4人の手により、それぞれ異なる色や形の携帯電話やスマートフォンが緊急速報メールの画面を表示した状態で並べられている様子を写した写真

11月5日の『津波防災の日』を知っていますか?
東日本大震災の教訓を忘れず、人々を津波被害から守るために制定された記念日です。
この日は全国的に防災意識啓発に向けた行事を行うことが推奨されています。

今年のこの時期、東北地方では4日間にわたり陸上自衛隊による震災対処訓練『みちのくALERT』が行われていました。
南三陸町では『津波防災の日』すぐ後の日曜日に大規模な防災訓練が実施され、筆者も志津川地区 旭ヶ丘行政区の訓練に参加させてもらいました。
(去年の避難訓練の模様はこちら)

11月9日朝8時15分、訓練開始。

「(放送)こちらは防災南三陸広報です。
ただいま土砂災害警戒警報が発表されました。」

無線放送が流れ、携帯電話に一斉に緊急速報メールが届きました。

4人の手により、それぞれ異なる色や形の携帯電話やスマートフォンが緊急速報メールの画面を表示した状態で並べられている様子を写した写真

「(放送)土砂災害の危険性が高まっています。
避難の準備を始めてください。」

繰り返される無線放送。
8時30分、サイレンが響きました。

「(放送)ただいま宮城県沿岸に大津波警報が発令されました。
海岸付近の方は至急高台に避難してください。」

現在地は海岸より1キロメートル、海抜7~8メートルの場所。
避難を開始します。
大地震発生時の原則は徒歩避難です。

ヘルメットをかぶった2人の男性が「津波避難地点」の看板がある坂道の歩道を歩いて避難訓練に参加している様子の写真

指定避難場所は高台に建つ企業の駐車場です。
班ごとに区長へ到着報告を行います。
その数150人余り。
今回は平日日中という設定のため、就学年齢の子どもたちは学校で訓練を受けているそうです。

年配の男性が真剣な表情で前を見つめて立っており、その横で女性スタッフがマスクをつけてメモを取っている写真
白い建物の前の広場に多くの地域住民が集まり、何かの説明を受けるために列になって立っている様子の写真

消防隊員さんから災害についてのお話をいただきます。
「防災用品は用意されていますか?
ケガの応急処置にはレジ袋やストッキングも使えますよ~。」
優しい口調に緊張感がほぐされます。

屋外の広場で青い制服姿の消防隊員の男性が拡声器を使って住民に向かって説明を行い、住民たちが真剣に聞いている様子の写真
防災訓練中に拡声器を持った職員が、もう一人の職員の右腕に応急処置用のビニールをかける実演をしている写真

その後ろに上がる湯気は…

応急屋外で応急処置の実演を行っている2人の消防隊員の後ろで、迷彩柄の作業服を着た自衛隊員が、湯気が上がった大型の炊飯用トレーラーの前で準備をしている様子の写真

炊飯用トレーラーを用いた本格的な炊き出し訓練が展開されていました。
ご協力は陸上自衛隊第6師団 第20普通科連隊の皆様です。
ありがとうございます!

白い建物の前に設置された炊飯用トレーラーで炊き出しを行っているヘルメットをかぶった自衛隊員7人が、整列し真っ直ぐ前を見て立っている写真

お米40キログラムが炊き上がりました。

ヘルメットを被り迷彩服を着た自衛隊員が、炊き出しで炊きあがった大型の釜から取り出したご飯を、大きなビニール袋をしいたクーラーボックスの様な容器に移し替えようとしている様子の写真

瞬く間に握られるおむすび200人分、そして豚汁。

テントの下で、エプロン姿の女性たちが手際よく丸めた白いおにぎりを大量に並べて災害時の炊き出し準備をしている写真
大鍋にたっぷりの野菜が入った豚汁を、笑顔の女性たちが周囲でかき混ぜたり、カメラに向かってポーズをとったりしている様子の写真

町役場からの視察バスが到着しました。
平成の森や伊里前福幸商店街等、災害発生時の要となる拠点を回られているそうです。

青い防災服と白いヘルメットを着用した多くの参加者がバスの前で集合している様子の写真

そして午前10時。1分間のサイレンが流れ、過去の災害犠牲者への黙祷と共に防災訓練が終了しました。

山あいの地域にある建物前の広場で多くの人々がテントの下や建物周辺に集まり黙祷を行っている様子の写真

撤収前のひととき。
豚汁とおむすびで暖まります。

テントの下で女性が大きな鍋からお玉で豚汁をよそい、自衛隊員を含む参加者に配膳している様子の写真
ヘルメットをかぶった男性が笑顔で豚汁とおにぎりを手に持ち、カメラに向かって見せている様子の写真
防災訓練の会場で青いレジャーシートに座り、豚汁を食べている母親と、隣に恥ずかしそうに座っている女の子の写真

「あん時はこんな笑ってらんながったよねえ。」
「だってみんな必死だったっちゃ。」

先の震災を思い出し、人々が減災への願いを新たにした総合防災訓練。
これからも毎年同じ時期に行われるそうです。

(日比谷)

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