木目調のプレハブ小屋の隣に設置された白いテントに複数の人が集まって作業をしている様子の写真

3月7日、土曜日。

ポータルセンターの外にプレハブの建物とテントを発見。

木目調のプレハブ小屋の隣に設置された白いテントに複数の人が集まって作業をしている様子の写真

雪がちらつき、冷たい風が吹きつける中、そこでは“南三陸 大地を融かすプロジェクト”が行われていました。
このプロジェクトは、以前“きりこプロジェクト”でご紹介したENBISI(えんびじ)さんが主催。
(きりこプロジェクト続報の記事はコチラ)
日々、復興が進んでいる町では工事等で通行止めや立入禁止の場所も増えてきています。
新しいまちへの希望や期待、楽しみな気持ちと共に、思い出の場所へ行けなくなってしまう、見られなくなってしまう寂しさもあるものです。
そこで、町の思い入れのある場所の砂や土を融かしてガラス玉を作ろう!ということで、このプロジェクトが開催されました。

青いシートの上に赤と黄色の縁の複数の紙皿が並べられ、それぞれに透明袋に入った材料が置かれ、中央の2つのお皿には材料と説明書きされた紙が置かれている写真
折りたたみ椅子に座った親子の参加者がテーブルに向かって並び、後方には立っている人やカメラを持った関係者がいる室内で、手前には青いシートの上に材料が乗った皿が並べられている、ガラス玉作成のワークショップの様子の写真

海水浴場、自宅のあった場所、公園など、みんなの思い出いっぱいの砂や土が集まりました。

今回、ガラス作りのご指導をしてくださるのは、ガラス作家の村山耕二さん(仙台市在住)。

ガラス工房で、長い金属の吹き竿の先にある溶けたガラスを成形している村山耕二さんが、炉の前で作業しているガラス吹き作業中の写真

山形出身の村山さんは、1996年に仙台市太白区秋保町にガラス工房“海馬(かいば)”を設立。
サハラ砂漠の砂を使った“サハラガラス”や、仙台の川の砂を使った“仙台ガラス”などを製作。
多くの作品展への参加、モロッコ王国・王室への作品献上、テレビ企画でのガラスアドバイザーなど、幅広い活動をされているお方です!
村山さんは、以前ご家族で南三陸町を訪れた際に行った“サンオーレそではま”の砂を持参。
お子さんを海デビューさせた思い出の場所なんだそうです
それではいよいよ、南三陸の大地を使ったガラス玉作りのスタート。

黄色い上着を着た女性参加者が長い棒を持ち、女性スタッフが開けた炉の扉からは強いオレンジ色の光が見える、ガラス玉作り体験中の様子を捉えた写真
半分ほど開けた炉の扉の奥の内部が明るいオレンジ色に輝き、高温であることが分かる開口部から加熱された空間が見える写真

この窯の中に、熱せられドロドロに融けて水飴のような状態になった砂や土が入っています。
熱した棒にそれを垂らし、冷えてすぐに固まらないようバーナーで熱を加え、棒をくるくる回しながら形を整えます。
大人も子供も無言で集中。真剣な眼差しです。

隣に座っている村山さんが、茶色の上着を着た女性参加者が両手で持った棒の先にあるドロドロになったオレンジ色のガラスの元をバーナーで熱を加え、女性が棒を回しているガラス玉作り体験の様子の写真
棒の先についたオレンジ色のガラスの元を、男性講師がバーナーで熱しながら、女性が形を整えている様子をアップで撮影した写真
村山さんが指導しながらバーナーで熱し、屋外で水色のダウンジャケットを着た男の子が、長い金属棒の先についたドロドロになったオレンジ色のガラスの元の形を整えている、ガラス玉作成体験の様子の写真

ある程度形が整ったら、熱を加えるのをやめ、くるくる回しながら冷まし、固めます。
その後、約1時間、徐冷材(バーミキュライト)の中に入れて熱をとり、完全に固めます。

金属棒の先にある、形を整え茶色に変化した小さなガラス玉がついている手元をアップで撮影した写真
長方形の金属容器に土のような粒状の素材が入っており、複数の細い金属棒が文字が書かれた付箋と一緒に差し込まれている写真

固まったら、棒からガラス玉を抜き取り、完成。

棒を回す速さや傾け方によって形が変化するので、同じ物を作ることはかなり難しいそうです。
作る度に違った形で、それもまた“味”があって、良いですよね
「もう一回やりたい!」「今度はおっきいの、作る!」最初は遠慮気味だった子供たちも、一度作ったらハマったようで、すっかりガラス玉作りに夢中!
出来上がったガラス玉は、アクセサリーにしたり、家に飾ったり、ストラップにしたり

木製の台の上に、縦中央が黄色で黒色の大小様々な7つのビー玉が一列に並べられ、窓から差し込む日差しがビー玉を照らしている写真
水色のダウンジャケットを着た男の子が、右手で完成したガラス玉を持ちカメラに向かって見せている様子の写真

世界に一つしかない自分で作ったガラス玉。
みんなの思い出いっぱいの南三陸の大地は、きれいなガラス玉となり、また思い出になりました。
(高橋)

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