
フランスのナントという町からオデンシアナント経営大学院1年生の亀山まりさん(21)がインターンシップ(就業体験)として南三陸町に来ました。
学校の方針で1年生は6週間以上のインターンシップを行うことが必須科目。
亀山さんは夏休み期間を使って7週間、南三陸町役場でインターン生となりました。

被災地の復興事業と持続可能な開発に関して興味を持っていた亀山さん。
「南三陸町へ来てみないか」と誘いを受けた知人を介して南三陸町の佐藤町長に許可をいただき役場での研修に至ったそうです。

ご両親は日本人ですが、亀山さんはフランス生まれパリ育ちです。
日本へは祖父母に会いに何度も来られていたとのこと。
彼女は語学が堪能で、フランス語、日本語を始め数種類の言語に精通しているそうです。


(1000キロメートル縦断リレーの様子)
役場ではさまざまな課で1週間ずつ研修を行い、先輩の職員と一緒に現場に出向いてイベントの参加や見学などの体験をし、南三陸町について学んだそうです。
復興状況を体で感じて想像とは違う現状に驚かれたそうです。


(バイオガス施設の視察)
現場視察としての一例ですが、亀山さんが持続可能な開発について興味があったので現在建設中のバイオガス施設の見学に行ったそうです。
地域循環の町を目指す“バイオマス産業都市構想”の話を聞き、今後町全体で取り組む“バイオガス事業”の生ゴミ分別の仕方を教わり災害の教訓から立ち上がった持続可能な社会作りについて学びました。

亀山さんは研修中ずっと個人ブログで南三陸町の学んだことを更新していました。
震災を風化させないようにと、自分が見た南三陸町の復興の歩みをフランス語、英語、スペイン語で世界に発信してきたそうです。
ブログは日本語の解説もあるのでどうぞご安心を。



南三陸町での研修を終えた最終日。
インターンシップ報告会が7月31日に役場の大会議室で行われました。
亀山さんは約80名の傍聴者を前に、この7週間を振り返って学んだことや感じたことを堂々と発表しました。
日本の礼儀や言葉遣いが繊細でそれについて興味を持ったことや、フランスと日本の教育の違い、そして出生率から見る共働きの環境の違いなどを熱く語ってくれました。
「パリは観光地で建物を見に来るお客は多いのですが、地元の人との関わりが薄いです。
南三陸町は建物よりも地元の人との触れ合いが多く、その人の温かさに感動しました。
つまり「この町の宝=人」であると感じます。
それを魅力にこの町を大好きになる人が増え、輪が広がっていくと思います。」

多くの方の縁や協力があってのこの研修。
無事に終えることが出来て安堵した様子の亀山さん。
研修後には佐藤町長から南三陸応援団・フランス支部長の任命を受けました。

「この研修で気付いたことは、自分に合っている仕事は言語力を活かせる仕事ではないかということです。
南三陸町で見て体験して学んだことをこれからもたくさんの人に語りたいです。
一人前になったら第二の故郷の南三陸町に恩返しをしたいです。」
亀山さんブログ
(菅原)
