工場の外壁に「株式会社 及新」と書かれた大きな看板があり、建物の前には自動車が数台停まっている、山あいに建つ水産加工会社の写真

本日は小雨が降っており、朝8時の気温は11度。予報によると、あまり気温が変わらない一日のようです。

先日、歌津の菅の浜にて営業を再開された水産加工会社の及新さんを訪れました。国道45号線沿いにあり、「OISHIN」の看板が自然と目に入る工場です。

工場で扱う素材は、わかめ・こんぶ・めかぶ・かき・うに等。歌津の舞浜で生産している地元のものを使っているそうです。

わかめ、昆布、のり、牡蠣、うに加工品など、三陸の海産物を多種類紹介しているカタログで、商品画像と手書き風の説明文が多数並んでいる、及新の取り扱い商品一覧の写真

今はこうして再開された及新さんですが、震災による津波の被害は大きく、本社工場と店舗、第二工場といった建物全てと、今までの顧客データまで流出してしまいました。

しかしその1週間後。幸いにも店舗の看板だけが見つかり、及川孝浩社長は、当時の避難所で新たな工場の図面を書き始めます。

さらに、同じ避難所にいた漁師さんが来年に向けてわかめの種つけを始める、ということを聞き「これなら、わかめの新物が出る3月までに再開を間に合わせればなんとかなる。」と考えた社長は、海沿いで再開できる土地を探し始めました。そして2012年の3月4日、菅の浜に建設された新工場にて営業が再開されました。

木目のある茶色い板に金色で「及新」と立体的に彫られた看板が店内に飾られている写真
山に囲まれた場所に工場が併設された白い外壁の株式会社 及新の建物が立っている写真

現在の販売は、工場玄関での小売とインターネット、その他は電話注文をいただいている状況。震災前に取引のあった方々から、わざわざ連絡をいただくことも多く、とても有難かったそうです。

ただ、営業を再開しても苦戦していることがあります。わかめ等の海藻は震災前の生産量に戻った一方で、他の海産物はまだ1/3から半分程度。加工会社としては生産者が復旧してくれないと売るものがない状況なので、震災前には扱ってなかった商品を扱い始めていますが、設備の都合もあり簡単ではありません。

木目のある茶色い板に金色で「及新」と立体的に彫られた社名看板の横に立つ及川社長の写真

様々な苦労もある中で、及川社長が語る意気込みは前向きでした。

「今回の震災では、世界中のいろいろな方々からご支援をいただきました。最近はニュースとして取り上げられることも少なくなっていますが、あの時大変な被害を受けた南三陸がこんなにも立派に復活したんだ、と言われるくらいまちづくりの奇跡として復興し、再び注目されたいです。それが支援に対する恩返しだと思っています。」

冷凍ケースの中に商品が整然と並べられており、上部には紅葉の装飾や常温商品がディスプレイされている写真
のりや昆布などの乾物商品が金属ラックに種類ごとに並べられており、それぞれに価格札が付けられている写真

まだ再開できていなかった店舗に関しては、数年後に伊里前商店街が本設されるときに及新さんも出店する予定だとか。

及新さんも歌津の水産業を支える加工会社さん。これからも応援しています!

株式会社 及新

  • 住所:歌津字菅の浜40-1
  • 電話:0226-36-2013

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