林に隣接した敷地内に巣箱のようなものが置かれ、奥に金網と木材で作られた鶏小屋が建っている写真

4月27日月曜日。春を感じる気持ちの良い陽気の一日。

歌津の田表にある「自然卵農園」さんを訪れました。

さんさん商店街の「自然卵のクレープ」屋さんの運営する牧場です。

クレープ屋さんの記事はこちら → <前編><後編>

林に隣接した敷地内に巣箱のようなものが置かれ、奥に金網と木材で作られた鶏小屋が建っている写真

こちらの牧場は平成25年3月に小屋を作り始めることろからスタートされましたがなんでもその前は、北海道にて一から養鶏を学んだそうです。

白い作業服にキャップを被った大沼さんが横を向いて立っている様子をアップで撮影した写真

農園代表の大沼さんは当時を振り返ってこう語ります。

「男は弱いもんで、震災直後の頭の中は真っ白だった。気力がなかったんです。
 人のご縁でお声掛けをいただき、かれこれ2年いました。
 北海道に家族で移り住んで1年経ったころ、近くに個性的な自然牧場がありまして、
 やりがい・生きがいになりそうだと思いましたし“そろそろ帰ることも見据えなきゃない”ということで養鶏を学びました。」

茶色い羽のニワトリが密集している小屋の中をアップで撮影した写真

特徴は、平飼いで太陽の日を浴び元気に走り回って育てていることと、クスリを使っていないこと、さらに地元産のエサを使っていること。

穀物は県内産のものを調達し、他に南三陸でとれるイサダの粉末や、砕いたわかめ、立派すぎて売れない小松菜を混ぜ込んでいます。

エサの独自調達ルートを構築するのはなかなか大変だったそうですがほぼ100%、南三陸を中心とした宮城県産のものになりました。

水も田束山の脇水や伏流水の井戸水を使っています。

鶏小屋の中に光が差し込み、ニワトリたちが自由に歩き回っている飼育環境が写された写真

本当は放し飼いをしたいそうなのですが、さまざまな獣害の危険性があるためそこには至っていません。

白い作業服の大沼さんが鶏小屋の外から金網越しに中をのぞいている様子の写真
エサ箱や止まり木が設置されている鶏小屋の中で、日光を浴びながら多数のニワトリが歩き回っている様子の写真

現在120羽の鶏たちは、午前中に1日60個前後の卵を産みその9割がクレープ屋さんで原料として使われますが、残りの一部は、卵のまま直販したり、お宅へ宅配したりしています。

価格は1個50円。さんさん商店街では6個入りと10個入りを販売しています。

10個以上であれば宅配も承っています。

「卵皇」と書かれた青いラベルが貼られている段ボール製の卵パックの写真
6個の茶色の卵がきれいに並んで入っている、卵パックの蓋を開けた状態の写真

実際に購入して試してみましたところ、普通のスーパーで市販されている卵よりも味やうまみが濃厚で、生卵特有のネットリ感も少ないので、生卵かけごはんがおススメです

木製の器の中に卵がそれぞれ浮かんでおり、右側に入っている卵に刺さった爪楊枝は倒れたりしているが、左側の自然卵に刺さっている爪楊枝は4本とも真っすぐ立っている、弾力を比較している写真

(自然卵は写真左。つまようじを刺してもしっかり立っています。)

そんな自然卵農園の課題は移転先の確保。

「三陸道の工事がはじまり、騒音、ダンプ車の影響を少なからず受けています。
 自分の敷地のすぐ隣で工事が始まるなんて知らなくて高台移転との兼ね合いがあり、移転できる土地がまだ見つからないんです。
 本当はいまの2倍の小屋が必要でまだ足りないので、無事に移転できたらもっと広い小屋と多くの鶏を飼育するつもりです。」(大沼さん)

周囲にはタンクや道具が置かれている鶏小屋の前で、白い作業服を着た大沼さんが二匹の犬をなでている様子の写真

(獣害防止のため24時間警備をしている番犬2匹と、大沼さん)

毎日エサを与えるうちに自然と愛着がわくそうです。

自然卵農園は、鶏も人間も幸せな牧場でした。

クレープ屋さんも応援しています。

自然卵農園株式会社

  • 南三陸町歌津字田表15
  • 0226-25-9799

(安藤)

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