工事用バリケードで仕切られた中に、重機やトラックが停まった整備中の広い空き地があり、その先には仮設商店街の店舗が並んでいる写真

昨日2月18日、さんさん商店街の南側駐車場は整備工事中。こちらの駐車場は土のため、水溜りが出来やすく泥にもなかなか苦戦していたのですが、これで一安心ですね。

そんな中、商店街の写真館、佐良(さりょう)スタジオさんをたずねました。

仮設商店街の一角にあるプレハブ造りの建物で、「佐良スタジオ」と書かれた看板の下に写真展示があり、震災記録を伝える佐良スタジオの外観写真
白とグレーの背景スクリーンが設置され、中央には大型カメラと照明機材、左側に緑色のソファ、右奥には和風の仕切りがある室内で、撮影用のセットが整えられたスタジオの写真

店主の佐藤さんは、町の写真館の2代目。震災前は町内にお店を構えていましたが、津波でお店も家も流されてしまいました。

巨大な自然災害によって甚大な被害を受けた中、写真屋の佐藤さんが出来ることは、唯一持って逃げたカメラを使って、町の惨状を記録すること。

そして2011年の秋、多くの協力者と一緒に写真集「南三陸から2011年3月11日~2011年9月11日」を、出版。
震災直後の様子や、避難所での生活をそのまま写した作品は、第43回講談社出版文化賞「写真賞」を受賞されました。

薄ピンク色の背景に「南三陸から2011年3月11日~2011年9月11日」、「2011年9月11日~2012年3月11日」とタイトル印刷された写真集が2冊並べられている写真

(復興へ向けての日常を写したvol.2も現在販売中。近々vol.3も販売予定だそうです。)

佐藤さんはこう話します。「皆さんの支援があって出版をすることができ、多くの方に伝えることができた。中でも驚いたのは、受け入れられないと思っていた地元の方々も買っていくこと。つらい出来事だけれども、しっかり伝えなくてはいけないという認識なんだと思います。」

室内の棚の上に、震災前後の南三陸町の様子を写した写真や写真集が整然と並べられており、棚の下には青いチラシが貼られた展示コーナーの写真
白い金属製のラックに風景写真のポストカードが6種類並べて掛けられ、周囲は白い造花のガーランドで飾られたポストカード販売コーナーの写真

(お店には、写真集の他にも震災前の自然豊かな南三陸の写真などが販売されています)

「見慣れた建物が壊されていくことには寂しさを感じるしつらい。先日電話で遠方の方から、「もう2年も経ったんだから、家も建ったでしょう?」と聞かれて、現地とニュースとのギャップを感じ、情報の溝を埋めていかなくてはと思いました。」

スーツ姿の佐藤さんが佐良スタジオ受付のカウンター内に立って写っている写真

「写真はこれからも撮り続けていきたい」、と語る佐藤さん。南三陸のいまを伝える・記録する、という想いは私たちも同じです。これからも応援しています!

佐良スタジオ

  • 営業時間:9時-18時
  • 定休日 :火曜日
  • お問い合わせ:0226-29-6137
  • URL:http://www.sansan-minamisanriku.com/お店一覧/暮しの店/佐良スタジオ/

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