港を背景にしてピンク、黄色、緑の色とりどりの灯ろうが長机に並べられている写真

8月16日夕刻、志津川地区荒砥(あらと)の灯ろう流しにご一緒させてもらいました。

港を背景にしてピンク、黄色、緑の色とりどりの灯ろうが長机に並べられている写真
夕暮れ時の漁港にライトが付いた簡易的なテントが設置されており、その周囲に人々が集まっている写真

お盆の終わりに灯ろうを流す風習は、もともとこの地域の各地にあったものです。
ですが震災後、海や川が傷付けられてしまってからは再開できているところは多くありません。

空が暗くなりはじめ、ライトで煌々と照らされたテントの周りに多くの人々が集まっている様子を写した写真

「震災の年はここでも海岸が削れてしまってねえ。
 灯ろう流しができなくて、堤防に灯ろうを並べて灯したんだよ。
 次の年からは荒砥漁港が嵩上げされて海へ灯ろうが流せるようになり、地元消防団・警察・青年会の協力もあって、今も続けられているんだ。」
(全慶寺 ご住職のお話)

灯ろうが並んだテントの下で数名の人が手を合わせて焼香をしている様子を写した写真
テントの中に設けられた祭壇にお参りをする人々と、後方に座った僧侶の後ろ姿が写っている写真

荒砥の菩提寺・全慶寺(ぜんけいじ)の檀家は約160軒。
200以上の灯ろうに初盆・年回忌の方の名と代々のご先祖様の名が書き入れられました。
読経ののち、一つずつ海へ浮かべます。

黄色いライフジャケットを着た二人の男性が小舟から次々と灯ろうを海に流し、暗い水面に色とりどりの灯ろうが静かに浮かんでいる写真
夜の水面に明かりをともした灯ろうが静かに浮かび、岸辺にはそれを見守る人々が集まっている写真

「今日は風が少ないねえ。」
「磯の匂いがしてきたよ。」

光の列はゆっくりと伸びていきました。
海へ帰っていく御霊へ、人々は静かに手を合わせるのでした。

夜の港に小舟が静かに浮かび、その周囲には灯ろうが浮かぶ幻想的な風景の写真

(日比谷)

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