屋外の広場で大きなモアイ像の前に白い帽子をかぶった立教女学院小学校の子どもたちが笑顔で並び、「南三陸さんさん商店街 2018年9月12日」と書かれた看板を前に記念撮影している写真

この記事は「志津川高校ジュニアインターンシップ」に参加した学生より寄稿頂きました。

9月10日から9月12日の3日間、南三陸町を訪れていた立教女学院小学校の6年生の皆さん32人と2日間行動を共にしました。立教女学院小学校では、4年前から毎年、スタディツアーとして6年生が南三陸町に訪れているそうです。今回は、地元志津川高校生である私たちが同行したこの2日間の事についてお伝えしたいと思います!

はじめに

私たちは志津川高校2年生です。志津川高校では毎年ジュニアインターンシップで南三陸町内の職場を3日間体験します。

その中でも、私たち3人は「南三陸まなびの里いりやど」にお邪魔させていただきました。いりやどでは宿泊業務の他に、全国各地から来る学生や社会人の研修サポート、そして南三陸町の情報発信事業をしています。私たちはその業務の一端を体験させていただきました。3日間のインターンシップ期間中にちょうど「いりやど」に滞在し、南三陸で研修を行っていた立教女学院小学校さんのスタディツアーに2日間同行させていただき、残り1日間で記事を書きました。

読者様に伝わるような記事にできればいいなぁと思い書かせていただきました。是非読んでいただけたら幸いです。

南三陸さんさん商店街のカラフルな壁画の前で、左側に立つ制服姿の志津川高校生と右側に座る白い帽子をかぶった小学生たちが向き合いながら交流している様子が写っている写真

震災直後から南三陸町への支援を続けていただいた立教女学院。活動を進めていくうちに町とのつながりを深めていきました。そして、継続的に関わっていくなかで、震災からの復興と南三陸町の豊かな自然、産業が、都会で生まれ育った子どもたちの学びにつながるのではないかと考え、4年前からこのスタディツアーを開始しました。今年も6年生の全生徒(2クラス)が南三陸町をフィールドに、さまざまな経験をしながら学びを深めていきました。

ホヤについて学ぶ

9月11日、はじめは歌津地区の泊浜漁港に行き、漁業体験をしました。

紙芝居でホヤの成長過程の説明を受け、金比羅丸と高芳丸に乗って海へ出ました。漁場の見学をするときに、普段東京ではなかなかできないウミネコへの餌やりなどをして、楽しみました。

海辺で帽子をかぶった子どもたちに向かって、緑色のシャツを着た男性が「ホヤ」という文字とイラストが描かれたボードを見せながら話している様子の写真

紙芝居作成者である漁師の浅野健仁さん。 子どもたちは興味津々で聞いていました。

青い漁船の先端部分で白い帽子とカラフルな救命胴衣を着た小学生たちが、海の風を受けながら笑顔でピースサインをしたり、楽しそうにポーズをとっている写真
救命胴衣を着た小学生たちが波を立てながら進む船の縁に身を乗り出して海面を見ながら歓声を上げて笑っている写真

子どもたちは、初めてホヤを見たようで、「気持ち悪―い!」「へんなのー!」という声がありましたが、港に帰ってきて実際にホヤを食べてみるとほとんどの子どもたちが、「おいしい!」とホヤのことが好きになったようです。

ここでは、ホヤの養殖が宮城県と岩手県でしか行われておらず、そのうち宮城県で全体の7割を養殖していることが分かりました。また、ホヤを食べる人が少ないため、ホヤを山に埋めているという現状が分かり、これはこれからの南三陸町が解決していくべき問題だと思いました。

入谷で農業体験と南三陸杉を使ったペンスタンド作り!

午後には入谷地区で農家をしている阿部博之さんの畑に行き、リンゴとプルーンの収穫をお手伝いしました。海と山が近くにあって一日で漁業体験も農業体験もできるのはこの町の魅力ですね。

子どもたちはとても楽しそうに収穫していて、その場でリンゴを丸かじりでおいしく頬張りました。リンゴを収穫した後は、皆でリンゴとプルーンの袋詰めの作業をお手伝い。翌日、さんさん商店街にて自分たちで袋詰めしたリンゴが販売されるということで、子どもたちはお土産で買っていくのを楽しみにしていました。

りんごの木と農園の緑が広がっている屋外で、白い帽子と赤いポロシャツを着た女の子がかじったリンゴを手に持って笑顔で立っている写真

博之さんのリンゴにこの笑顔!初めて丸かじりをしたという子どもも、ちらほらいました。

その際、リンゴだけではなく旬を迎えている梨もごちそうしていただき、子どもたちは「おいしい!」「もっと食べたい!」と頬張っていました。

その後、オクトパス君のグッズを作っているYES工房さんへ!南三陸町の杉を使ったペンスタンドづくりをしました。みんな、それぞれ色を塗ったり、工夫をしたりしてそれぞれの個性が見られました。

水色の壁と動物や木のミニチュアが飾られた木製の家型ペンスタンドが透明な筒に入っている写真

ペンスタンドには女学院のマークと学校犬たちも!

数人の子どもたちが机の上で木製の工作キットを使って作業しており、手前の女の子が集中して紙に色を塗っている写真

最後にサプライズでオクトパス君が登場!!子どもたちはとても嬉しそうにふれあっていました。

「YES工房」と書かれた看板が設置された建物の前で、白い帽子をかぶった多くの子どもたちが大きな赤いオクトパス君のマスコットと一緒に集合写真を撮っている写真

オクトパス君大人気!オクトパ「チュー」で記念撮影しました

いこいの海あらとで交流!

最終日には「特別養護老人ホーム いこいの海・あらと」で入所者の方々と交流しました。

子どもたちは「未来への賛歌」「ふるさと」の2曲を、入所者の方々に披露しました。入所者の方々の中には手拍子をして歌を盛り上げてくれた方も。その後は入居者の方々と風船バレーや転がし卓球等のミニゲームをし、有意義な時間を過ごしていた様子でした。

小さなステージに2列に並んだ児童の皆さんが歌詞カードを手にしながら高齢者の観客に向かって合唱を披露しており、椅子や車いすに座った高齢者たちが静かに耳を傾けている写真
卓球台の端に椅子に座った二人の女子児童と高齢の男性が、段ボール製のパドルを使ってオレンジ色のピンポン球を打ち合っている写真

最後のお昼は、志のやさんで海鮮丼を食べました。海鮮丼で使われている魚はとても新鮮で、子どもたちもおいしそうに食べていました。

黒いテーブルに座った6人の女子児童たちが、和風の食事を囲んで笑顔で談笑しながら食事をしている写真
サーモン、マグロ、イクラ、エビ、卵焼きなどが彩りよく盛り付けられた海鮮丼の料理をアップで撮影した写真

子どもたちはさんさん商店街でたくさんお土産を買った後、とても満足げな表情で南三陸を後にしました。冬には、このスタディツアーの成果を保護者の前で発表するのだそうです。

森里海が密接に連環する南三陸町。立教女学院小学校の生徒が楽しそうに、そして、しっかりと学んでいる様子を見ていると、単純な観光や震災学習ではなく、豊かな自然環境を生かした体験学習旅行としての南三陸のもつ可能性の大きさを改めて実感する機会となりました。

この2日間をふりかえって

私はこの町で生まれ、この町で育ってきましたが、自分が普段、普通に生活していても知らなかったことを知ることができた2日間でした。例えば、私は入谷に住んでいますが、入谷でリンゴを作っていることを初めて知ることができました。他にも、たくさんのことを発見することができて、南三陸は本当に良い町だと再認識することができました。

 普通科 2年 首藤宇輝

この2日間でたくさんの事を知ることができました。漁業体験ではホヤの養殖の仕方、農業体験ではリンゴの収穫の仕方などいろいろなことを体験して知ることができました。その他にも歌津地区入谷地区で町に貢献する様々な事が行われているということがよく分かりました。この経験を将来に生かしていけるように頑張りたいと思います。

 情報ビジネス科 2年 菅野あゆむ

2日間通して、小学生の皆さんと町を回ってみて自分が知らなかったところに気づかされました。また、プルーンやリンゴを収穫したり初めて船に乗ったり普段できない体験もできました。さらに、特別養護老人ホームで入居者の方々と楽しくゲームができ、小学生の皆さんが、入居者のおじいさん、おばあさんの手を握ったり、声をかけたりと気遣いができていてとても感動しました。

 情報ビジネス科 2年 遠藤千優

沢山の赤い実がなっているリンゴの果樹園で、大きな青い袋を手に持った紺色のジャージ姿の2人の女子生徒が収穫したりんごを片手に持ちカメラを見ている様子の写真
千羽鶴が飾られた建物の廊下で、手には赤いオクトパス君のぬいぐるみを持っている学生服を着た男女と、2人の男性が並んで記念撮影をしている写真

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