁旗が掲げられている建設中の様子を写した写真

2011年の8月6日に第一工場での操業が再開し、2012年の5月には第二工場も再開。そして養殖ギンザケに関しても、2012年の冬にはローソンのおにぎりに採用され、現在では、7割近くまで生産が回復しました。

透明な包装に包まれた「銀乃すけ」という新発売の商品で、三陸産銀鮭を使ったおにぎりの商品の写真
青いテープで封がされた白い発泡スチロール製の箱がいくつも積み重ねられており、後ろにもたくさんの箱が積まれている出荷準備中の水産品の写真

「とにかく沿岸漁業に再生してもらいたい。この土地に残る意義がなければ、企業としては違う土地で再開してもおかしくない状況です。でも、海を生業にしている以上、志津川に残って頑張っていくしかないと思っている。」高橋社長はこのようにおっしゃいます。

足場が組まれた建物の前に社員の皆さんが集まり、笑顔でガッツポーズをして写っている集合写真

社員の皆さんと共に再開を果たした行場商店。町を支える水産会社として、応援しています!

株式会社行場商店

  • 住所:志津川字旭ヶ浦13
  • 電話:0226-46-3520

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