ビニールハウスの中に金属製の棚が何列も並び、その棚に茶色い菌床がびっしりと積まれていて、大型扇風機やオレンジ色のケースが置かれている通路が中央にある写真

入谷地区の公営住宅を抜けた道の先。
数棟の大きなビニールハウスが建っています。
ここは株式会社 椎彩杜(シーサイド)さんの椎茸ハウス。
“椎茸”一品目を武器に、町の農業の一翼として活躍する企業です。

ビニールハウスの中に金属製の棚が何列も並び、その棚に茶色い菌床がびっしりと積まれていて、大型扇風機やオレンジ色のケースが置かれている通路が中央にある写真

常務の高橋浩幸さんにお話を伺うことができました。

しいたけの菌床が並ぶ栽培棚の前で、灰色のパーカーを着た男性が笑顔で立っている写真

椎茸の菌床栽培はもともと浩幸さんとお父様(現社長 高橋幸俊さん)で始められたもの。
2008年に会社を設立したばかりでしたが、2011年に設備の多くを失いました。
浩幸さんを励ましたのは椎茸の生命力だったそうです。

「震災の翌日、被害を免れた設備を見に回ったら採り頃のものが生えてきているんですね。
 放っておけば菌床ごと死んでしまうけれど、刈り取って避難所でキノコ汁にすればみんなが喜ぶ。
 ボンヤリしている場合じゃないなと。」(浩幸さん)

菌床の上に肉厚のしいたけが密集して生えている様子をアップで撮影した写真

以来4年弱。
ひたむきな活動の甲斐あって施設を再建した椎彩杜。
日毎の椎茸出荷量は40ケース前後と、震災前と同水準まで戻りました。
品質と安定した生産量に定評があり、このお正月は仙台のバイヤーさんが直に買い付けにみえたといいます。
今は「新施設に神棚を据える暇もない」(浩幸さん)ほどの忙しさだそうです。

「将来的には、まずハウスなどの設備を増設します。
 またうちの会社では椎茸を使った加工食品の人気も高いんですが、現在は製造の一部を外部へ依頼していまして。
 いずれすべて自社の工房で行えるよう体制を整えます。
 地元の海産物と組み合わせるなどの新メニュー開発もしたいですね。」

上部に手書きで「地元のしいたけを使ったかりんとうです。」と書かれた黄色いポップが貼られている段ボールの中に、「椎茸かりんとう」と書かれた商品が透明な袋に個包装されて多数並んでいる写真

他にも夢はありますかと伺ったところ、「そうだなあ、自分のハウスが1棟ほしいですね。
 キノコの栽培を食育につなげられたらと思っていまして。
 今も時々見学会を開いているんですが、俺専用のハウスがあれば活動をもっと広げられます。
 自分で採ったキノコでバーベキューとか、いいなあ!」

キノコ嫌いも減らせますよね、と顔を輝かせます。
椎茸ひとつにこんなにたくさんの可能性が詰まっているんですね。
今夜はキノコ鍋で決定です。

林に囲まれた場所に白いビニールハウスが複数並び、外には栽培用の菌床ブロックが金属の棚に積まれている写真

株式会社 椎彩杜 サイト 

スタッフさんも募集中。
詳細はハローワークで公開中の求人情報をご覧ください。

常務 高橋浩幸さんより:
和気あいあいとした明るい職場です。
キノコに興味のある方も、キノコ生えてるところを見たことないって方も、歓迎です。
きっと楽しくお仕事してもらえると思います。

(日比谷)

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