地元のわら細工名人である三人の高齢男性が机の前に座っている写真

みなさんは“しめ縄”をご存じでしょうか?

しめ縄とは、新年を迎える際に神社や各家庭の神棚・玄関などに飾られる、お正月飾りのこと。
先日、そのしめ縄作りの体験教室が行われるということで、入谷公民館に行ってきました。
しめ縄作りの先生は、地元のわら細工名人のお三方。

地元のわら細工名人である三人の高齢男性が机の前に座っている写真

いずれも、荒島神社や上山八幡神社への奉納、直売所での販売用などに、しめ縄を作っていらっしゃる大ベテランです。
しめ縄作りに使うのは、2種類の藁。
稲からお米を収穫した後の状態のものですね。
見た目には違いはよくわかりませんが、触ると微妙に硬さが違うんです。

藁を束ねて結び、しめ縄作りの材料として準備された2束の藁の写真

藁を機械にかけたり叩いたりして、やわらかくするのだそうですが、今はこの藁自体、昔に比べて手に入りにくいのだそうです。

昔は、手刈りや刈取り機能のみの機械で稲刈りを行っていましたが、今は、刈取りと同時に脱穀ができる機械があり、機械によっては藁を細断処理するものもあるそう。
細断処理された藁は肥料として田んぼに使われますが、しめ縄には使えなくなってしまうのだそうです。
『習うより慣れろ』とのことで、さっそくしめ縄作りのスタート。

多くの参加者が青いシートの上に座り、グループで藁を使ってしめ縄作りをしている会場の全体写真

やわらかい藁を取り2束に分け、両手を擦るようにして掌で転がし、それぞれの束を捻りながら綯(な)っていきます。
「縄綯いは、しめ縄作りの基本だがら。まずは、縄を綯えるようになっこどだね。
 足でしっかり押さえで、こうすて…。手の水分ないど綯われないがらね。」

説明しながらも、先生はあっという間に縄を綯っていきます。
早い!きれい!さすがです!

高齢男性が青いシートの上に座り、手で藁をまとめてしめ縄の一部を編んでいる作業中の写真

硬めの藁を、“ふさ”となる部分に足しながら、綯っていきます。
私は初心者なので“3さげのしめ縄”に挑戦。南三陸で、縄を綯う、なう!笑

しめ縄の縄の部分と、そこから垂れ下がる房(ふさ)の部分に、それぞれ矢印と文字で説明が加えられている写真

ふさの数は奇数が良いとされていて、その数で、3さげ、5さげ、7さげと呼ばれます。
どこにどれを飾るかは各家庭によって様々だそうですが、一本の縄に、右から7さげ・5さげ・3さげと、3種類のふさがある“七五三(しちごさん)”というしめ縄を飾る家庭もあるのだとか。

複数の高齢者が青いシートの上で藁を束ねてしめ縄を編む作業をしている様子の写真
多くの参加者が青いシートの上で藁を使ってしめ縄作りをしている様子の別角度の写真

年に1度しかない、このしめ縄作り体験教室。
「ずっと来たかったんだけど、今年やっと来れました」
という初参加の方や、「最初は縄綯いができなくてね。今回で3回目の参加だけど、だんだん上達してきたのよ~」
という常連の方も。
来年は今年以上にきれいに作りたいと、みなさん来年の参加も決定のようです!
最後に、自分で作ったしめ縄を持って写真撮影。

しめ縄作りに参加した方々が完成したしめ縄を手に持ち、笑顔で並んで写っている集合写真

自分で作ったしめ縄は気持ちがこもっていて良いお正月・良い一年を迎えることができそうです。
(高橋)

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