棚やおもちゃが並んだ室内で、大人の女性がピアノに向かって座る子どもに手を添えて弾き方を教えている写真

とある早朝、志津川地区田尻畑。
菊畑に囲まれたコンテナハウスから電子ピアノの音が聴こえてきました。

棚やおもちゃが並んだ室内で、大人の女性がピアノに向かって座る子どもに手を添えて弾き方を教えている写真

ここは一時託児施設『きっずるーむボイス』。
運営する一般社団法人VOICE代表理事、小川紗絵子さんにお話を伺いました。

明るい外で、白と黒のボーダー柄のシャツを着た女性がプレハブ建物のドアの前で笑顔で立っている写真

長崎県出身の保育士 紗絵子さんは2013年6月、初めて南三陸を訪れました。
託児所のボランティアとして活動する中で若いお母さんたちの抱える悩みを知ったのだそうです。

「お母さん方の働き方はパート勤め・シフト勤務・家業手伝いなど様々です。
 町にはいくつかの保育所・幼稚園があるのですが、預かり時間が平日日中に限られていたり雇用形態によって入所のしやすさが違うなど、お母さんの多様なニーズに応えるのに充分とは言えない、と感じました。」

育児環境は人口の増減にも直結します。
お母さんと子どもたちを助けたい。のんびりしている時間はない。
2014年3月、紗絵子さんはたった一人で『一般社団法人VOICE』を起ち上げました。

「今の主な活動内容はお子さんの一時預かりです。
 例えばお母さんの勤務時間と幼稚園の通園時間のあいだの隙間保育ですね。
 今日来てくれている5歳の女の子は、こちらで2時間お預かりした後で幼稚園へお送りします。」

カラフルなマットの上で、大人の女性と子どもが一緒にしゃがんで黒ペンを使って何かを書いている写真

女性が集まる場での託児スペース作りなど、単発のお仕事も引き受けています。
お母さんたちと談笑しながら子どもを見守る姿はまるで親戚のお姉さんのようです。

室内に洗濯物が干され、ミシンが置かれた部屋で、数人の大人が手芸を楽しんでいて、中央の女性がピンク色の布を被った小さな子どもに向かって人差し指を上げたポーズをしている写真
ミシンで布を縫っている女性の傍で、小さな女の子がカメラに向かって手を伸ばしている写真

故郷から1,500キロメートル離れた土地で20代の女性が起こした事業。
周りの誰もが紗絵子さんを心配しますが彼女の目線はあくまでもお母さんと子どもたちに向けられています。

赤いチェック柄の服を着た小さな子どもがテーブルの上に手を置いて立ち、後ろでボーダー柄のシャツの女性が笑顔で見守っている写真

「ママたちのため、子どもたちのために私にできることはこれしかないと思っています。
 ママたちの不安が取り除かれる日がくるまでこの町で頑張っていくつもりです。」

『きっずるーむボイス』が明るい声の弾ける場所となるよう、願ってやみません。

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(日比谷)

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