細長く切れ込みが入った葉が放射状に広がる当帰の葉(トウキリーフ)が、太陽の光を浴びて青々と茂っている様子の写真

「他にはない特産品を育てたい!」町の畑作に今、新しい流れが現れています。

古くからその根が生薬として知られる植物「トウキ」。婦人病や冷え性への薬効があり、漢方薬に用いられています。類縁種(西洋トウキ)はヨーロッパでは悪魔を退けるとされ、「アンジェリカ(天使のハーブ)」とも呼ばれます。

現在流通しているトウキの多くが海外産や北海道産ですが江戸時代には宮城でも「仙台トウキ」と呼ばれる種が栽培されていました。「トウキを現代に復活させ、地域の農業を活性化しよう!」南三陸町入谷地区でトウキの畑作が始まったのは2012年の春でした。

初年度から無農薬栽培にこだわり、生長に向いた場所への苗の定植、手作業での害虫取り。当初は小指の先ほどだった苗に惜しまぬ手間が掛けられました。その甲斐あって、初夏には青い香りの漂うトウキ畑が完成したのです。

畑には一面にトウキリーフが育っており、帽子をかぶった女性たちがトウキリーフを収穫している様子の写真

薬用として用いられるのは根っこの部分ですがこのプロジェクトでは葉の部分を食用ハーブとして広めようとしています。名付けて「トウキリーフ」。

「トウキリーフはセロリにも似た強い香りを持ちます。油、特にオリーブ油との相性がとても良くて、試作したタコのカルパッチョ、たらとキノコのホイル焼き、パスタなどいずれも好評でした。」(グリーンウエーブ入谷構想促進委員会 農園チーム)

手作りのピザ生地の上にトマトソースやチーズとともに収穫したトウキリーフがトッピングされている様子の写真

2年目の2013年、栽培箇所は更に増えました。現在トウキリーフは銀座のベーカリーや薬膳カレー店などで使用されています。他にも食品会社等、興味を持ってくださる方が増えているそうです。

室内で数人の大人たちがテーブルを囲み、トウキリーフを使った料理を試食している様子の写真

「畑から産業を生み出すためにどのように形にするかが大事だと思います。できるだけ早く、町の新しい農産物として広めていきたいですね。」(グリーンウエーブ 農園チーム)

根や種の利用方法も模索中とのこと。南三陸からブームが生まれるかもしれません。

小さな白い花が密集して咲いているトウキの花の写真

(トウキの花)
(注意)南三陸町で生産している品種はオオブカトウキです。

トウキ栽培の今を見られる「未来の種プロジェクト」Photoライブ
http://mirainotane.jp/live/

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