夕焼けの空を背景に、地元の人たちが制作した切り絵パネルが屋外のネットフェンスに展示されている写真

東北も梅雨が明け、夏本番となりました。
今日は涼を呼ぶきりこの話題です。

2010年、町を伝統で彩ろうと始まった『南三陸きりこプロジェクト』。
震災を経てその意義は更に大きくなり、今や白いきりこパネルは町の景色に無くてはならないものとなりました。
(前回ご紹介した記事はこちら)

夕焼けの空を背景に、地元の人たちが制作した切り絵パネルが屋外のネットフェンスに展示されている写真

そしてこの夏。
8月開催予定の『福興きりこ祭』に向け新たな紙のきりこを作るワークショップが開催されています。
7月18日、その第二回に参加させてもらいました。

木造の室内で女性が切り絵の下絵を皆に見せながら説明しており、周囲の参加者が注目している写真

机には懐かしくも新しいきりこの型紙たちが並びます。
アート団体ENVISI(えんびじ)が町の商店や民家にヒアリングし、一軒一軒を想ってデザインしたものです。

長机の上で複数の参加者がカッターを使いながら切り絵の作業を集中して行っている様子の写真

各々カッターを手に白紙に向かいます。
「窯神様のお写真がなくて、たくさんお話を伺ったんですよ。」
「理容師さんが耳かきも手作りしていらして。」
「夏は八百屋の二階がフルーツパーラーになったのよね。」
型紙から思い出話が広がります。

女性が細かい模様をカッターで丁寧に切り取っており、切り絵の仕上げ作業に集中している様子の写真

こちらはきりこ作りベテランの女性たち。
複雑なパターンが次々に切り出されていきます。

室内で完成した切り絵を両手で持ち上げて笑顔で見せている、茶色の服を着た女性の写真
黒い服を着た女性が、大きくて複雑な模様の切り絵の作品を両手で持って皆に披露している写真

私が切らせてもらったのは菓房 山清さんのきりこでした。
いかがでしょう専務!

幾何学模様や花のようなデザインが施された大判の切り絵の作品を、レース柄の服を着た人物が正面で持ち上げて見せている写真

町内出身のご姉妹。
妹さんは遠方からの帰省中に参加してくださったそうです。
「ロゴマークが入ってると難しいんだよね…。」

二人の女性が一枚の切り絵を一緒に作業しており、互いに協力しながら仕上げをしている様子の写真

姉妹合作、見事完成しました

完成した切り絵を持った水色の服を着た女性が笑顔でポーズをとり、後ろに他の参加者も写っている写真

石巻からいらしたという男性も、この通り。

白髪まじりの男性が桜の花とお膳の図柄が切り抜かれた切り絵作品を胸の高さで広げて見せている写真

「津波の被害を負った南三陸町はこれからも姿を変えていきます。
 建物の素材まで以前と違う町になるでしょう。
 形あるものが失われても、失われていないものがあるはずです。
 それを可視化し、新しい町に吹き込む手段の一つがきりこなんです。」
(ENVISI代表 吉川由美さん)

女性が木造の室内で「宝」と書かれた帆船のデザインの切り絵を両手で持ち、笑顔で完成作品を披露している写真

ワークショップは8月19・20日にも開催されるそうです。
作成したきりこ(約300枚を予定!)は、8月23日から開催の『福幸きりこ祭』にて
さんさん商店街・伊里前福幸商店街に飾られるとのこと。
(その他思い出の場所を飾るきりこもあるとか…?)
紙のきりこがはためく涼やかな光景が、この夏も見られます。

きりこ作りワークショップ ご案内ページ

(日比谷)

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