子どもたちが教室の床に座って先生の話を静かに聞いており、保護者らしき大人たちがその様子を後ろからカメラで撮影している教室内の様子の写真

11月19日、志津川小学校校舎内の戸倉小学校で椿の授業を見学させてもらいました。

黒板の前で男性が木の実や植物の写真が印刷された大きなポスターを持って見せており、左側に立つ女性が子供たちに説明している授業の風景の写真

どうして学校で椿を勉強するの?1年生から4年生の子どもたちを前に、一般社団法人復興みなさん会、工藤真弓さんの紙しばいが始まりました。

子どもたちが教室の床に向かい合って座り、前方に座った女性が紙しばいを使って話をしている様子の写真

「お山の木がたくさん流されてしまったときに、それでも元気に立っていた木がありました。なにかな?」
「椿!」
「そう。椿は根っこががっちりしてて、津波にもビクともしなかったの。お花もちゃんと咲いたんだよ。」
「すごーい!」
「それだけじゃないんだよ。椿の種から採れる油はお料理にもお化粧にも使えるし、椿を育てて、種を拾って、また植えて育ててってしたら小さい子にもおじいちゃんおばあちゃんにも“おやくめ”ができるの。すごいでしょ。」
「すごーい!」
「じゃ、みんなで種から育ててみようか。」

学校の建物の外で数人の子どもたちが集まり、花壇の前で植え付けの準備をしている様子の写真

種を一粒ずつ受け取ります。真弓さんたちがこの秋、町内で拾い集めたヤブツバキの種だそうです。

屋外で子どもたちが地面に向かって硬い椿の種の殻をこすって穴をあけている前で、女性が灰色のパーカーを着た子どもに種のようなものを手渡している様子の写真
新聞紙に包まれたたくさんの種の中からすくった、複数の丸みを帯びた茶色い椿の種が手のひらの上にのっている様子をアップで撮影した写真

椿の種の殻はとても硬いため、自然の場合は発芽に2~3年かかるとか。「コンクリートにこすって小さい穴をあければ1年で芽が出まーす。」それでも1年!ヒマワリや朝顔とは大違いです。

複数の子どもたちがコンクリートの地面にしゃがみ込み、椿の種をこすっている屋外活動の様子の写真

「ぜんぜん穴開かないんだけどー。」
「指すりむいた!」

大騒ぎでしたが、それぞれポットに種を植えることができました。
名札を付けて、たっぷりお水もあげました。上手だったね。

学校の花壇の前に並べた、椿の種を植えた植木鉢に子どもたちが順番に緑のジョウロを使って水をやっている様子の写真
子どもたちが一列に並び、左から2番目の男の子が緑色のジョウロで植木鉢に水をあげている様子を、他の子どもたちが見ている写真

数年後、椿の種が若木となったら山へ植え替えて避難路の目印にするのだそうです。その頃にはみんなきっと新しい校舎に通っているはず。何年生になっているかな。
「いつか、椿の道で未来の子が助かるかもしれないよ。そうしたらみんなは命の恩人です。」
町と椿のものがたりは、まだまだ序章です。

山々が見える穏やかな天気の空の下、学校の校舎沿いの花壇沿いに植木鉢が整然と並べられている、ジャングルジムなどの遊具が設置された校庭の写真

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